退院後も痛みは続いています。あくまで私の開腹手術の体験に基づいて書いていきます。
お腹に石を入れてるような重みというか、自分のお腹だけど自分のお腹じゃないような違和感がつねにあります。
昼間は傷口やメッシュを入れるために肉を削いだ部分が痛いのですが、夜になると特有の全体的な内臓の痛みが出てきます。「内臓痛」というものだそうです。
こちらの記事は術後の痛みを理解するのにとても参考になりました。
手術の傷(縫った傷)は、炎症期・増殖期・成熟期を経て治っていきます。手術から3日程度で傷口がとじますが、皮ふの下では炎症が続いています。
(ニチバンの手術の傷の治る過程から引用)
対策その1 痛み止めを飲む
基本のきですね。痛み止めを飲むような痛みは徐々に減ってきているのですが、それでも昨日は1回でも今日は1日3回など、痛み止めを手放せません。
痛みの段階と飲むタイミングを知る
病院でも使われる表現で、痛みの強さは10段階で10が我慢できない痛みとした場合、私は3から4の間で薬を飲みます。病院で言われたのは
・3くらいで飲んでいい
・痛みを我慢してもいいことはない
・痛みに早く気づいて早く飲めば早く落ち着くし、長く我慢すると効くのにすごく時間がかかる
・痛くなると分かっていたらその前に飲むのもあり。例えば夜痛くなるなら、寝る前に飲んでもいい(手術した病院の薬剤師さんに退院時に言われました。私個人的には夜中に痛みで目が覚めたら、すぐ飲むようにしています。)
痛みを上手に伝える
前に書いたように、術後の痛みには急性痛と慢性痛があるそうです。急性痛が続くと慢性的な痛みを抱えるようになるそうです。
私が頭痛持ちになった原因も、髄膜炎の時になかなか病院にいかず薬も飲まずに耐えてたからだろうな、と今になればわかるのですが、そういうときはペインクリニックに頼るのも手かと思います。
痛みは人と共有できないので、どこがいつからどんなふうに痛いのかを上手に伝える必要があると思うのです。ズキズキ、ズキンズキン、ガンガン、ピリピリ、ギューなど言葉で表すと色々あります。
対策その2 痛みの種類を切り分けて痛み止めを飲まなくてもいい痛みを知る。
姿勢を変えたり伸ばしてみる
あくまで私の場合ですが、決まった場所がピリピリする痛み(主にガーゼが入っている端っこ。お腹の内側は傷があるけど表面は傷口がない部分)は、最初のうちは痛くて丸まるような格好をしていました。しかしこのまま癒着したらやだな…とふと思い(想像でしかないですが)、仰向けで背中や腰に小さなクッションを入れてみました。皮膚の中のガーゼを伸ばすイメージを浮かべると、ストレッチのような心地よい痛みに変わった後、しばらくしたりゆるめると痛みが劇的に楽になり、これは薬を飲まなくていいタイプだと判断して、これを繰り返すうちに、この部分のピリピリした痛みは出なくなりました。
他にも、お腹全体が横向きは痛くなりがちで、仰向けになって落ち着くと0になる痛みもありました。横向いたり、起きたらまた痛いんですけどね…
ワセリンを塗る
お腹全体の表面がなんとなく痛くて、ずっとさすっていたのですが、傷口も含めて今は傷を乾燥させないほうが治りが早いと言われています。ワセリンを広く痛い部分に塗ってみたら気持ち改善されたので、これは続けていきたいと思っています。ワセリンは安いものだと石油系など色々ありますが、ベビーワセリンやさらに純度の高い白色ワセリンのほうが皮膚には良い気がします。
傷あとテープを貼る
傷跡は、赤みや痒みは幸いありませんが、黒くて引き攣る感じが気になります。赤みや痒みはケロイドの可能性があるので、傷あとテープが良いかもしれません。
おわりに
痛みの切り分けを入院中からして、紙に書き出していたら、看護師さんに「ちゃんと痛みを自分なりに分析しててすごい」と言われました。変なやつだと思われたかもしれませんね。帝王切開のあとは交通事故で全身打撲みたいな感じで、常に10(我慢できない痛み)あり、睡眠不足で考える力もなく薬漬けになっていたので、できれば今回は痛みを知って、効果的に飲みたいというのはありますね。
乳がんで全摘した母に、術後の夜特有の内臓痛など相談したところ「見えないところは自分にしかわからないから、十分に気をつけてね」と言われて納得。まさにそうなんですよね。
入院の時に学んだことは、今はどんなに痛くても1日1日、少しずつでも良くなっているということ。
痛い痛いと、ただ痛みに目を向けるとネガティブになってしまうのですが、こうして痛みを切り分けて薬を飲むタイミングを知ってみたり、回復している体内の組織を信じて過ごすことも大切だなと思っています。