TOEIC700点はどのくらいのレベル?学習法や勉強時間・おすすめの参考書を紹介
2024年9月26日
「TOEIC700点はどれくらいのレベル?」
「どのくらいの勉強時間が必要?」
そんな疑問をおもちではないでしょうか? TOEIC700点は、ビジネスシーンで英語をある程度活用できる指標となるため、就職や転職などのキャリアアップに活かせます。ぜひ取得したいスコアですね。
今回は、そのTOEIC700点のレベルや取得するメリット、必要な勉強時間、効果的な学習法などを英語パーソナルジムENGLISH COMPANYが解説します。
TOEIC700点のすごさ、レベル
TOEIC700点は、ビジネス英語において基礎を超えた中上級者レベルに位置します。
「TOEIC® Listening & Reading Test」公開テストの結果によれば、2023年度のTOEIC平均スコアは612点。700点以上を獲得した人の割合は全体の約9.4%のため、平均より上のスコアです。*1
また、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)のレベルで見ると、TOEIC700点はB1〜B2レベルに相当します。CEFRは、言語能力を評価する国際的な基準で、A1からC2までの6段階に分かれています。B1は「中級」、B2は「中上級」であり、日常業務や社会生活において、自信をもって英語を使えるレベルです。
たとえば、TOEIC700点の取得者は、一般的なビジネス文書の作成や会議、プレゼンテーションにおいて英語を活用できる能力をもちます。細かい文法ミスや不自然な表現はまだありますが、相手に意味を正確に伝えることが可能なレベルです。
TOEIC700点のレベルだと、ビジネス英語のコミュニケーションで求められる最低限の柔軟性や即応力も備わっており、職場での信頼を得られるでしょう。
TOEIC700点をとるメリット
TOEIC700点をとると、主に3つのメリットがあります。
- 就職や留学プログラムの選考に有利になる(大学生の場合)
- 昇級や好条件の転職につながる
- 海外勤務など仕事の幅が広がる
順番に見ていきましょう。
就職や留学プログラムの選考に有利になる
TOEIC700点は、企業が求める英語力を証明するための強力な武器。特に大企業や国際的な業務を行なう企業では、英語力が採用の重要なポイントとなります。
履歴書に書いてアピールになる点数は、原則TOEIC700点以上。大学在学中に700点を取得しておくことで、就職活動で他の候補者との差別化が可能です。幅広い業種や職種への挑戦が可能となり、キャリアのスタート地点から有利なポジションを獲得できます。
また、大学では海外研修や留学プログラムの選考にTOEICのスコアが条件として設定されている傾向があります。他の候補者に差をつけるためにも、取得しておきたいスコアです。
昇級や好条件の転職につながる
企業のなかには、昇給や昇進の条件としてTOEICスコアを設定しているところも少なくありません。TOEIC700点は、特に国際業務や外資系企業において、業務上必要な英語力の証明となり、転職活動においても有利に働きます。
このスコアをもっていることで、貿易事務や英語講師、海外営業といった職種での採用可能性が高まり、キャリアの幅を広げることができます。
また、TOEIC700点は、日常業務で英語を使用する職場環境において、同僚や上司からの信頼を得る一助となります。社内での評価が高まることで、より責任のあるプロジェクトや海外赴任の機会が与えられ、キャリアパスが大きく広がる可能性があります。
関連記事: 転職に有効なTOEICスコア総まとめ。点数を効率的に伸ばす3つのポイント
海外勤務など仕事の幅が広がる
英語力が十分に備わっていると、海外プロジェクトへの参加や海外駐在員としての業務に挑戦する機会が増えます。TOEIC700点を取得していることで、国際的な環境での業務に自信をもって取り組むことができ、キャリアの選択肢が一層広がります。
加えてTOEIC700点は、日本語を母語としないクライアントやパートナーとのビジネス交渉においても大いに役立ちます。英語でのメールや電話のやり取り、契約書の確認など、日常的に英語を使用する場面で最低限のパフォーマンスを発揮し、企業内での存在感を高められるでしょう。
以上のメリットを得たいなら、TOEIC700点は目指す価値のあるスコアです。
TOEIC700点に必要な勉強時間の目安
TOEIC700点を目指すためには、現状のスコアに応じた学習時間を計画的に確保することが重要です。
オックスフォード大学出版局の調査によれば、550点の人が750点を目指すには約450時間の学習が必要だとされています。毎日1.5時間独学したとすると、約10か月もの時間がかかります。*2
【TOEICスコア到達にかかる勉強時間の目安】
さらに、独学で進める場合、どうしても効率が悪くなりがちです。単に学習時間を確保するだけではなく、その時間をどのように使うかがスコアアップの鍵となります。たとえば、プロのコーチングを受けることで、その時間を最大限に活用できます。
STUDY HACKERが運営するENGLISH COMPANYでは、1日約1.5時間の学習時間を確保することで、効果的な学習を行ないます。やみくもに学習するのではなく、第二言語習得研究の知見に基づいて、科学的に効率よく学習を進めることが可能です。
特に、受講生ひとりひとりの課題を詳細に分析し、それに基づいた学習カリキュラムを提案・コーチングを行ないます。これにより、独学よりもはるかに効率的にスコアアップを実現できるのです。
独学では気づけない自分自身の課題をトレーナーが分析し、最適化されたトレーニングが提供される点もメリットです。日々の学習進捗を綿密に管理し、学習が停滞しないようサポートを受けられるため、短期間での目標達成が可能となります。
短期間で効率的にTOEIC700点到達を目指す方は、こうしたコーチングサービスを利用することも視野に入れていきましょう。
関連記事:社会人の勉強、どうすれば? おすすめ勉強方法6選&本5冊
TOEIC700点レベルで求められる英語力・レベル
TOEIC700点を達成するためには、語彙、文法、リスニング、リーディングの各スキルをバランスよく向上させる必要があります。それぞれの分野で必要とされる英語力について詳しく見ていきましょう。
語彙:約4,500〜5,000語の単語を身につける
TOEIC700点取得に必要な語彙数は、約4,500〜5,000語と言われています。これには、一般的な日常会話に加え、ビジネスシーンで頻繁に使われる単語やフレーズを含みます。
また、TOEICで出題される語彙を増やすことも重要です。たとえば、契約書やビジネス文書で頻繁に使用される語彙やフレーズに重点を置いて学習することで、実際の試験でも高得点が期待できます。
もし語彙力に不安がある場合は、効率的に大量の単語を覚えるために、TOEICに特化した単語帳やアプリを活用して計画的に増やしていきましょう。TOEICで出題される単語はビジネスで頻出のものばかりです。TOEIC試験対策だけではなく、先々の英語での業務にも必ず役に立ちます。
文法:基本文法・応用文法ともに理解できる
中学レベルの基本文法の理解に加えて、高校レベルの応用文法もTOEIC700点達成の鍵となります。たとえば分詞構文や過去完了、仮定法過去などの項目もマスターする必要があります。苦手な文法項目を中心に文法書で確認しながら、実際に問題を解くことで、確実な文法知識を身につけましょう。
特に、TOEICではPart5や6にて文法の正確さが求められる場面が多く、ミスが点数に直結します。基本文法をしっかりと押さえた上で、難易度の高い構文や応用文法にも対応できるように準備することが大切です。
また、文法問題は時間管理も重要。Part5, Part6はできれば20分で解答が終えられるようすばやく解答できるよう準備を進めましょう。
リスニング:話の要点を理解できる
リスニングでTOEIC700点レベルを取得するには、単純に英語の音を聞き取るだけでなく、ビジネスシーンでの会話や電話応対における話の要点を理解する力が必要です。
仮にあなたが現在「どんな単語やフレーズを発音しているのか分からない」というレベルにいるとしましょう。その際は、まず日常的に英語を聞く機会を増やしつつ、ネイティブスピーカー特有の発音である「音声変化」に慣れる必要があります。
さらに音声変化を聞き取るだけではなく、聞き取って瞬時に内容をイメージする力も必要です。
リーディング:速読スキルを身につける
リーディングで700点レベルを取得するには、ビジネス関連の文書を読んだ時に、すばやく文章の要点を理解する速読スキルが必要。しかし、多くの日本人は英文を読む際に時間がかかります。これはなぜでしょうか?
その大きな要因が「返り読み」。英文を日本語に翻訳する活動を通して、文章の後ろから理解しようとする読み方です。
私たち日本人は、学校教育の影響で英文を日本語に翻訳する癖がついている傾向があります。この癖から脱却し「英語を英語の文章の流れで理解する能力」を身につける必要があるのです。
また、速読だけでなく、時には精読も取り入れることが効果的です。落ち着いて時間をとって文章の構造や論理展開を把握し、細かいニュアンスまで理解していくことも重要。そうすれば速読の際に抜け落ちていた、自分の課題も浮かび上がってくるでしょう。
以上のスキルを身につけて、TOEIC700点の壁を突破しましょう。
関連記事:
「英語を読むのが遅い人」が知らないリーディングのコツ。厄介な “返り読み” のクセ、どうすれば防げる?
TOEIC700点を目指すための効率的な勉強法
TOEIC700点を目指すには、効果的な勉強法を取り入れ、時間を有効に使うことが不可欠です。
語彙
構文が理解できても、語彙力が不足していると、文章全体の意味がつかみにくくなります。TOEIC700点を目指すには、600点レベルの単語帳を完全にマスターし、さらに難易度の高い700点や800点レベルの単語にもチャレンジすることが求められます。
そして見落としがちなポイントが「熟語」です。英単語は他の単語と組み合わさって、思ってもいなかった意味をもつことがあります。
たとえば「come」は「来る」という意味ですが、「come up with …」となると「...を思いつく」という意味になるのです。TOEIC700点レベルを目指すのであれば、このようにもとの単語から内容をイメージしづらい熟語もマスターしていくことが求められます。
語彙力を効果的に強化するためには、毎日10語ほど少しずつ単語を学習するのではなく、100語ほど大量の単語を学習、復習すると効率的です。移動時間やスキマ時間を使って効率的に学習を進めてみましょう。
熟語の “丸暗記” は非効率的。こうすれば英熟語はもっと簡単にマスターできる!
文法
現時点でスコアが500点前後の場合、中学レベルの基本の英文法が不十分な場合が多いため、まずは基礎をしっかりと固めることが重要です。700点を目指すには、特にPart5で7割以上の正答率を目指し、品詞問題や語法問題でミスをしないことがポイントです。
文法の基礎が固まったら、TOEIC公式問題集などの模擬試験を活用して、実践的に文法力を鍛えましょう。問題を解く際には、正答率だけでなく、解答時間も意識することが重要です。Part5の文法問題30問は10分で解答ができるスピード感で解答できると、残りのリーディングパートに時間を割くことができます。1問平均20秒です。
品詞を選択する問題は、それほど時間がかからず解答できる問題もありますので、模擬試験でペース感をつかんでいきましょう。時間内に正確に問題を解くスキルを身につけることで、試験本番でも高いパフォーマンスを発揮できます。
リスニング
TOEICリスニングでは、ネイティスピーカーが英語を発音する際に音を変化させて発音する「音声変化」に慣れることが重要。音声変化のルールを理解することで、実際の試験でのリスニングスコアが向上します。
また「音読練習」を取り入れることで、音とその意味を結びつける力が強化されます。結果、リスニング時に音を聞くだけでその意味が直感的に理解できるようになるため、速いペースで話される英語でも理解が進みやすくなります。
さらに、音源から少し遅れて音源をモノマネして発音する「シャドーイング」も効果的です。
そして、聞いた内容を書き取る「ディクテーション」を取り入れることで、聞き逃がした音や単語を明らかにし、自分の課題を発見できます。
関連記事:英語のリスニングが上達する勉強法とコツ! 初心者が聞き取れない理由やアプリも紹介
リーディング
TOEIC 700点を目指す方に向けて、英語の語順で理解する読み方を身につけるための効果的な勉強法を3ステップでご紹介します。
まずは、「チャンクリーディング」。英語の文章を意味のかたまりごとに区切り、チャンクごとに読み進めるトレーニングです。
チャンク単位で内容を理解しながら読み進めることで、英語を日本語に訳すのではなく、英語の語順でそのまま理解する力が鍛えられます。
例として、次の英文を読んでみましょう:
The company has implemented a new policy to reduce its carbon footprint by encouraging employees to use public transportation or work from home when possible.
この文をチャンクごとに区切ると、次のようになります。
The company has implemented a new policy /
to reduce its carbon footprint /
by encouraging employees /
to use public transportation /
or work from home /
when possible. //
まずはこのように、文章を区切りながら意味をイメージする練習をしてください。チャンクごとの理解が深まると、長い文章でもスムーズに読み進められるようになります。また、わからない単語や表現が出てきたら、そのつど確認していくことが大切です。
チャンクリーディングに慣れたら、次は「サイトトランスレーション」。チャンクごとに日本語にすばやく訳せるかを確認する練習です。きれいな訳をつくるのではなく、意味を瞬時に理解できるかを意識するのがポイントです。
先ほどの英文を使って、日本語に直してみましょう。
The company has implemented a new policy /
会社は新しい方針を導入した
to reduce its carbon footprint /
炭素排出量を減らすために
by encouraging employees /
従業員に奨励することで
to use public transportation /
公共交通機関を使うよう
or work from home /
または在宅勤務するよう
when possible. //
可能な場合に
このように意味をすばやく思い浮かべられるように繰り返し練習しましょう。意味が思い浮かばなかった単語や表現があれば、辞書を使って確認していくことも重要です。
最後は「音読」。音読はリーディングスピードを向上させるのに効果的です。ポイントは、ただ声に出すのではなく、チャンクごとに内容をイメージしながら読むことです。
私たちが英文を読む際、脳内で以下の処理が行なわれています。
- 文字を認識
- 文字を音に変換(音韻符号化)
- 脳内の「辞書」と照合
- 既知の語彙や文法知識を使って理解
音読は黙読よりも負荷が高いため、繰り返し練習することで音韻符号化のプロセスが自動化されます。その結果、「理解」の段階により速く到達できるようになり、リーディングスピードが向上するのです。
以上のトレーニングを取り入れ、TOEIC700点超えに必要なスキルを習得しましょう。
TOEIC700点超えが "超" 効率的に実現する英語コーチングENGLISH COMPANY
TOEIC700点台に速く到達する近道は、あなたが抱えるいまの英語の課題を把握し、課題解決に直結するトレーニングに取り組むこと。とはいえ、自分ひとりでは、どこにTOEIC700点のハードルがあるのか見つけにくいものですよね。
そこでおすすめなのが、「英語の専門家」が集うパーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」です。ENGLISH COMPANYがTOEIC 700点の目標達成に効果的である理由をまとめました。
第二言語習得研究に基づく英語コーチング
ENGLISH COMPANYでは「大人がどのように英語を学ぶのか」を科学的に研究する「第二言語習得研究」に基づいた学習法を提供しています。これにより、学習者の課題に合わせた最適なカリキュラムに沿ってTOEIC700点への学習を効率的に進めることが可能です。
関連記事:第二言語習得研究に基づいた英語学習のメリットは? 効率的な学び方と継続のコツ
ENGLISH COMPANYの受講者の声
ENGLISH COMPANYを受講し、短期間でTOEIC700点以上を達成した受講生の一例を紹介しましょう。
Y.I.さんは、ENGLISH COMPANYでのトレーニングを通じて、TOEIC模試のスコアレンジ285〜400点からTOEIC720点を獲得しました。語彙力や文法の基礎を固めただけでなく、苦手だった音声変化「弱形」(弱く短く発音する音声変化の一種)への意識を高めることでリスニング力を向上させたそうです。
日々のスキマ時間を活用し、学習習慣を定着させたことも大幅なスコアアップにつながりました。
関連記事:初級者がTOEIC®720点とれたヒミツ。パーソナルトレーナーと二人三脚の“基礎固め“で苦手意識を克服!
ほかにも最短3か月のトレーニングで、TOEIC700点以上を達成した実績があります。詳しくは以下の公式サイトからチェックしてみてください。
TOEIC700点レベルを目指す人におすすめの参考書
TOEIC700点をクリアしたい方におすすめの参考書を、3種類厳選しました。
1. 公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11
『公式TOEIC Listening & Reading 問題集 11』は、TOEICの学習を始める際に必須の問題集。TOEICを運営している団体ETSが作成した信頼のおける問題集です。
本番の試験に準じた模擬テストが2回分掲載されているのも特徴。「本番のテストは受験したことがあるからいいや」と思っていても、本番のテストでは自分の解答が返却されないので「どんな問題で間違えたか」という点が分析できません。この問題集を使って、現在の自分のレベルを測ってみましょう。
2. キクタンTOEIC TEST SCORE 800
『キクタンTOEIC TEST SCORE 800』は、耳から英単語を覚えられるように設計されたこの教材は、TOEICで実際に使用されるイギリス、アメリカ、カナダ、オーストラリアの4か国の発音が収録されています。
キクタンシリーズの特徴は、リズムに合わせて単語を覚えられる点。発音やアクセントの習得にも効果的です。
「TOEIC700点をギリギリ取得する!」のではなく、安定して確実に取得するためには、800点レベルの単語もマスターしておくと安心です。
3. TOEIC®L&Rテスト Part5 至高の1500問
『TOEIC®L&Rテスト Part5 至高の1500問』は、TOEIC Part5の語彙、文法問題に特化した参考書です。全1500問も収録されており、さまざまなレベルで基礎・応用文法の理解力を鍛えられます。
解説は理解しやすいように簡潔にまとめられているため、TOEIC700点の対策におすすめです。
特にこの問題集の魅力は、収録されている英文が最新の社会情勢を反映している点。他の問題集では、出版年が古いと内容自体が時代遅れになっていることもありますが、この教材は最新の話題を取り入れているため、実際の試験に近いかたちで学習できます。
「最近こんなニュースがあったな」と思わず共感できる内容もあり、楽しみながら学習を続けられるのが特徴です。
関連記事:TOEIC700点以上を目指す人におすすめの参考書9選!自分に合った参考書の選び方や勉強法も解説
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TOEIC700点は、ビジネスシーンでの英語力を示す重要な指標で、就職やキャリアアップにも大きな武器となります。効率よく目標を達成するためには、計画的な学習に加え、参考書やコーチングなどを効果的に活用することがポイントです。
今回の記事を参考に学習を進め、TOEIC700点の壁をぜひ乗り越えてください。