復習の精度が上がる「間違いノート」のつくり方。成績の上げ方は “○○” を知ればわかる - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習

復習の精度が上がる「間違いノート」のつくり方。成績の上げ方は “○○” を知ればわかる

ノートを使って勉強している様子

「資格をとるために勉強しているが、なかなか成績が上がらない」
「いつも同じ箇所ばかり間違えてしまう」

成績が伸びない・同じ間違いを繰り返してしまうと感じている人におすすめしたいのが、間違えた問題を1冊にまとめる「間違いノート」です。

今回は、実際に勉強で成果を出している人の間違いノートを比較し、必要なポイントを抽出しました。効率よく成績を上げていくために、ぜひ取り入れてみてください。

「間違いノート」って本当に必要?

問題を解き、答え合わせをしたら、自分の解答が間違っていた。そんなとき、あなたならどうしますか? 赤ペンで正しい答えを書く人は多いかもしれませんが、それだけでは、次も同じミスをしてしまう可能性があります。

というのも、間違った理由を分析していないからです。ケアレスミスなのか、時間が足りなくて解くのを急ぎすぎたのか、ただ単に覚えが悪かったのか……、間違った原因を突き止め、それを解消しない限り、また同じ間違いをしかねないわけです。

そこで有効なのが、「間違いノート」の活用。間違えた問題を1冊のノートに記録しながら、なぜ間違えてしまったのかを分析し、その内容も書き込んでいきます。

『東大合格生のノートはかならず美しい』などの著書をもち、東大生のノートを数多く見てきたライターの太田あや氏によれば、間違えた問題こそが “のびしろ”「何が原因で間違えたのかがわかれば、成績を上げるためには次にどんな勉強をすべきなのかが自分でわかる」と太田氏は言います。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|成績アップに役立つ「問題復習ノート」の作り方4「まちがいは消さない」

たとえば、ケアレスミスだったのなら「解いたら必ず見直しをする癖をつけよう」となるでしょうし、覚えが悪かったのなら「この単元の覚え直しをしよう」という対策をとれますよね。

このように、自分が間違えた問題を記録するのは、成績を上げるために重要なことなのです。

「重要なポイントをメモしたり問題を解いたりするノートとは別で、新たに間違いノートをつくるなんて、効率が悪いのでは?」と考える人もいるかもしれません。ですが、間違いノートをつくって原因を分析すれば、対策を講じやすくなり、ミスの再発を防いで成績アップにつなげることができます。

重ねられた勉強ノート

2種類の間違いノートを比較してみた

今回調べてみると、間違いノートのつくり方はひと通りではないことがわかりました。そこで、2種類の間違いノートを実際に書きながら、書き方のポイントを探ってみることとします。勉強の題材は、筆者が合格を目指している、化粧品成分検定の問題演習です。

スピード重視の間違いノート

まずは、税理士や宅地建物取引主任者などの資格をもち、資格試験勉強の講師経験もある石川和男氏が提唱する方法で、間違いノートをつくりました。

石川和男氏のすすめる間違いノートを実践した紙面

石川和男氏が提唱する方法でつくった間違いノート

石川氏は、間違いノートをつくるときに意識すべきポイントを3つ挙げています。

1.十分に余白を取る。

2.汚い字でもいいから、大きく書く。

3.テキスト(問題集)など、何ページ目から写したかという出典情報を書き込む。

(引用元:リクナビNEXTジャーナル|この「勉強法」は、やってはいけない

レイアウトやペンの色などは気にせず、「スピード重視」でノートをつくるそう。「後から補足説明や気づいたことを加え」るための「余白」と、「前後の問題は何だったのかなど気になることが出てき」たときにすぐに参照できるような「出典情報」が欠かせない要素として挙げられています。(カギカッコ内引用元:同上)

この方法で間違いノートをつくると、1ページあたり5分以内で済みました。

分析重視の間違いノート

次に実践したのは、『中学受験に合格する子の学んだら忘れない勉強ルーティーン』などの著書をもち、中学受験合格者を多数輩出してきた進学塾を展開する、橋本憲一氏が提唱する方法です。

橋本憲一氏のすすめる間違いノートの実践紙面

橋本憲一氏が提唱する方法でつくった間違いノート。左が表ページ、右が裏ページ

つくり方のポイントは以下のとおりです。

  • ノートの表ページには「自分がミスした問題とミスした自分の答え」を書く
  • 裏ページには「解答・解説とケアレスミスのポイント」を書く

(カギカッコ内引用元:ダイヤモンド・オンライン|灘中の合格者が実践!受験で「1点の差」に泣かない、親子で行う学習法 ※太字は編集部が施した)

間違った解答が書かれたページをめくると……正しい答えが書いてある、という構造です。

重要なのは、ミスした解答もそのまま記録すること。自分のミス解答を「客観的に眺めることで、本人もその癖を知ることになりますし、『同じミスをしない』という意識づけになる」と橋本氏は言います。(カギカッコ内引用元:同上)

この方法で書いてみると、自然と自分の間違いを分析して再発を防ぐ方向に意識が向きました。テキストの解説を書き写すのだけではなく、ミスのポイントを自分で考えて書くため、分析がしやすかったと思います。

ノートを使って勉強している女性

間違いノートに必要な要素は「見やすさ」と「テスト効果」

結局のところ、間違いノートに不可欠なのはどんな要素なのでしょうか?

前出の太田氏による言葉を、もう一度確認してみましょう。「何が原因で間違えたのかがわかれば、成績を上げるためには次にどんな勉強をすべきなのかが自分でわかる」と述べていましたね。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|成績アップに役立つ「問題復習ノート」の作り方4「まちがいは消さない」

自分のミスの原因を把握するには、橋本氏がすすめている以下の要素が役立ちそうです。

  • 自分がミスした解答
  • 正しい答えと解説
  • ケアレスミスのポイント

さらに、ノートの表ページにミスした箇所、裏ページに解答を書くという “すぐに正しい答えがわからない” 構成も記憶の強化につながるように感じられます。

心理学者の竹内龍人氏によれば、「教科書や参考書をただ読んで覚えるよりも、テストを利用して自分で思い出す努力をするほうが」記憶が強化されるそう。これは「テスト効果」と呼ばれ、脳の機能に合致した勉強法だと言います。(カギカッコ内引用元:ベネッセ教育情報|科学的な実証に基づいた「効率のよい勉強法」とは?

したがって、

間違った解答が書かれた表ページを見ながら、
⇒このときはなぜ間違えたのだろう、正しい答えはなんだろうと考えてから、
⇒ページをめくって正しい答えを確認する

という流れをつくれば、テスト効果を活用できるわけです。

加えて筆者は、試験会場でのおさらいなど、隙間時間での復習に活用するには、ノートの見やすさも重要だと考えました。そこで、石川氏が「余白を取って大きく書く」という要素も取り入れることに。

そして、筆者なりの間違いノートが完成しました。

「見やすさ」と「テスト効果」を取り入れた間違いノートの実践紙面

重要なポイントを取り入れた間違いノート

この間違いノートで、筆者が強く実感できたのは “復習の精度が上がる” こと。これまで行なってきた復習は、問題演習で間違いがあっても正しい答えと解説をチェックするだけでした。しかし、表ページに間違えた答えも書いておくことで、

「このとき自分はこんなふうに考えたはず、だからこの解答をしてしまったのだ」
「自分はこの知識を間違えて覚えていた」
「この知識は暗記できていなかった」

などとミスの原因を分析できました。なんとなく解説に目を通していた頃と比べ、注目すべきポイントを絞ることができたと思います。その結果、一度復習しただけでも要点をとらえられ、ミスの繰り返し防止につながりました。

さらに、表ページを見る段階で自然と「正しい答えはなんだったっけ?」と考えるため、テスト効果も実感できました。何度も復習をする時間がない人や苦手な分野をサクッと覚えたい人には、とくにおすすめです。

***
間違いノートに必要な要素を取り入れることで、勉強効率は大幅によくなるはずです。最近成績が伸び悩んでいる人や、苦手な勉強に辟易している人はぜひ試してみてください。

【ライタープロフィール】
藤真唯

大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。

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