初めての推理小説におすすめ! 推理小説デビューにぴったりの全8シリーズを一挙紹介!
ハラハラする展開と、ドキドキする推理。
推理小説には、読書の魅力がたっぷりと詰まっています。
子どものころ、シャーロックホームズの小説を読んで読書にハマった、という方も多いのではないでしょうか?。
今の子どもたちにも推理小説を読んで読書好きの扉を開いてほしい! でもいったい推理小説って何歳くらいから読めるの? という方に向けて、子どもの心の発達の観点から解説しながら、推理小説デビューにぴったりの全8シリーズをご紹介します。
推理小説って何歳から読めるの?
スイスの心理学者ジャン・ピアジェ(Jean Piaget)は、子どもの認知発達は4つの段階に分類されるとしています。
- ピアジェの発達段階1:感覚運動期(0~2歳頃)
- ピアジェの発達段階2:前操作期(2~7歳頃)
- ピアジェの発達段階3:具体的操作期(7~11歳頃)
- ピアジェの発達段階4:形式的操作期(11~18歳頃)
この中でも、11歳頃から始まる「形式的操作期」に入ると「抽象的思考」ができるようになると言われ、具体的な体験や事象、時間の流れに捉われずに、説明や映像からイメージをしたり、仮説を立てて推理したりできるようになります。
つまり、本格的な推理小説を楽しむことができるのは、抽象的思考ができるようになる11歳くらいからと考えるといいでしょう。
だからと言って、それ以前の年齢の子が全く推理小説を楽しめないわけではありません。
幼いお子さんも、クイズや謎解きなどを考えるのは大好きですよね。
本格的な「推理」ではなくても、クイズや謎解きを解く感覚で楽しめる作品もたくさんあります。
発達や成長に合わせて、わくわくする推理体験を楽しんでいただければと思います。
小学校高学年におすすめ!初めてでも読みやすい推理小説シリーズ
まずは、抽象的思考ができるようになる小学校高学年前後から楽しめる推理小説のシリーズをご紹介します。
どのシリーズもたくさんの作品が揃っているので、一冊読んでハマったら次の一冊、もう一冊と、どんどん読み進めていくことができます。
キャラクターやイラストなど、お好みのものをひとつ選んで読んでみてくださいね。
推理小説と言えばやっぱりシャーロック・ホームズ! 推理小説デビューにおすすめ
3つのNewポイント! 名作が読みやすくなるしかけ、満載です
① お話をわかりやすく紹介「物語ナビ」
登場人物のプロフィール紹介、ホームズが解決する事件現場の地図など、ひとめ見ただけでお話の内容がわかる、「物語ナビ」つき。映画のパンフレットのような、ヴィジュアルに訴えかける作りなので、本文を読む前に目を通せば、ストーリーがどんどん頭に入ってきます。ささっと内容を見返せるので、感想文を書くときのナビにも!
② オールカラーイラストで、名作がぐっと身近に
1冊に50点以上ものカラーイラストを掲載。お話の世界に入りこむ手助けをします。
アニメーション風のタッチが親しみやすいと、大好評!
③ 1章が短い! さくさく読める!
エピソードごとに章が分かれていて、どんどん読み進められるのもポイント。「読めた!」という達成感が、次の読書につながります。
■読者の声
これはシャーロックホームズを身近に感じさせてくれます
私がドイルさんのシャーロックホームズのお話を読んだのは小学生時代です。シャーロックホームズのお話はひじょうにインパクトがあり、決して忘れることができません。最近、あらためてこの本を読ませて頂きましたが、これはシャーロックホームズを身近に感じさせてくれます。シャーロックホームズはドイルさんの推理小説で活躍する名探偵です。ドイルさんの恩師ジョゼフ・ベル博士がモデルといわれますが、シャーロックホームズのお話はとても奥が深く、面白いと思います。この本を読みながら、ひじょうにわかりやすく、シャーロックホームズのお話を教えてくれると思いました。シャーロックホームズ、大好きです!
(水口栄一さん 60代・その他の方 )
「10歳までに読みたい名作ミステリー」シリーズのシャーロックホームズのお話もつづけてどうぞ!
累計45万部突破! 理科が好きな子に特におすすめです
エリート探偵を育成するホームズ学園から花森小学校に転校してきた天才少年・謎野真実。クラスメートの宮下健太とともに、学校でうわさの七不思議の謎を、科学の力で解き明かす。謎解き推理小説の新シリーズ開幕!
■読者の声
最近の児童図書は面白い
学校の七不思議を解明!?してしまう、謎野くん。
読み進めるうちに、多分こういうことかなーとオチを思い浮かべてしまうこともありますが、それは科学的なトリックに気付けたから?
でもとても興味深く、面白く読めます。
文章構成にも無理がなく、読みやすいです。
どちらかというと子供向けの構成ではありますが、文章にいきおいがあるので、どんどん読み進めていけます。
(hime59153さん 40代・ママ 男の子11歳)
「科学探偵 謎野真実(かがくたんていなぞのしんじつ)」シリーズ、こちらもどうぞ!
福山雅治さん主演ドラマでもおなじみ、東野圭吾さんの『ガリレオ』が、小学生向け推理小説に!
累計1500万部越えのガリレオ・シリーズから、ジュニア向けに新たに編みなおした、大人気・科学トリックミステリーが誕生。
短篇であり、東野圭吾作品なので、読みやすさは圧倒的です。
「謎」は、天才科学者におまかせ!
毎晩8時に家具や電灯が揺れる家。そこに暮らす怪しい人々は何かを隠している!?「騒霊ぐ(さわぐ)」や、深夜に火の玉を見た少女の”お父さんに何か悪いことが起きそう”という予感が当たってしまう「絞殺る(しめる)」など、不可思議な事件を、ガリレオが解き明かす、4つの短編を収録。
キャラクターデザイン、装画は、『東京トイボックス』シリーズで知られる漫画家の「うめ」氏。
今作は、シリーズ前半の短編集3冊『探偵ガリレオ』『予知夢』『ガリレオの苦悩』から4本をジュニア向けにセレクト!『ガリレオの事件簿2 幽体離脱の謎を追え』も発売中です。
【これで「読書」と「科学」が好きになる! 東野圭吾】
■読者の声
ジュニア版が出た!!!
福山雅治さんのドラマでお馴染みの「ガリレオ」。
東野圭吾さんの原作も人気で、シリーズでたくさん出ていますね。
探偵ものや推理ものが好きな中1の息子に読ませたいなと思っていましたが、やはり大人版はいろんな意味でちょっと早いかなと躊躇していた、ジュニア版が出ました!!!嬉しい限りです。
映画「沈黙のパレード」の公開を控えて、テレビで「容疑者Xの献身」をやっていまして、息子はすっかり湯川先生のファンになり、「ガリレオの事件簿」も読みました。
過去に出たシリーズの中から、子どもが読んでも大丈夫な内容、かつ、科学トリックが楽しめるものを抜粋しているようです。
小説は、主人公を好きになれると、どんどん読みたくなりますね。
まだ2冊しか出てないんですが、続きが早く読みたいようです。
息子は中1で読みましたが、まったく問題なく、読書好きの子なら、小学校高学年からいけると思います。
(Tamiさん 50代・ママ 男の子12歳)
『ガリレオの事件簿シリーズ』続刊もぜひ!
はやみねかおるさんの夢水清志郎シリーズで、本格推理を楽しもう!
夢水清志郎は名探偵。表札にも名刺にも、ちゃんとそう書いてある。だけど、ものわすれの名人で、自分がごはんを食べたかどうかさえわすれちゃう。おまけに、ものぐさでマイペース。こんな名(迷)探偵が、つぎつぎに子どもを消してしまう怪人「伯爵」事件に挑戦すれば、たちまち謎は解決……するわけはない。笑いがいっぱいの謎解きミステリー。
■読者の声
犯人は分かった!夢水探偵デビュー作
夢水探偵が登場し、三つ子に出会う初の作品です。面白いです!三つ子も昔はちょっとスレてたんだなーと思ったけど、それも面白い。それを見破る夢水もすごいけど、夢水さんの子供に対する思いや愛情は素敵だと思う。
今回の事件、タイトルはクリスティーみたいだけど、ちょっと違う。今回の犯人は私にも分かったけど、それを上手く見逃してあげるあたり、とても素敵。みんなでこっそり犯人を隠すのも意外にいいものです。特にこういう事情があるときは。
親は子供を道具にしちゃいけない。自分の夢を代わりに叶えさせるべきじゃない。やりたきゃ自分でやればいい。親はただ子を愛していればいい。夢水さんみたいなヒトが増えたら、きっと虐待死やステージママも減るのになあ。
(えみりん12さん 30代・ママ 女の子3歳)
「名探偵夢水清志郎事件ノート」シリーズ、こちらもどうぞ!
低学年におすすめしたい推理小説
まだ抽象的思考をする力が育っていない低学年児でも楽しめるシリーズをご紹介します。
自分で読むのものよし、読み聞かせしながら一緒に推理するのもよし!
この時期から、「本を読んで推理すること」の面白さを体験できれば、それは一生ものの力になります。
世界中で愛されて40年!初めての推理読み物に最適
9歳のネートは探偵です。
今日もネートの元に1本の電話が入りました。
仲良しの女の子アニーから、なくなった絵を探してほしいとの依頼です。
すぐにアニーのところへ駆けつけるネート。
まず、アニーの話をじっくり聞き、部屋の中をくまなく調べます。
次に、その絵を見た他の人たちー仲良しのロザモンド、弟のハリー、犬のファングについて丁寧に調査していきます。
はたしてネートは、アニーのなくなった絵を発見することができたのでしょうか。
一見、すぐに解けそうと思わせておきながら、意外になかなか解けないナゾの面白さと、ネートのツボを押さえた探偵ぶりに子どもも(大人も!)たちまち心を掴まれてしまいます。
また9歳という年齢でありながら、どんなナゾが来ても常に落ち着き、周りから頼りにされているネート。子どもたちは、自分と同じぐらいの年齢の子の活躍とカッコよさにたちまち憧れてしまうのではないでしょうか。一方でパンケーキが大好物で、気が付けばいつもパンケーキを食べているところには親しみを感じてしまいますね。
こちらは、1982年の発売以来、たくさんの子どもたちに愛され、読み継がれてきた「ぼくはめいたんてい」シリーズの第1巻目。マージョリー・W・シャーマットさんによる全17巻となるこちらのシリーズは、5歳ぐらいから小学校低学年の子どもたちにちょうど良いハラハラさで、子どもたちがはじめて物語の楽しさに出会えるシリーズでもあります。つぎつぎにネートに降りかかるナゾ解きの面白さはもちろんのこと、巻ごとに増えていく個性的な登場人物、ネートからママへの置き手紙の内容など、読めば読むほど多くの楽しみをも発見できるでしょう。
すべての漢字にふりがながついているので、はじめての読み物としてもぴったり。ひとり読みに移る前に、まずは読んであげながら親子で一緒にナゾ解きを楽しんでみるのもいいですね。シーモントさんの温かくユーモアたっぷりの挿絵と、訳者の小宮由さんの柔らかな語り口も、子どもたちの読書をやさしく応援してくれます。お話の最後には「めいたんていのこころえ」もついていて、もし周りでなにかナゾが起きた時の役に立つかも!? さあ、ネートとどんどんナゾを解いて、一緒に名探偵になろう!
■読者の声
推理の楽しさ。
読み聞かせにもいいですが、こういう推理本は小学校低学年なら自分で読む初めての本にぴったりだとおもいます。
息子がまさにそれで、今までは読んで読んでともってきたのに、この本に限っては自分から読み始めました。
読み始めると、こちらが話しかけても聞こえないほど、集中して、なんと、2冊一気に読んでいました。
こどもがどの程度、正確に読めているかなんてわかりませんが、間違いなく、自分で読む楽しさを発見できたようです。
少し、いえ、かなり寂しいです。
このシリーズを全部読んでみたいと言っていましたよ。
(ラズベリーテッドさん 30代・ママ 男の子6歳、女の子4歳、男の子2歳)
スペシャルインタビューもぜひどうぞ!
『ぼくはめいたんてい』シリーズ、新装版で勢ぞろい!
個性豊かな三人組が大活躍! はたこうしろうさんのイラストも楽しい!
海賊好きの女の子フロー、もの知りの少年レオ、力持ちの男の子サムソンは、古いお城を校舎にした学校の四年生。
ある日、三人はお城の塔で、ヨーゼフというおじいさん発明家の、ひみつ研究室を発見! ヨーゼフは、実は「ひみつたんてい」で、お城に隠れすんでいたという。でも、研究室が先生にばれて…?
なかよし三人組が事件をかいけつ! 読みはじめたらとまらない、おもしろさ満点のシリーズ第一巻!
■読者の声
ユニークな三人組
「ひみつたんていダイアリー」シリーズの1冊目です。
主人公は小4の三人組。海賊好きな女の子、物知りだけどやせっぽちな男の子、そして力持ちででぶっちょの男の子という、でこぼこトリオです。
女の子フローは転校してきたばかりなのですが、この学校というのがとてもユニーク。
なにせ、ふるぼけた「お城」が学校なんです。
といっても魔法使いとかは登場しません。お城が学校になるきわめて現実的理由があるんです(笑)。
「ひみつたんてい」と銘打っているだけあって、ストーリーの途中に謎が登場したり困った事態が起きたりします。
3人組はいったいどうする??
シリーズ1作目ということもあり、前半は状況や人物説明が少々長めかな?と感じます。が、とてもユニークな設定なので、それもまた楽しめました。
一応、一話完結のお話のようですが、ラストで少し状況が変わるので、次回作も楽しみです。
児童書ですが文章量はそれほど多くないので、本が好きなお子さんなら小学校低学年から楽しめると思います。
(あんれいさん 40代・ママ 男の子6歳)
「ひみつたんていダイアリー」シリーズ、こちらもどうぞ
主人公の探偵ミルキー杉山と一緒に、推理を楽しもう!
■読者の声
前半が事件編、後半が解答編
絵本ではないのですが、絵本の次の段階で手にとって欲しい本なので、紹介します。
小学生低学年向きの探偵物です。
主人公はミルキー杉山という2児の父。普段はアルバイトで食いつないでいる探偵です。
ミルキーはホームズのように切れ者ではないので、妻や子どもの助けを得ながら、日常生活の中で起こる小さな泥棒事件などを解決していきます。
近所の冴えないおじさんが、一生懸命事件解決に乗り出しているような感じなので、親しみが持てます。
前半が事件編、後半が解答編になっているので、自分で推理したい人は、解答編に入る前にもう一度事件をおさらいできるような構成になっています。結構ヒントが散らばっていて楽しいですよ。
(金のりんごさん 40代・ママ 女の子11歳、男の子8歳、男の子6歳)
「ミルキー杉山のあなたも名探偵」シリーズ、こちらも!
大人気の「おしりたんてい」シリーズは、実は「推理デビュー」に最適です
■読者の声
子ども向けなのに、正しき推理小説です。
小1の息子が、学校で「おしりたんてい」を読み聞かせてもらい、とてもおもしろかった、と言うので、児童書版を2冊購入してみました。
顔がお尻とか必殺技が臭いおならとか、少々下世話であることは察しがついていたので、まあ息子が楽しければいいのかなとあまり期待せずに読んでみました。
しかし。まず私が、導入でぐんと惹きつけられてしまいました。
「いつものようにいれたての紅茶とスイートポテトを楽しみながら、新聞を読んでいました。」とかそんな感じ。
たぶん今まで読んできた子ども向けの本だと、「楽しみながら」ではなく「食べながら」です。文章全体がずいぶんと気取っているのです。
海外物のミステリーにありがちな雰囲気。
そこへ依頼人が現れます。
「立っていたのは、上から下まで紫色のすらりとした女性」なのです。
上から下まで紫色!まさに推理小説の極み!(大げさかしら)。
期待が高まります。
もちろん子ども向けですから、大人の私が大満足ではありませんが、それでもかなりおもしろくできています。息子も夢中になりました。
挿絵がすべてカラーで、文字が少なめ。80ページを超えますが、息子は30分くらいかけて2冊続けて読みました。
最近の息子は図鑑を拾い読みすることが多く、物語から離れていました。
今回は集中して読書する息子の姿を見られました。
推理物や探偵物は、これからおもしろいシリーズがいっぱい待っています。
息子の読書の幅か広がりそうで楽しみです。
(Tamiさん 40代・ママ 男の子6歳)
「おしりたんてい」シリーズ、こちらもぜひ!
推理小説の読書体験が、論理的思考力と抽象的思考力を育てる
推理小説を読むことで、物事を論理的に考えたり抽象的に捉えたりする力が育まれます。
読書の楽しさを体験しながら様々な力を育ててくれる推理小説を、ぜひ手に取ってみてくださいね。
洪愛舜(ほん えすん)
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