文学、音楽、映画、猫の写真、スポーツ
by stefanlily
カテゴリ
全体音楽、music
映画、movie
文学、books
野球、Baseball
猫関連、Cats
芸術、Art
猫文学cat's books
Review in English
本のまくらQUIZ
小説(my own works)
文学、books(海外)
未分類
以前の記事
2024年 11月2024年 10月
2024年 09月
more...
フォロー中のブログ
梟通信~ホンの戯言amo il cinema
おいらとJazzと探偵小...
ぐうたら日和
近所のネコ2
お母さんの味を忘れたくないから
☆ねこにはかなわぬ☆
正方形×正方形
ネコは猫でも... (...
ふら~っと
深夜を廻る頃・・・
Living Well ...
小鳥たちの巣
気まぐれ感想文
光と影をおいかけて
畳ねこ
ねこ旅また旅
ネコと文学と猫ブンガク
猫、ネコ、Neko!! ...
月猫にっき
林真理子 ブログ あれも...
猫と文学とねこブンガク
sky blue dro...
ほぼ週刊プレミアムシネマ日記
最新のコメント
saheizi様、 前を.. |
by stefanlily at 00:57 |
周東の激走、面白かったね。 |
by saheizi-inokori at 11:00 |
小鳥たちの巣さま 人それ.. |
by stefanlily at 19:17 |
こんにちは🎵 私もBS.. |
by kotoritatinosu at 11:56 |
saheizi-ino.. |
by stefanlily at 17:34 |
優勝おめでとう!ぶっちぎ.. |
by saheizi-inokori at 10:45 |
左平次様、 今日はオリさ.. |
by stefanlily at 18:32 |
栗原カッコよかったね。 .. |
by saheizi-inokori at 10:53 |
左平次様、 ここ数年体重.. |
by stefanlily at 17:46 |
スポーツニュースで見まし.. |
by saheizi-inokori at 11:48 |
ご注意 notice
野球川柳、写真、英文記事等は無断転載禁止。 コメント下さった方、有難うございます
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
栗原陵矢最新の記事
井端監督が栗原に陽キャ指令 |
at 2024-11-07 23:45 |
マーティン・スコセッシ「タク.. |
at 2024-11-06 23:20 |
キング・オブ・コメディ |
at 2024-11-06 00:49 |
栗原が侍ジャパンに合流 |
at 2024-11-05 23:27 |
栗原、日本シリーズでタイムリー! |
at 2024-10-27 00:50 |
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
三島由紀夫「偉大な姉妹」
三島由紀夫の「偉大な姉妹」は昭和26年3月、「新潮」に発表、26年7月、「遠乗会」(新潮社)に収録。
以下、本文より、抜粋。
「この世には自分の形を忘れることのできる人とできない人との二つの種族がある。」
「新しい秩序が漸く固まり、なお多くの修正が正しいものと見做されたあの時代には、戦争も、暗殺も、立身出世も、あらゆるものが正義であった。
青年は世界を夢みた。
子供が早く大人になって深夜までつづく宴会に出ることを夢みるように。
たしかにそのころはまだ世界のどこかに大きな饗宴があったのだ。」
「歌舞伎役者の顔こそ偉大でなければならない。
大首物の役者絵は、悉く奇怪な偉大さを持つた顔を描いてゐる。
その偉大さには一種の不均衡と過剰がある。
拡大された感情、誇張された悲哀を包むその輪廓は、均斉を保たうがためにこの悲哀や歓喜の内容に戦ひを挑んでゐる。
美の伝達力として重んぜられたこの偉大さは、歌舞伎が考へたやうな美の必然的な形式なのである。
そこでは美と偉大の結婚は世にも自然であつた。
美が一個の犠牲の観念であり、偉大が一個の宗教的観念となることによつて、この婚姻が成り立つた。
大首物の錦絵の顔は、偉大に蝕まれた美のあらはな病患を語つてゐる。」
「もし罪といふものがあるなら、それは罪の行為が飛び去つたあとの真白な空白にすぎぬだらう。
罪ほど清浄な観念はないだらう。」
主な登場人物は、六十八歳の双子の姉妹、唐沢槇子と浅子。
浅子の家族である息子の三崎良造と嫁の勝子、長男の源蔵、次男の興造。
興造は新制高校一年生で、医学生を交えた不良グループに属していた。
浅子は興造の将来に期待している。
浅子は偉大なものへの憧れ―明治二十年代への回帰、があった。
平岡公威の祖母は双子ではないが、彼のおばあさんがモデルかと思われる。
「豊饒の海」の「春の雪」にも登場する松枝家の祖母も、この浅子のように一般的には非常識と思える孫の行動に目を細める。
以下、本文より、抜粋。
「この世には自分の形を忘れることのできる人とできない人との二つの種族がある。」
「新しい秩序が漸く固まり、なお多くの修正が正しいものと見做されたあの時代には、戦争も、暗殺も、立身出世も、あらゆるものが正義であった。
青年は世界を夢みた。
子供が早く大人になって深夜までつづく宴会に出ることを夢みるように。
たしかにそのころはまだ世界のどこかに大きな饗宴があったのだ。」
「歌舞伎役者の顔こそ偉大でなければならない。
大首物の役者絵は、悉く奇怪な偉大さを持つた顔を描いてゐる。
その偉大さには一種の不均衡と過剰がある。
拡大された感情、誇張された悲哀を包むその輪廓は、均斉を保たうがためにこの悲哀や歓喜の内容に戦ひを挑んでゐる。
美の伝達力として重んぜられたこの偉大さは、歌舞伎が考へたやうな美の必然的な形式なのである。
そこでは美と偉大の結婚は世にも自然であつた。
美が一個の犠牲の観念であり、偉大が一個の宗教的観念となることによつて、この婚姻が成り立つた。
大首物の錦絵の顔は、偉大に蝕まれた美のあらはな病患を語つてゐる。」
「もし罪といふものがあるなら、それは罪の行為が飛び去つたあとの真白な空白にすぎぬだらう。
罪ほど清浄な観念はないだらう。」
主な登場人物は、六十八歳の双子の姉妹、唐沢槇子と浅子。
浅子の家族である息子の三崎良造と嫁の勝子、長男の源蔵、次男の興造。
興造は新制高校一年生で、医学生を交えた不良グループに属していた。
浅子は興造の将来に期待している。
浅子は偉大なものへの憧れ―明治二十年代への回帰、があった。
平岡公威の祖母は双子ではないが、彼のおばあさんがモデルかと思われる。
「豊饒の海」の「春の雪」にも登場する松枝家の祖母も、この浅子のように一般的には非常識と思える孫の行動に目を細める。
by stefanlily
| 2015-12-28 16:49
| 文学、books