出勤前の “たった1分” からOK。3つの「朝のルーティン」が仕事力アップに効く - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習

出勤前の “たった1分” からOK。3つの「朝のルーティン」が仕事力アップに効く

朝のルーティン01

「朝はいつも慌ただしく仕事に出かけている」「起床と支度に精いっぱいで、毎朝焦ってばかり」そんな人は少なくないでしょう。しかし、仕事力の高いビジネスパーソンのなかには、朝のルーティンを大切にしている人が多くいます。

成功者たちが実践していて、科学的にもたしかに効果的だと言える朝習慣を、あなたも取り入れてみませんか? 

単に気持ちがいいだけでなく、自律神経が整い、ストレスや不安が軽減し、集中力とモチベーションアップが期待できますよ。家を出る前のたった1分からでも実践可能です。ぜひ参考にしてみてください。

仕事力アップには「朝」の使い方が超重要

起業家でForbes 30 Under 30(経済誌『フォーブス』が選ぶ30歳未満の30人)に選ばれたことのあるキャサリン・ラヴェリー氏は、朝の習慣は成功に欠かせないものと言います。朝一番でその日のテンションが決まり、一日一日をどう過ごすかで人生までもが決まるとしたら、朝の習慣が成功のカギだと言っても過言ではないでしょう。

また、「朝は毎日これをする」というルーティンを決めておくこと自体にも、重要な意味があります。それは「決断するエネルギー」を大幅に減らせるということです。

私たちは日々無数の決断をしているもの。「目覚ましが鳴ったらすぐに起きるのか、それとも何回かスヌーズさせるのか」「朝ごはんは何を食べるのか」「今日はどんな服を着るのか」など、朝だけでもいくつもの決断に迫られますよね。

決断するためのエネルギーは「ウィルパワー」と呼ばれ、私たちが何かを決断するたびに消費されていきます。ウィルパワーには限りがあるため、朝たくさんの決断をすると、仕事中に必要となる大事な決断力が弱まることに。だからこそ、朝のルーティンを決めておくことで決断の負担を減らすことが大切なのです。

朝のルーティン02

ではここからは、成功している起業家や投資家、精神科医、社会心理学者などがすすめる朝習慣を紹介しましょう。

【実践したい朝のルーティン1】目覚まし時計を使わない

スマートフォンや目覚まし時計のアラーム音で起きるのは、現代人にとって当たり前のこと。ですがじつは、一日の始め方としてはあまりいい方法ではありません。

ニュースサイト『ハフィントン・ポスト』の創設者アリアナ・ハフィントン氏は、アラームという言葉の意味は「危険を察知したことで引き起こされる突然の恐怖」だと言います。起床時のアラームは、危険に備えるためのストレスホルモンやアドレナリンを多く放出させることにつながるそう。

アマゾン・ドット・コムの最高経営責任者ジェフ・ベゾス氏や、米人気司会者オプラ・ウィンフリー氏も、目覚まし時計を使わず自然に目を覚ますことを強く支持しているようです。

朝のルーティン06

とはいえ、「アラームがなければ寝坊してしまう」と考える方も多いことでしょう。これについて米国立睡眠財団(NSF)は、早めに就寝し、大半の成人に推奨される8時間の睡眠をとれば、目覚まし時計なしで自然に起床できるようになるとの見解を示しているそう。

もちろん、明日から突然アラームを使うのをやめたら寝過ごしてしまいそうですよね。アラームはあくまで保険としてセットしておき、起床時刻から逆算して、最低でも8時間寝られる時刻に眠りにつけるよう、意識してみましょう。

医学博士で東京女子医科大学名誉教授の大塚邦明氏によると、睡眠のリズムを整えるには、毎日が無理なら1週間のうち1~2日だけでも、意識して実践することが大切だそうですよ。

朝のルーティン03

【実践したい朝のルーティン2】15分間、散歩をする

精神科医で作家の樺沢紫苑氏によると、朝起きてから1時間以内に15~30分の散歩をするだけで自律神経が整うほか、脳内物質のセロトニンが活性化するそう。清々しい気分となり、意欲が向上し、集中力の高い状態になると言います。

セロトニンは、日光を浴びることやリズム運動などによって活性化するため、朝の散歩はまさにうってつけなのです。

さらに、セロトニンが活性化すると、メラトニンがつくられるという効果もあります。メラトニンとは、サーカディアンリズム(概日リズム)の調節を助ける役割をする物質で、睡眠物質ともいわれるもの。セロトニンが十分に活性化することによって体内時計が整い、昼間は目がさえ、夜はちゃんと眠くなるのです。

樺沢氏いわく、朝の散歩のポイントは、先述のように起きて1時間以内に行なうこと、午前10時より前に行なうこと、そして30分間を超えないこと。午後に散歩をしても、セロトニンの活性効果は小さく、体内時計も後ろにズレてしまいます。また、30分間を超えるとセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果になってしまうのだとか。

一日を頭がさえた状態で過ごすためにも、夜スムーズに眠り翌朝自然光で目が覚めることを目指すためにも、ぜひ朝の散歩を取り入れてみてください。

朝のルーティン04

【実践したい朝のルーティン3】5分間、自分の考えを日記に書く

作家で投資家のティム・フェリス氏は毎朝、自身の考えを日記に書いているそうです。きれいな文字で書くでもなく、後から読み返すでもなく、ただ頭に浮かんだことを「書く」というプロセスそのものが「最も効果的なセラピーだ」と表現しています。頭のなかにあるモヤモヤを、朝イチでいったん紙に書き出せば、その日一日を何かが気がかりな状態で過ごす必要がなくなるのだとか。

こうした行為は「ジャーナリング」と呼ばれ、ストレスを軽減させる効果があることがわかっています。

テキサス大学教授で社会心理学者のジェームズ・ペネベイカー氏が行なった研究では、被験者に「感情的に大きな影響を受けた出来事」を毎日20分書き出す行為を3日間続けさせたところ、心身の健康が大幅に向上したそう。さらに実験の数カ月後でも、血圧の低下、免疫機能アップ、通院回数の減少、幸福感の高まりが続いたようです。

朝のルーティン05

また、書くという行為から、瞑想に近い効果が得られることもわかっています。

マインドフルリーダーシップインスティテュート(MiLI)代表理事の荻野淳也氏によると、ジャーナリングは「書く瞑想」とも呼ばれているそう。「自分自身がどのように考えているのか」「何が幸せだと思うのか」など、自分の思いや考えを紙に書くことで、マインドフルネス(いまここに集中する状態)をつくり出すことが可能になるのだとか。これにより、心配事に気をとられることなく、いまやるべき仕事に集中できる状態を導けるのです。

荻野氏は、1日あたり1分や5分だけでもいいので毎日書く、ということをすすめます。毎日が無理なら、まずは週1回5分間だけ、というところから始めるのでもよいとのこと。

自分の内面を掘り下げ、「いま、自分は疲れているんだな」「嫌な気持ちに苛まれているな」と気がつけば、「今日はゆっくりお風呂に浸かろう」「週末はストレス発散にランニングをしよう」など対策を考えるきっかけにもなりますよね。ネガティブな感情をリセットし、その日一日の仕事に集中して取り組むために、ぜひ毎朝5分の日記を習慣にしてみてはいかがでしょうか。

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朝のおすすめ習慣をご紹介しました。気分よく目覚め、一日をモチベーションと集中力の高い状態で過ごすために、ぜひ実践してみてください。毎日コツコツと実践すれば「デキる人」に1歩ずつ近づいていけるでしょう。

(参考)
Huffpost|Why Creating A Meaningful Morning Routine Will Make You More Successful
Forbes Japan|大きな成功を収める人が実践する、朝の5つの習慣
The Guardian|No more snooze button: a complete guide to waking up feeling fantastic
サワイ健康促進化|体内時計のずれを上手にリセット、健やかな生体リズムで生活習慣病をSTOP!
Diamond Online|精神科医が「絶対にやるべき!」と断言する朝のベスト習慣
eヘルスネット|メラトニン
医療法人社団平成医会|セロトニンの増加が心身に及ぼす効果
INSIDER|7 ways to make next year better than this year in a matter of minutes
mindful|Research Roundup
Nikkei Style|書く瞑想、ジャーナリング 集中力高め仕事効率を改善

【ライタープロフィール】
Yuko
ライター・翻訳家として活動中。科学的に効果のある仕事術・勉強法・メンタルヘルス管理術に関する執筆が得意。脳科学や心理学に関する論文を月に30本以上読み、脳を整え集中力を高める習慣、モチベーションを保つ習慣、時間管理術などを自身の生活に取り入れている。

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