「最近、AIがすごいとよく聞くけど仕事でどう役立つの?」 「生成AIを試してみたけど、いまいち便利だと思えなかった」
こんなふうに思っていませんか?
よく話題になるAIですが、どのように活用すればいいのかわからない方も多いはずです。しかし、適切に活用すれば、AIは日々の業務を大きく改善する可能性を秘めています。
この記事では、AIの仕事での活用方法について、実践を交えながら解説していきます。
特に注目していただきたいのは、次の3つの活用法。
- 膨大な情報を素早く整理する方法
- 新しい分野の知識を効率よく習得するコツ
- 行き詰まった問題に新しい解決策を見出すヒント
これらの方法を使えば、日々の業務がぐっと楽になるはずです。筆者自身、実際に試してみて「こんなに便利だったのか!」と驚いた経験があります。
以降の記事では、それぞれの活用法について、具体的な手順や実際の画面例を交えながら詳しく説明していきます。明日からすぐに実践できるAI活用のヒントが見つかるはずです。
それでは、AI活用で業務を効率化する方法を一緒に見ていきましょう。
AIは仕事にどう役立つ?
AIとは、「Artificial Intelligence(アーティフィシャル・インテリジェンス)」を略した言葉で、日本語では「人工知能」を意味します。*1
特にChatGPTを代表とする生成AIは、ビジネスや日常生活に大きな変革をもたらしています。生成AIは言語処理やデータ解析を通じて、資料作成や問題解決など幅広いタスクに対応できる強力なツールです。
たとえば、数百ページにも及ぶ報告書を読んでまとめようとすれば膨大な時間がかかりますが、AIを活用すれば数秒で要点を整理してくれます。
さらに、AIはビジネスパーソンが直面するさまざまな疑問に即座に対応できます。法律や規制に関する専門的な情報が必要なときにも、豊富なデータベースやインターネット上の情報源を参照して、最適な回答を素早く提供してくれるのです。
こうしたAIの活用は時間の節約だけでなく、作業効率を向上させるメリットがあります。資料作成や分析作業などの時間を大幅に短縮することができ、クリエイティブな業務に多くの時間を割けるようになるでしょう。
あなたもAIを活用して、業務効率をアップさせませんか?
以下に、AIの具体的な活用術を紹介します。
1. 要点を整理する
仕事において大量の資料を扱う機会は少なくないでしょう。しかし、資料を読み込んで要点を理解する作業にはとても時間がかかります。ここで役立つのがChatGPTに代表される生成AIです。生成AIはが得意とすることのひとつに、膨大な資料や文書を読み込みその内容を要約することがあげられます。
たとえば、プロジェクトの会議資料が大量にある場合、AIにその資料を入力し、「この資料の重要なポイントを3つに絞って要約してほしい」と依頼すれば、AIはすばやく情報を抽出し要約してくれます。これにより、作業効率が大幅に向上するでしょう。
筆者はカスタマーハラスメントについて調べる機会があったので、ChatGPTに厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」*2 の要約を頼んでみました。
まず、画像のように「厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」から、重要なポイントを3つ要約してください。」とプロンプト(命令文)*3 を入力。
すると、瞬時にこのような答えが返ってきました。厚生労働省「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」は60ページもあり、自分で一から読もうとすると大変ですが、ChatGPTは一瞬でポイントを3つに絞ってくれました。
ただし、生成AIの回答は必ずしも正確ではないため、情報を自分で確認することが不可欠です。AIの回答に完全に依存するのではなく、要点を整理するための一助として活用しましょう。
整理された要点を頭にいれた上で資料を読めば、理解しやすくなる効果があるでしょう。
さらに筆者は、ChatGPTがまとめてくれたポイントをもとに、自分のノートに気づきや新たに生まれた疑問も記しておくことにしました。そのノートを見やすいように画像化したものがこちら。
膨大なマニュアルの要点をChatGPTにまとめてもらい、それをもとにノートに気づきや疑問点を書き込んだことで、情報をすっきりと整理することができました。気づきや疑問点のほかに、次にやるべきことのリストなどを書き込んでもよさそうです。
2. 手軽に理解を深められる
AIは、資料の要約だけでなく、理解を深めるための補助ツールとしても役立ちます。
仕事で不明な点や背景がわからない事柄があったときは、AIを活用しましょう。時間をかけずに自分の知識を補完し、理解を深めることができます。
たとえば、新しいプロジェクトを立ち上げるとしましょう。関連知識が不足している場合、AIに連続的に質問を投げかけることで、徐々にその分野に関する理解を深めることができます。
「この分野の基本的な考え方を教えてください」といった簡単な質問から始め、「この考え方がどのように応用されますか?」などとより詳細な質問を追加していくことで、段階的に深い知識を得ることができるのです。
筆者はカスタマーハラスメントについての理解を深めるべく、ChatGPTにの質問をしてみました。
こちらは「カスタマーハラスメント対策として企業で導入されている事例を教えてください。」とプロンプトを入力して事例を表示してもらったときの画像です。事例を豊富に示してくれるので、イメージがわきやすく理解が深まります。
ほかにも「カスタマーハラスメントの被害にあい、警察や弁護士に対応を依頼したことがある企業の名前を教えてください。」とプロンプトを入力したところ、具体的な企業名や団体の名前が表示されました。ChatGPTが提供する情報の真偽は自分で確認する必要がありますが、やり取りをしているうちにカスタマーハラスメントの全体像がよりはっきりと認識できるようになったと思います。
このように、生成AIは理解を深めるのに手軽に使えるツールなのです。
3. アドバイスをもらって問題解決できる
ビジネスでは困難な問題に直面することがあります。そのようなとき、AIに過去の事例を聞いたり、自分が抱える問題について相談してみましょう。きっと効果的な解決策を示してもらうことができます。
たとえば、作成したプレゼン資料が上司やクライアントに受け入れられなかったとき、その失敗の原因をAIに尋ねてみると改善点や新しいアプローチを提案してもらうことができます。AIは過去の成功事例や、視覚的なデザイン、資料の整理方法に関する情報を参照し、最適な改善策を示すことが得意です。
試しに、ChatGPTに「このプレゼン資料が受け入れられなかった理由は何だと思いますか?」と聞いてみました。
「相手のニーズや期待に合っていなかった」「メッセージが明確でなかった、または分かりにくかった」となかなか手厳しい答えが返ってきましたが、相手が生身の人間ではなくAIだからか、すんなりと受け入れることができる気がします。そういった意味で、上司や同僚にはしづらいような相談や質問も、生成AIが相手ならば気軽にして大丈夫です。
このようにアドバイスをもらいながら解決策を探すことも、AIの活用法のひとつです。
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ぜひこの記事を参考にAIを活用し、業務効率を上げてください。
※ChatGPTの画像はすべて筆者が作成した
*1 NECソリューションイノベータ|AI(人工知能)とは? 意味やビジネスの例も交えわかりやすく解説
*2 厚生労働省|カスタマーハラスメント対策企業マニュアル
*3 Generative AI Media|プロンプトとは何?意味や例、生成AIにおける使い方や例をわかりやすく簡単に徹底解説!
髙橋瞳
大学では機械工学を専攻。現在は特許関係の難関資格取得のために勉強中。タスク管理術を追求して勉強にあてられる時間を生み出し、毎日3時間以上勉強に取り組む。資格取得に必要な長い学習時間を確保するべく、積極的に仕事・勉強の効率化に努めている。