仕事でもプライベートでも、人間関係の悩みは尽きないものですよね。そうしたとき、人の心を読んでコントロールするのは無理ですが、自分の心の動揺を、鎮めることは可能なはずです。
そこで、筆者が取り入れようと考えたのは、ストレスの軽減や、感情の整理に役立つという3行日記です。最近、よくも悪くも人間関係で動揺してしまった筆者が、ノート選びを工夫しながら実践してみました。
【ライタープロフィール】
STUDY HACKER 編集部
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文化学科へようこそ|心理学を学べば“人の心は読める”ようになる?
東洋経済オンライン|イライラ・怒りが減る「1日3行日記」のすごい効果
STUDY HACKER|夜勉強が楽しくなりそう。一見普通のノートなのに、斜めからの光で方眼っぽくなるノートを使ってみた
人間関係において自分ができないこと
「私を嫌っていると思っていた人物が、周囲に私のことをほめ称えていた」
これは、最近筆者が実際にプライベートで経験したことです。自分は敏感なほうだと思っていただけに、ここまで人の心がわかっていなかったのかと、少しショックを受けました。
でも、それは仕方がないことなのでしょう。九州大学大学院 人間環境学研究院准教授の池田浩氏は、相手の心を推し量り、社会生活を適応的に営むことはできても、人の心を読むことはできないと断言しています(参考記事公開の2015年4月20日当時は福岡大学人文学部准教授)。
たとえば、ある実験ではこんな結果が出たのだとか。
- (自分が属する集団の)全体が自分にもつイメージの予測
⇒ それなりに要点をとらえている - (自分が属する集団の)ひとりひとりが自分をどう思っているかの予測
⇒ まったくの外れ
(参考:文化学科へようこそ|心理学を学べば“人の心は読める”ようになる?)
後者はまさに、筆者の体験です。
人間関係において自分ができること
ですから、たとえば「あの上司は私を嫌っている」 などと考え悩んでいても、まったくの見当外れかもしれないし、「あの人は自分の味方」だと思っていても、必ずしもそうとは限らないわけです。したがって、人間関係が私たちに与える動揺は、なかなか避けることができません。
でも、ノートとペンさえあれば気軽に始められる “心にいい習慣” で動揺を落ち着かせることなら、誰にだってできるはず。それがまさに「3行日記」です。順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏が、アイルランドの病院で同僚から学んだメンタルコントロールのテクニックなのだとか。やり方は、1日の終わり(就寝前)に、
- 今日の最もイヤだったこと
- 今日の最もうれしかったこと
- 明日の目標
をそれぞれ1行ずつ、計3行書くのだそうです。イヤだったことを書いて感情を吐き出し、次によいことを書いて気持ちを切り替え、最後に明日の目標を書いて、未来に目を向けスッキリと1日を終える、といった流れです。
小林氏いわく、「3行日記は非常にシンプルですが、ストレスを軽減し、自律神経を整えるのに優れた効果を発揮します」「怒りやいらだちの感情を整理していくためにお勧めしたい」とのこと。
(参考および上段落のカギカッコ内引用元:東洋経済オンライン|イライラ・怒りが減る「1日3行日記」のすごい効果)
つまり、これが自分にできること。人間関係で生じた心の動揺を、「3行日記」で鎮めてあげるわけです。ちなみに自律神経と3行日記の詳しい説明については、以下の記事で紹介しているので、ぜひ一度ご覧くださいね。
>>自律神経が整う「3行日記」が最高。夜寝る前の “たった5分” で頭もスッキリ!
「3行日記」に合うノートを選んでみた
では、ここ数日のあいだに人間関係で動揺した筆者も、さっそく「3行日記」を試してみましょう。今回筆者は、ナカバヤシのロジカル・Tラインノートに日記を書いてみることにしました。習慣化に役立ちそうな、いくつかの特徴があるからです。
じつはこのノート、正面から見ると一般的な横罫のノートに見えますが――
斜めから照明を当てたり、角度を変えて見たりすると、以下写真のようにガイドラインが浮き上がってくるのです。
「3行日記」は就寝前に書く日記なので、日中働く筆者は、必然的に夜照明をつけて書くことになります。だから、照明や見る角度で、線が見えたり消えたりするこのノートを使えば、なんとなく楽しくなり、飽きずにやっていけそうだと考えたわけです。
それに、このノートは肌触りもよく、書き心地がとても滑らかなんですよ。つまり、もれなく感覚も心地よく刺激されるわけです。「ナカバヤシのロジカル・Tラインノート」の詳細は以下の記事で詳しく紹介しているので、よろしければご覧くださいね。
>>夜勉強が楽しくなりそう。一見普通のノートなのに、斜めからの光で方眼っぽくなるノートを使ってみた(※参考およびノート画像引用元:同記事)
心地いい刺激のノートで「3行日記」をやってみた
「3行日記」は人間関係専用ではないので、「人間関係で動揺した心を鎮めたい」という目的がある筆者も、書く内容は特に限定しませんでした。何を書こうと、とにかく心が鎮まればいいと思ったからです。
そして、5日ほど経って書いたものを見直したとき、「自分が日々前向きに生きている」と、思わざるをえないことに気がつきました。また、それが自然だと思うようになり、前向きな気持ちにシフトしやすくなることもわかったのです。
必ず最後は強制的に前向きな「明日の目標」で締めるので、そうした効果が出やすいのかもしれません。ちなみにその時点ではまだ、人間関係で動揺した記憶が、頭のなかでグルグル回っていましたが、日記を書き足すほど、動揺した過去が、新たな記憶で上書きされていく感覚がありました。
これは、3行で1日が表現されているからこそ、あるいは、1日1日をしっかり3行で結んでいるからこそ、生まれた感覚かもしれませんね。ノートに自分の1日1日が凝縮され、建設的に彩られているわけですから。
ちなみに、ナカバヤシのロジカル・Tラインノートは、しっかりとガイドラインを浮き上がらせたり消したりしていましたが――
ノートを開いて3行の短い日記を書くあいだ、スッと集中できたので、意外とその変化を楽しむ暇はありませんでした。つまり、たった3行だけ書けばいい「3行日記」は、そんな小ワザを使わなくても習慣化しやすいということなのでしょう。
でも、ノートの肌触りと滑らかさはやはり絶品で、書いているあいだずっと心地よかったので、やはりこのノートを選んでよかったと思いました。
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感覚を心地よく刺激しながら「3行日記」を書いてみたら、とても習慣化しやすくて、なおかつ強制的に前向きな気持ちにさせられました。間もなく人間関係で動揺した心も鎮まると思います。みなさまも、よろしければお試しくださいね。