最小の努力で最大効果を。面倒くさがりが実践する3つの勉強法 - STUDY HACKER(スタディーハッカー)|社会人の勉強法&英語学習

最小の努力で最大効果を。面倒くさがりが実践する3つの勉強法

デスクにて、こめかみに手を当て眉間にしわを寄せる女性

「勉強が面倒くさい」と感じる人は多いものです。できれば最小限の努力で、効率的に成果を出したいと思うのは多くの人に共通するでしょう。

そこで今回は、面倒くさがりな人におすすめの、効率のいい勉強法を3つご紹介します。どれも簡単な方法で勉強内容を定着させられるので、「勉強時間を最小限にしたい」「机に向かうのも面倒」という人は、ぜひ参考にしてください。

面倒くさがりの勉強法1:解答を読むだけ

「試験勉強でノートをつくるのが面倒」「参考書や過去問など、何冊も勉強したくない」

このように、試験勉強へのハードルを感じている人には、問題集の解答を読むだけの勉強法がおすすめです。机に座ってノートをとることもなく、寝る前と起床後の短時間でできます。

『ずるい暗記術』の著者で弁護士の佐藤大和氏は、「教科書や参考書を頭から読んでいくより、問題集の解答を読んでいくことで、新しい知識に脳を慣らすことができ、記憶のスピードが高まる」と述べています。*1

たとえば、歴史の教科書を読んだあとに「徳川家の第8代将軍は?」と聞かれても、すぐには答えられないかもしれません。そこで「徳川家の第8代将軍は徳川吉宗」といったように、問題と答えが結びついた状態で覚えればいいのです。

さらに解答を読むときのポイントとして、佐藤氏は「メモを書き込む」ことを挙げています。「『なるほど』とか『?』『!』といった簡単なもの」でも、メモしておくと「後でもう一度読み返したときに、メモしたときの感情とともに思い出すことができ、記憶の定着に役立つ」からです。*1

先の例で、「徳川吉宗」の読み方がわからなければ、名前に線を引いて「?」とメモします。すると「読み方を調べた徳川吉宗」と、エピソードとともに記憶できるのです。

また、より確実に記憶を定着させる方法として、佐藤氏は「寝る直前に問題集を五分間だけパラパラめくり、翌朝起きてすぐにまた5分間パラパラとめくる」ことをすすめています。*1 なぜなら、ビジネスパーソンは多忙のあまり勉強の間隔が空いて、せっかく覚えたことをすぐに忘れてしまいかねないからです。

朝晩の5分だけメモを頼りに前日の学習を思い出し、時間に余裕がある日は解答を読み進めてメモを残す。これを繰り返せば、机に向かわなくても効果的な試験勉強ができるでしょう。

本のページをめくる様子

面倒くさがりの勉強法2:オーディオブックで聴くだけ

仕事や将来のために、興味のないことを勉強しなければならないこともあります。参考書を買ったものの、難しい単語だらけで読むのがおっくうになった経験はありませんか? 読むのも面倒な人には、「聴くだけ」の勉強法をおすすめします。

オーディオブック事業を展開する株式会社オトバンク代表取締役会長の上田渉氏も、聴いて勉強する「耳勉強法」を提案しています。これは「耳から本の朗読や講義、講演、対談といったオーディオブックを聴き、聴覚を存分に活用して学ぶ」方法です。

この勉強法のメリットは、「すき間時間の活用」ができること。上田氏は「仕事をしたり、モニターを見たりなど、目を使っている時間にはほとんどすき間時間はありませんが、聴覚が空いている時間を考えると、すき間時間が生まれ」ると述べています。*2

たしかに、移動中や家事の最中は聴覚が空いています。この時間にオーディオブックや講義を聴けば、自然と勉強が進みそうです。

さらに、耳勉強法は記憶の定着も期待できます。脳科学者の加藤俊徳氏は「聴覚は視覚よりも記憶に直結し、記憶の一時保管庫である海馬にアクセスしやすい」と述べています。*3 つまり、目で読むよりも耳で聴いたほうが、内容が記憶に残りやすいのです。

筆者も、この方法を日常の勉強に取り入れ始めました。主に移動中の時間を使って、オーディオブックを2倍速で再生しています。

筆者が実際に活用しているオーディオブック

筆者が実際に活用しているオーディオブック

耳勉強法なら、3~4時間で1冊の本を聴き終えることができます。これまで1冊読むのに1週間から1か月かかっていたため、インプットの時間を大幅に短縮できました。また、1冊を読み通すのに時間がかかり過ぎると序盤の内容を忘れてしまうこともありましたが、耳勉強法ではそれがなくなり、内容を短い時間で把握できる達成感がありました。

「本を読んで勉強をしたいけれど面倒くさい」と感じている人は、ぜひ試してみてください。

面倒くさがりの勉強法3:白紙に書くだけ

勉強では、インプットだけでなく、ノートにまとめたり問題を解いたりするアウトプットも重要です。とはいえ、まとめノートづくりや問題集を解くのは、時間がかかって面倒くさい……。そんな人は、白紙を使って勉強内容を思い出し、アウトプットをしましょう。

アメリカの医師試験にトップ1%の成績で合格した安川康介氏は、 「思い出す作業、アウトプットすることこそが、記憶を長期に定着させる効果的な勉強法」だと言及したうえで、「白紙勉強法」を提案しています。やり方は次のとおり。*4

単語のリスト、教科書の章や段落、新聞や本など、覚えたい情報をまず読みます。その後、その情報を見ないで、覚えたい内容を、白い紙にできるだけ書き出していきます。

その際のポイントは、元の情報を見ない、つまり記憶の手掛かりがない状態で、頑張って記憶から内容を引き出すことです。

つまり、白紙に書き出そうとすることで思い出す作業を行ない、勉強内容の定着を図るのです。「あとに残すためのノートを書くわけではなく、ただアウトプットするためだけ」なので、新しいノートを準備する必要も、丁寧に書く必要もありません。*4 白紙勉強法なら、アウトプットのハードルを下げながら記憶の定着ができるはずです。

実際に、筆者が白紙勉強法を試してみました。筆者は用語や歴史を覚えるのが苦手なので、ノートにまとめようとすることがあります。しかし、いざノートにまとめようと思うと「きれいに書かなきゃ」と時間をかけてしまうため、アウトプットをおっくうに感じていました。

そこで、前出の「耳勉強法」でオーディオブックを聴いたあとに、白紙勉強法を追加してみました。移動中にオーディオブックを聴き、帰宅後にメモ用紙へ内容を書き出してみたのです。こちらが、そのメモをわかりやすく画像化したものです。

筆者が白紙勉強で実践したメモを画像化したもの

画像は筆者が作成した

実践してみると、アウトプットだけでなく、勉強全体の面倒くささが軽減された実感がありました。どうしても思い出せない内容は「?」と書いてしまったりして、思ったよりも書き出せないので「本を読み返して確認したい」「次はもっと書けるようにしよう」という意欲が高まったからです。

また、記憶の定着を確かめるため、3日後に同じ内容で白紙に書き出してみたところ、最初に書いた用語の多くを覚えていました。白紙に書いて、思い出せなかった部分を本で確認するという反復により、記憶がより強化されたのだと思います。

思い出すことが重要なので、スマートフォンやパソコンを使って勉強内容を書き出しても効果があるはずです。

デスクにて、ノートパソコンを前にガッツポーズをする女性

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「机に向かって勉強しなければ」「ノートを書かなければ」といった固定観念を捨てれば、楽で効率的な勉強が実現します。面倒くさがりな人は、ぜひ試してみてください。

※引用部分の太字は編集部が施した

【ライタープロフィール】
藤真唯

大学では日本古典文学を専攻。現在も古典文学や近代文学を読み勉強中。効率のよい学び方にも関心が高く、日々情報収集に努めている。ライターとしては、仕事術・コミュニケーション術に関する執筆経験が豊富。丁寧なリサーチに基づいて分かりやすく伝えることを得意とする。

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