TOEICスコアは1か月の猛勉強で何点上がる? 理想的な勉強スケジュールやおすすめの参考書を紹介
2024年10月31日
「1か月でTOEICのスコアを上げたい!」
「短期間で効率よく勉強する方法はある?」
TOEICの試験本番まで1か月を切ると、そう思いたくなるもの。 TOEICのスコアを1か月で100点上げるためには、集中した学習と効率的な勉強法が不可欠です。短期間でスコアアップを目指すには、200時間以上の勉強が推奨されており、独学だけで成果を出すのは簡単ではありません。
今回は、ENGLISH COMPANYが短期間でTOEICスコアを大幅に上げた事例をもとに、理想的な1か月の勉強スケジュールや、おすすめの参考書もご紹介します。
短期間でTOEICスコアアップを達成した事例
1か月という短期間での学習で、実際にどの程度の現実的にどの程度のスコアアップが見込めるのでしょうか。
まずは、STUDY HACKERが提供する90日間の短期集中プログラム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」を受講した人の体験談を、参考事例として紹介します。
1か月で英単語約1,100個を暗記!2か月でTOEIC300点アップ
まずは、語彙と文法の基礎を強化して、短期間でのTOEICアップが実現した受講生の例を紹介しましょう。
会社の研修でアメリカに1年半ほど滞在していたものの、まわりに日本人が多かったのもあってTOEICのスコアは 500点だったとのこと。英語の音を聞き取る力はあるものの、語彙や文法の知識が不足していたため、英語の音声を聞いても内容や意味が理解しきれない状態だったそうです。
そうした弱点を「ENGLISH COMPANY」のパーソナルトレーナーが分析し、基本的な語彙と文法を強化するためのプログラムを用意しました。
まずは、英単語の暗記からスタート。1日100個を目標に暗記して、たった1か月で1,120語を定着させることに成功しています。とはいえ社会人として働くなかで、毎日欠かさず英単語を100個覚えるのは簡単なことではありません。
習慣化に成功した秘訣は、英単語100個を20個ずつのブロックに分けて、スキマ時間を活用してどのタイミングでどのブロックを覚えるのかのアプローチを英語パーソナルトレーナーが提案したことです。そうした準備によって、10〜15分のスキマ時間が生まれたときに単語の暗記にすぐに取りかかるようになりました。
こうしてやる気やモチベーションに左右されずに続けられる仕組みをつくったことで、無事に目標単語数の暗記に成功したのです。
英単語の暗記と同時に、文法の型を覚えるパターンプラクティスを進めました。そうした基礎固めによって英語音声を聞いても意味がわかるようになり、学習効果の高い状態で音読やシャドーイングに取りかかれたそうです。こうした学習プログラムにより、たった2か月で300点のスコアアップに成功しました。
1日1時間程度の学習を2か月継続し、TOEIC 265点アップ!
次に、一日に確保できる学習時間がわずか1時間程度しかなくても、TOEICスコアを大幅に上げた例を紹介します。
M&A業務に携わる中島さんは、仕事中にマレーシアにある子会社のスタッフと英語でやり取りする機会が増えたことから、英語の勉強を本格的にスタートしました。もともと海外企業の会議に出席するときに、集中して聞いていれば理解できるほどのスキルはあったものの、話したり書いたりといったアウトプットが弱いと自覚していたそうです。
ENGLISH COMPANYのパーソナルトレーナーが丁寧に分析したところ、基礎的な英語スキルは問題ないものの、数十秒以上の英語音声を聞くと内容を覚えていられないことがあるとわかりました。そこで、英語を日本語に訳さなくても意味を理解できるようにするトレーニングからスタートしました。
トレーニング方法として採用したのが、「認知文法」と「チャンクリーディング」です。認知文法はネイティブが英文を理解するのと同じように、英文から直接意味をイメージするというトレーニング。チャンクリーディングとは、英文を複数単語からなる意味のかたまり(チャンク)に分けて処理する方法のことを言います。
こうしたトレーニングを積み重ねることで、英語を読んで日本語に訳してという工程がなくなり、すばやく意味を理解できるようになりました。
トレーニングにかけられる時間は1日に1〜1.5時間程度でしたが、TOEICで680点→945点のスコアアップを達成したそうです。トレーニング期間中の学習スケジュールも、パーソナルトレーナーが決めました。朝は文法を9分、昼はリーディングを10分、夜はシャドーイングといったように、スキマ時間を活用したメリハリある学習ができたそうです。
このように、やるべき学習法を絞って正しく学習すれば、わずか1か月でもTOEICに必要な英語力を上げるのは決して不可能ではありません。
TOEICを1か月猛勉強するとスコアは何点上がる?正しい目標の立て方
TOEICに向けて猛勉強しても、人によって成果は変わってきます。現時点でのスコアが低いほど、勉強の成果が数字に表れやすくなるでしょう。
TOEICの考案・開発に関わった三枝幸夫元早稲田大学教授の研究によると、社会人がTOEICのスコアアップにかかる時間は次のような結果となっています。*
【TOEICスコア到達にかかる勉強時間の目安】
現時点の スコア |
目標スコア | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
350点 | 450点 | 550点 | 650点 | 750点 | 850点 | 950点 | |
250点 | 200時間 | 425時間 | 700時間 | 950時間 | 1,150時間 | 1,450時間 | 1,750時間 |
350点 | – | 225時間 | 450時間 | 700時間 | 950時間 | 1,225時間 | 1,550時間 |
450点 | – | – | 225時間 | 450時間 | 700時間 | 975時間 | 1,300時間 |
550点 | – | – | – | 225時間 | 450時間 | 725時間 | 1,050時間 |
650点 | – | – | – | – | 225時間 | 500時間 | 825時間 |
750点 | – | – | – | – | – | 275時間 | 600時間 |
850点 | – | – | – | – | – | – | 325時間 |
たとえスコア250点から350点を目標にしたとしても、1か月(30日間)で100点上げるには1日7時間弱の猛勉強が必要になります。そのため、学校や仕事と両立しながらTOEIC対策する場合は、1か月は現実的な目標設定だとは言えません。
だからこそ、限られた期間で効率よく英語が身につくようなスケジュールづくりが重要になってきます。勉強スケジュール次第では、スコア800点以下の人が1か月で100点以上のスコアアップ実現も目指せるでしょう。
正しい目標の立て方
やみくもに「スコア100点アップしたい!」といった目標を立てても、目標を達成するための現実的な計画がなければ実現は難しいでしょう。
そこで、TOEIC受験に向けた正しい目標の立て方を、5つのSTEPに分けて解説します。
STEP 1:現在のTOEICスコアの把握
まずはいまの実力でTOEICを受験してみてください。試験日とタイミングが合わない場合は、TOEICの公式問題集を活用しても構いません。
現時点の実力ではどれくらいのスコアになるのか知ることも、今後の目標スコアや、必要な勉強時間を算出するために役立ちます。
TOEICのスコア認定証ではリスニングとリーディングそれぞれの得点もわかるので、どちらの技能に対策が特に必要かも把握できるでしょう。
STEP 2:詳細な弱点・課題の把握
TOEICのスコアだけでは、特にどの分野に弱点や課題があるかまでは把握できません。単語や文法の理解度など、自分の英語スキルを細かく分析することで、それぞれの課題に必要な対策を検討できます。
STEP 3:一日に算出できる勉強時間の洗い出し
目標として、達成不可能な勉強時間を据えても意味がありません。平均的な一日のスケジュールを書き出してみて、捻出できるスキマ時間や、集中して勉強できそうな時間を洗い出してみましょう。
STEP 4:目標とするTOEICスコアの設定
TOEIC対策に割ける勉強時間の合計がわかったら、先ほど紹介した表を参考にしながら、次回のTOEIC受験時の目標スコアを設定してみてください。
STEP 5:具体的な勉強スケジュールを立てる
短期間でスコアアップを達成するには、やる気に頼らない効率化も必要です。現実的に達成可能な一日の勉強スケジュールを具体的に決めていくことで、モチベーションに左右されずに取り組めるよう仕組み化できます。それにより毎日の英語学習が習慣となり、目標到達を実現できるでしょう。
1か月後のTOEIC受験に向けた勉強スケジュール
TOEIC の受験日まで1か月ほどしかない場合、どんなスケジュールで勉強を進めていったらいいのでしょうか。英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」がおすすめする勉強スケジュールは、次のとおりです。
【1週目】頻出する英単語を暗記
【2週目】パート別対策
【3週目】模試で時間配分を覚える
【4週目】苦手分野を復習
それぞれ具体的に紹介していきます。
【1週目】頻出する英単語を暗記
英単語の語彙量がどれほどあるかは、英語の学習効果を左右します。TOEICに出てくるすべての英単語を完璧に理解する必要はないものの、参考書や過去問を見ても意味がわからない英単語ばかりだと問題の正答率が上がりにくいためです。そのため、まずはTOEICの頻出単語を暗記するところからスタートしましょう。
1日に覚える英単語の目安は、最低50語です。やや多く感じるかもしれませんが、50語以上という負荷がやや重い程度の数の英単語を毎日新たに覚えると、翌日忘れかけているころに復習して思い出せます。その繰り返しにより、記憶が定着しやすくなるためです。
ただし、一般的な英単語帳には1,000語以上収録されていますので、1日50語のペースで進めると20日もかかってしまいます。1日100語を目標にすると10日で1000語をマスターできますので、スケジュールに無理のない範囲でチャレンジしてみてください。
また、学生時代に英単語をひたすら書いたり、単語帳を赤シートで隠しながら見たりして覚えた経験がある人も多いでしょう。こうした方法では和訳とスペルしか覚えられないため、2週目以降の勉強効率を十分高められません。英単語は、発音を聞いて実際に口に出しながら覚えていくことで、より効率よく暗記できます。
2週目以降も、英単語の暗記は継続していきましょう。
【2週目】パート別対策
英単語をある程度覚えたら、TOEICのパート別対策にも取り組みはじめてください。
特にスコアアップしやすいのは、リーディングセクションのはじめにあるPart5です。Part5は短文の空所補充問題で、中学・高校レベルの英文法の知識が活きてきます。そのため、Part5対策に特化したテキストや、文法の参考書を使って基礎をしっかり固めておきましょう。
採点するときは正答率だけをチェックするのではなく、解説を読み込みながら「なぜ正解できたのか」「なぜ間違えたのか」を理解できるようにしましょう。
※Part5の公式サンプル問題はこちら:
サンプル問題|TOEIC Listening & Reading Test|【公式】TOEIC Program|IIBC
また、Part6〜7の長文読解問題は、英文の意味をすばやく理解する速読力が試されます。読むスピードを上げるには、意味のかたまりごとに内容をイメージしながら読む「チャンクリーディング」を取り入れるのがおすすめです。チャンクリーディングができるようになれば、英文に一度目を通してから和訳を考えるために再度読み返す「返り読み」を防止できます。
関連記事:「英語を読むのが遅い人」が知らないリーディングのコツ。厄介な “返り読み” のクセ、どうすれば防げる?
一方でリスニングは、音読練習によって、英語を理解する力を高められます。ただし、単語や文法などの基礎力がないと学習効率が上がりにくいので、リーディングとリスニングのどちらも苦手な方は、リーディング対策を優先して取り組むといいでしょう。
正しい音読の方法については、こちらの記事をチェックしてみてください。
関連記事:英語音読の効果と正しいやり方・コツを紹介。おすすめの教材も
【3週目】模試で時間配分を覚える
TOEICの試験時間は120分と長いものの、時間配分を把握していないと全問に解答できずに終了してしまう可能性があります。とくにリスニングは流れる音声のテンポどおりに進んでいくので、「答えがわからないまま次の問題に移ってしまった」といった事態になりかねません。動揺して本来の実力が発揮できなくなるリスクもあります。
当日焦らないように、模試を通してTOEICのスピードに慣れておくことが大切です。TOEICの公式サイトにサンプル問題が掲載されているものの、本番と同じように臨める公式問題集も発売されています。タイマーで時間を計りながら、どれくらい時間がかかるのかチェックしつつ解き進めてみましょう。
また、過去問や模試の演習を通して、どんな問題が間違いやすいか、わからない単語はあるかなども把握できます。答えあわせでは正答率をチェックするだけでなく、間違えてしまった原因を分析して、直前対策に活かしましょう。
【4週目】苦手分野を復習
試験直前には、特に苦手なパートを徹底的に復習してください。
直前の追い込みでもこれまでと同様に、間違った理由を理解することが重要になってきます。時間がないからといって正答率だけ確かめてしまうと、本番でもまた同じミスを繰り返すリスクがあるためです。そのためにも、解説が充実した参考書を使うようにしましょう。
本番が近づくと不安を募らせてしまうかもしれませんが、毎日の習慣を淡々とこなしていくことで、メンタルが安定しやすくなると言われています。これまで1か月にわたって勉強習慣をこなしてきた人であれば、きっとリラックスして本番に臨めます。
毎日の対策時に本番さながらの緊張感をもちつつも、安定したパフォーマンスが発揮できるように最後まで勉強を積み重ねていきましょう。
関連記事:TOEICを2か月で攻略する方法! 初心者や600点以上でも通じる対策とは?
短期間のTOEIC対策におすすめ参考書
1か月でTOEICに向けて猛勉強するときに、役立つ教材を5つ紹介します。
1. TOEIC L&R TEST 出る単特急
TOEIC対策で鉄板となっている英単語帳です。レベル別で2冊に分かれていて、TOEIC 600点以上が目標の人は「金のフレーズ」が、500点レベルまでの人には「銀のフレーズ」が適しています。なかでも金のフレーズは通販サイトで1位を記録するなど、根強い人気を誇る単語帳です。
英単語のカテゴリはレベル別に分かれていて、掲載順に暗記を進めることでスコアアップを狙っていけるでしょう。金のフレーズであれば、600点レベルが400語、730点レベルが300語、860点レベルが200語、990点レベル(満点)が100語となっています。限られた期間での対策にはぴったりです。
最後の改訂は2017年1月で(2024年時点)、新形式にも対応しています。単語帳と連動したスマホアプリもあり、収録されているすべての英単語の音声が再生可能です。再生速度も細かく変更できるので、英語の音を聞き取る力に自信がない人から、ネイティブ並みのスピード感に慣れたい人まで満足できるでしょう。
TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ / TOEIC L&R TEST 出る単特急 銀のフレーズ
価格 :979円
音声 :あり(スマホアプリ)
レベル:金のフレーズ TOEIC 600〜990点 / 銀のフレーズ TOEIC 500点台まで
2. TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
TOEICリーディングのPart5対策として、ネット書店や全国の書店で1位を記録しているテキストです。TOEICスコア500点台の初級者から、満点を目指す上級者までをカバーした内容になっています。
問題数も1,049問という圧倒的なボリューム感でありながら、すべての問題に丁寧な解説がついています。正解するための考え方だけでなく、ほかの選択肢が不正解である根拠まで書かれているので、文法への理解度を高めるために効果的です。音声もついているので、リスニング対策としても活用できます。
1か月後の試験だけでなく、継続してTOEICのスコアアップにチャレンジしていくつもりであれば、質と量ともに優れた参考書として今後も重宝するでしょう。
TOEIC L&Rテスト 文法問題 でる1000問
価格 :2,530円
音声 :あり(スマホ&PCでダウンロード)
レベル:TOEIC 500〜990点
3. TOEIC® L&R TEST 初心者特急シリーズ
TOEICのパート別対策に活用できる参考書です。「パート1・2」「パート3」「パート4」「パート5」「パート6」「パート7」とすべてのパートに特化したものがそれぞれ発売されています。TOEICをはじめて受験する人、基礎の確認からはじめたい人にぴったりの構成です。
こちらは今回紹介した単語帳の「金のフレーズ」「銀のフレーズ」とも同じシリーズなので、セットで使うのもおすすめ。音声の再生速度を柔軟に変更できる点も共通しています。ただし、初心者特急シリーズは目標スコアが500〜600点となっているので、中級レベル以上の人が使うと物足りなさを感じてしまうかもしれません。
こちらも2017年に改訂されていて新形式に対応しているので、本番に向けてしっかり対策できます。
TOEIC® L&R TEST 初心者特急 パート1・2 / パート3 / パート4 / パート5 / パート6 / パート7
価格 :各836円
音声 :あり(アプリで再生)
レベル:TOEIC 500〜600点
4. 公式TOEIC Listening & Reading問題集
TOEICの運営会社・ETSが発行する問題集です。問題構成や形式はもちろん、解答用紙も本番と同じようにつくられています。
それなりの頻度で新しいバージョンが発売されていて、2024年10月末時点での最新版は同年7月に第11巻が発売されています。そのため、最新の問題にあわせて対策できるのも魅力です。スコア換算表もついているので、はじめてTOEICを受ける人が、対策を始める前に自分の実力を把握するのにも役立ちます。
リスニングセクションはもちろん、リーディングセクションの読み上げ音声もついており、スマートフォンやパソコンにダウンロードして聞けます。公式ナレーターによる音声なので、移動中などに聞きながら耳を慣らすのにもおすすめです。
公式TOEIC Listening & Reading問題集11
価格 :3,300円
音声 :あり(スマホ・PCでダウンロード)
レベル:全範囲
5. ENGLISH COMPANY MOBILE
TOEICにも役立つ語彙力、リーディング力、リスニング力をスマートフォンでいつでもどこでも鍛えられるWebアプリです。
「チャンクリーディング」「サイトトランスレーション」「シャドーイング」などの、TOEICの短期間での点数アップに効果的な高密度トレーニングができます。
さらに、英字新聞Nikkei AsiaとThe Japan Times Alphaの記事をもとにした英文教材が定期的に配信されるため、世界の最新ニュースを把握するのにも役立ちます。
ENGLISH COMPANY MOBILE
価格 :月額4,378円〜
音声 :あり
レベル:全範囲
短期間のTOEIC対策のコツを動画で知る
TOEICを1か月の猛勉強でスコアアップするには効率のよい英語学習も必要です。
TOEIC対策に先駆けて、最速で英語が身につく学習法、英会話力を短期間で確実に上達させる方法を理解しておくといいでしょう。
ここでは「StudyHacker ENGLISH COMPANY」の講師によるYouTubeチャンネル「時吉秀弥のイングリッシュカンパニーch」から、1か月でのTOEIC対策に取り組む方におすすめの動画を2つ紹介します。
【英語学習者必見】英会話力を短期間で確実に上達させる方法をプロが解説!【LIVE切り抜き】
英語に限らず外国語学習の第一歩は、例文の暗記。ただし、例文を丸暗記するだけでは意味がありません。わからない文法や英単語があれば解説を読んでしっかり理解したうえで暗記することが、最も効率的な英語学習方法だと時吉氏は伝えています。
第二言語習得の研究に基づいた”最速”で英語が身につく学習法とは?
英語の習得はフェーズ0から8までに分けられると解説したうえで、短期間で英語力を伸ばすには複数のフェーズを同時に実践していくことが重要だと解説しています。特にインプットとアウトプットのフェーズを同時に行なうことで学習効果が高まります。
1か月の猛勉強でTOEICスコアを効率よく伸ばすコツ
短期間での猛勉強の成果を最大化するためには、コツが必要です。ここでは、「StudyHacker ENGLISH COMPANY」でも取り入れている、TOEIC対策を効率よく行うコツを6つ紹介します。
【コツ1】自分の学習可能時間を可視化しスケジュールを作成する
まずは自分の学習可能な時間を洗い出しましょう。一日の活動時間を洗い出すことで、思いがけないスキマ時間に英語の勉強が進められることがわかります。
目標スコアに対して必要な学習可能時間が取れない場合は、一度スケジュールを見直して、ちょっとした無駄な時間をなくしていくことが重要です。
スケジュールが決まっていれば、それにあわせて進めていくことで、着実にスコアアップに繋げられるでしょう。さらに、毎週末の学習後には、振り返りを実施してください。しっかり振り返りをすることで、苦手だったり弱点だと感じたりしたパートを復習できるようになります。
【コツ2】単語は毎日学習する
英単語の暗記は毎日欠かさず行なうことで、学習効果が高まります。
1か月のうちにイレギュラーな用事が入ったり、仕事が長引いたりして、当初予定していた学習内容ができない日も生まれるでしょう。また、毎日猛勉強していくうちに、疲れてあとに予定していた学習時間がとれないケースもあると思います。
そうした中でも、英単語の暗記だけは毎日できるようにスキマ時間を活用するなどして、勉強枠を設けるようにしてください。
【コツ3】参考書は数を絞る
参考書はあれもこれもと手を出さずに、一冊の内容をしっかり復習するほうが効果が高まります。一度覚えた内容は忘れかけたころに復習することで、定着しやすくなるためです。違う参考書を使うと、学習範囲や順番が変わってしまうので、期待できる効果が下がってしまうでしょう。
複数の参考書を使用する場合は、各パートを一冊ずつにするなど、冊数を絞るようにしてください。
【コツ4】苦手なパートは重点的に
実践模試は重要なものの、TOEICの試験時間は120分と長いため、模試を繰り返すことは現実的ではありません。1か月という限られた期間で対策するなら、模試を何度も解くよりも、苦手パートの重点的な学習がおすすめです。
加えて、時間配分を見直して得意なパートを先に解く、苦手パートに解く時間を多く配分するといった工夫も調整しておきましょう。
【コツ5】TOEIC受験と同じ環境で模試を解く
模試は部分的に解くのではなく、試験時間120分を確保できる休日に模試に取り組むといいでしょう。模試に取り組んだあとは、他の日に復習することで、正しい解き方をしっかり定着させることができます。
パート別だけでなく時間を測って模試を通しで実践することで、試験当日の時間配分の感覚が身につくでしょう。
【コツ6】英語コーチングスクールに相談することも検討する
1か月でのTOEIC対策は、時間がないことに対する焦りで頭がいっぱいになってしまうかもしれません。たしかに、限られた期間で勉強可能な時間を算出したり、具体的な勉強スケジュールを作ったりすることは簡単なことではありません。
しかし、進めていくうちに今の英語力や弱点を把握することにも時間がかかったり、思うようにいかなかったりといった別の課題も生じてきます。また、勉強スケジュールに落とし込んだ後も、誤った方法の英語学習でTOEICスコアが伸び悩み、理解度が上がらない可能性もあるでしょう。
1か月と限られた期間でTOEICスコアアップをするには、効率のよい学習をサポートしてくれるコーチングスクールも検討するのがおすすめです。
英語パーソナルジム「StudyHacker ENGLISH COMPANY」では、英語学習のプロが第二言語習得論にもとづいて一人ひとりの課題を見極め、効率的に進められる学習プログラムを作成していきます。パーソナルトレーナーはフィットネスジムのように受講生のパートナーとして伴走するので、一人で進めるよりも勉強を継続しやすいでしょう。
関連記事:TOEICスコアを3か月だけで大きく伸ばすための勉強法
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今回はたった1か月という短期間に猛勉強して、TOEICのスコアアップを狙う方法について紹介しました。オックスフォード大学出版局の調査ではTOEICを100点スコアアップするために必要な勉強時間は200時間と言われていますので、正攻法で対策しても目標に到達するのは難しいかもしれません。
今回紹介したようなスケジュールに基づく勉強法や、効率的な英語学習のコーチングサービスを使えば、短期間でも理想のスコアに近づけられるでしょう。