ひとりの時間で「自分」とつながる。成長のための孤独の使い方。 - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習

ひとりの時間で「自分」とつながる。成長のための孤独の使い方。

筆者が実際に今までの自分の歩みを書き出してみたノート

孤独は本当にネガティブなものなのでしょうか? 多くの人がそう考えているかもしれません。しかし、実は孤独には、私たちが想像以上の価値があるのです。

孤独には自由な意思が宿り、それは私たちの精神的な自立を促す可能性を秘めています。この自立心こそ、先の見えない未来を生き抜こうとするビジネスパーソンにとって、欠かすことのできない武器となるはずです。

本記事では、孤独がもたらす意外な恩恵と、自分自身と向き合うための具体的なコツをご紹介します。あなたの「孤独観」が、きっと新しい形に変わることでしょう。

孤独は選択である

深夜、静かな部屋で一人きり。スマートフォンを手に取り、ついSNSを開いてしまう。誰かの投稿にいいねを押し、メッセージを送る。こうした行動が、「また時間を無駄にしてしまった」という後悔を生むことを分かっていても、多くの人が繰り返してしまいます。

なぜでしょうか。その背景には、おそらく私たちが無意識のうちに抱いている、孤独に対するネガティブなイメージがあるのではないでしょうか。

ところが精神科医の保坂隆氏によると、孤独は「みんなと一緒にいることと、ひとりでいることを」のうち、主体的にひとりのほうを選んだ状態なのだとか。そして、

ひとりの時間は誰にも邪魔されず、自分が好きなように使える時間。じっくり考えたり、趣味を楽しんだり、勉強したり、新しいことにチャレンジしたりできる時間

だと伝えています。こうした時間の使い方次第で「精神的に自立できる」とのこと。*1

つまり孤独とは、自由で強い意思を有する行動なのです。

それなら通勤電車のなかや、帰宅後などのひとり時間を寂しく感じたとき、その状態をネガティブにとらえるのではなく、「いまはひとりの時間を楽しもう!」と考えてもいいのではないでしょうか。

事実、こんな報告もあります。アプリケーションの開発・企画などを手がける株式会社Tierが、2022年に1000人を対象に行なった調査によると、SNSを利用する半数以上がストレスや疲れを感じていると回答したそうです。

「知りたくない情報まで知ってしまう」ことや、「他人の楽しそう/キラキラした投稿を見て自分と比較してしまう」なのだとか。*2

SNSは確かに便利で大切なツールです。でも、たまには「一人の時間」を楽しんでみるのはどうでしょうか。好きな本を読んだり、ゆっくり散歩したり。こういった時間は、実は自分を見つめ直し、新しいアイデアを生み出すチャンスかもしれません。

孤独を「寂しさ」ではなく「自分時間」と捉え直すことで、一人でいることの価値が変わるはずです。SNSと「質の高い一人時間」、両方を上手に使いこなせば、もっと豊かな毎日が送れるかもしれません。

スマートフォンでSNSをチェックしているビジネスパーソン

ひとり時間が孤独感をなくす?

また、ひとりの時間がかえって孤独感をなくすと述べる識者もいます。

OPHI(オックスフォード大学オックスフォード貧困・人間開発イニシアティブ)の Kim Samuel 氏いわく、

Solitude—a state that’s often confused with loneliness—can, in fact, be a powerful antidote to loneliness

(ひとりでいることは寂しいものだと思われがちだが、実際には寂しさに打ち勝つための強力な方法となりうる)

とのこと。そして、静かに自分と向き合う時間をつくれば、自分のことをよく理解できるようになり、その結果として他人と良好な関係を築けるようになるとも伝えています。*4

つまり、ひとりの時間はむしろ自分を強くし、他者との交流を後押しする時間にもなりうるわけです。こうした内容をふまえ、筆者も自分の内面と静かに向き合ってみることにしました。

ひとりの時間を満喫するビジネスパーソン

自分の内面と静かに向き合うコツ

そのなかで見つけたのが、慶応義塾大学教授の前野隆司氏がすすめる「今までの自分の歩みを書き出してみる」という方法です。

このワークのメリットは、紙に書き出す作業を通して、自分を冷静に客観視できること。つまり、メタ認知を働かせることができるわけです。すると苦しかったことだけでなく、楽しいこともたくさんあったと気づけるそうです。*3

そこで、実際に筆者が試してみた様子がこちら。

筆者が実際に今までの自分の歩みを書き出してみたノートの上部

直近半年間の出来事をノートに書き出し、よかったことにラインマーカーを引きました。

筆者が実際に今までの自分の歩みを書き出してみたノートの下部

産後は自由な時間が減り寂しく思うこともあった筆者ですが、こうして書き出してみると、楽しい出来事がたくさんあったことを実感できました。

また、ラインマーカーを引くことでポジティブな内容だけがピックアップされ、不思議と満たされた気がします。ノート1ページぶんなら、30分もかからず書くことができますよ。

自分の歩みを客観的に眺める時間は、想像以上に穏やかな時間でした。自立した強さが、内側から湧き上がるような印象です。常にSNSで誰かとつながってばかりいるのではなく、たまにはみなさまも自分とつながってみてくださいね。

***
孤独は自由意志の結果であり、人が強くなる秘訣。恐れず楽しみましょう!

※引用箇所の和訳は筆者が補った

【ライタープロフィール】
こばやしまほ

大学では法学部で憲法・法政策論を専攻。2級FP技能検定に合格するなど、資格勉強の経験も豊富。損害保険会社での勤務を通じ、正確かつ迅速な対応を数多く求められた経験から、思考法やタイムマネジメントなどの効率的な仕事術に大変関心が高く、日々情報収集に努めている。

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