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Green (@ribbon_bear) が毎週好きな音楽ネタを語ります! Since 2011

スティーブ・ヴァイ BEAT ツアーの機材を解説 & ジョー・サトリアーニ Satch/Vai アルバム情報を語る

ヴァイ先生が BEAT ツアーで使用のペダルとアンプについて自ら解説しました。どうやら、先生シグネチャーパダルの制作が進んでいる模様です。

また、Guitar Interactive 誌の最新号ではG3が特集されており、G3オリジナル各メンバーのインタビューをチェックできます。

guitarinteractivemagazine.com

その中で、サッチが Satch/Vai アルバムの新たな情報を話していましたので、後半にまとめてみました。

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ヴァイ先生:

BEAT ツアー用のリグをこれから紹介しよう。このリグを作ったのは(ギターテクの)ダグだ。私はこういうのが欲しい、こうしたいと言うだけで、ダグが素晴らしいものを創ってくれた。見事に整理されており、動作も完璧で必要なことが全てできる。

セットアップの基本は2つのアンプだ。Synergy と JC Jazz Chorus (Roland)で、JCはロバート・フリップが使ったクラシックなアンプだからね。エイドリアンも同じものを使っている。特定のトーンが出せるんだ。これらが私の Synergy のリグとミックスされる。

さて、ギターから来た信号が(ペダルボードに)最初に入るのは、どれだっけダグ?

(側にいるダグが、「ワウワウです」と答える)

そう、ワウワウで私が使っているのは Cry Baby 。そこから信号は Overdrive へ。

これは MXR が私のためにカスタムメイドしたもので、今は特定のパラメーターを試しているところだ。

(訳者注:ライムグリーンの Overdrive ペダルにはVAIロゴが入っており、これはシグネチャー制作中かも知れません!)

その隣の小さな (Xotic) EP Booster はこれまで使ったことがなかったのだが、このツアーでは自分の使用頻度に驚くほどだ。4kHzより上の域をブーストするので、耳に痛くない。

それからお気に入りの (MXR) Phase 90 で、独特のサウンドだ。そして勿論私の (DigiTech) Whammy Pedal は長年の愛用品だ。

ずっとこれらの電力を9ボルトに抑えようとしたり工夫してきたが、ハム音を抑えることはできなかった。しかしこの (Cioks DC7) パワーサプライによってシールドされ、ラインが分離されるんだ。それでクロスオーバ―がなくなった。

これは Fractal 用のチャンネル・スイッチャーだ。私のリグというのはシンプルでね、ペダルも使うが、これが実際の主力器だ。モデリングに使うのではなく、エフェクト用だ。各曲用のパッチがある。演奏曲の全てが組み込まれているのさ。

ダグはこれと同様のペダルを奥に持っていて、私はこれに触れる必要がない。ダグが切り替えてくれるんだよ。素晴らしいだろう、それは店で買えないものだ。(ドヤ顔)

そしてこれは Synergy のスイッチャーだ。Synergy は私にぴったりでね。これらは実際のアンプ同様のプリアンプなんだ。(Fender Bassman) Bee man と Legacy が2つずつで、それぞれがクリーンと歪みの2チャンネルを持つ。合計で8チャンネルあるわけだが、このツアーでは全てを使っている。各曲にそれぞれ異なる質感のある楽曲だからね。

これ(右上赤いボックス)はアンプ用のスイッチャーだ。私のリグと JC のね。曲によっては1曲で両方のアンプを使うものがある。

これは (Universal Audio) Compressor で JC ステレオ・コーラス用に使っている。これ (Boss FV-50) はボリュームペダルで、SY-1000 と GM800 ギターシンセ用。

私はこのツアー用にシンセのパッチを作り上げたんだ。楽しかったよ、ギター用にやったのではなく、この機会にということで。SY-1000 はいかにもシンセと言う感じだが、GM800 はサンプラー的でね、このショウを通して私は異なった組み合わせで作ったパッチと使うのだ。

さて、これらのリグで最も大切なスイッチはここにある。私のサーキュレーターのスイッチさ!

(訳者注:サーキュレーターの前面には "YOU ROCK VAI!!!"イカしてるね、ヴァイ!」の手書き文字が!爆笑)

(ラック機材を指して)Fractal Axe-Fx III が全てのエフェクトを動かしている。その下が Fryette Power Amp 。私は随分と多くのパワーアンプを試したのだが、この Fryette が私の耳にしっくりきた。最もクリーンで正統なサウンドなんだ、サウンドに色を付けるパワーアンプと違って。これは透明で美しいのさ。

このラップトップは Axe-Fx とシンセサイザーのプログラミング用。その横の棚には SY-1000 と GM800 が整然と置かれている。下には JC Jazz Chorus 、両端にはギターリグのキャビネット

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最後にダグが登場しますが、2人の良い関係が画面から伝わります。ダグの制作したボードは完璧に整えられており、本当に先生はいい人を見つけたなと。

ダグについての過去記事はこちらをどうぞ

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サッチ:

全曲オリジナルの Satch/Vai アルバムの制作は1/3ほど進んでいる。多くの素晴らしいミュージシャンが参加する。

全曲インストではなく、今のところ1曲ではゲスト・シンガーを迎える予定だ。

(訳者注:このインタビューは恐らく昨年末頃の収録と思われるので、現在のアルバム制作はもっと進捗しているので過去記事をご参照ください ↓)

ティーブと私は制作についてとてもオープンで、曲を素晴らしくするなら何でもやろうと思っていて、まだ(アルバム収録曲の)パラメーターは決めていないんだ。

私たちの長年の歴史を反映する音楽であること、それで片方がクレイジーなアイデアを思い付くと、もう片方がよし、やってみよう!と言うのさ。

既にアルバムからは "The Sea of Emotion, Pt. 1" をリリースしている。これは3部作なんだが、2曲目にリリースするのはそのうちの1つではなく、今書いているものか、これから書く曲になるだろう。3月半ばまでにレーベルに提出しなくてはいけないんだ。

Satch/Vai 欧州ツアーの始まる6月にはアルバムをリリースできればと思う。まだアルバムのタイトルは決まっていないよ。

G3 のドキュメンタリーを息子が制作しているのだが、ワーキングタイトルは "HERO" で、5月に公開予定じゃないかと思う。

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Satch/Vai アルバムも、G3ドキュメンタリーも楽しみです!

 

 

スティーブ・ヴァイ&ジョー・サトリアーニ Satch/Vai アルバムは半分ほど完成、3月に新曲発表

G3 Reunion Live アルバムが発売されたことを受けて、ヴァイ先生とサッチがそれぞれにメディア・インタビューを複数受けるこの頃のようで、チェックするのが大変です。

今週はこれら最近の複数インタビューから興味深かった内容をピックアップして概要を列挙してみました。

一部のコンテンツについてはリンクした関連の記事から外部サイト和訳を読むことができます。

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スティーブ・ヴァイ

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■ Satch/Vai アルバム

・ジョーとのアルバム制作は進んでいる。ジョーがリフやらパートを送ってくれて、私がそれに返信する。お互いに相手がその箇所でどんな貢献をするのかわかっている。とても楽しく、1日に10通も交換するときも。

■ G3 Reunion Live

・サッチの息子ZZがG3ドキュメンタリーを撮影した。ジョーから受けた子供時代のレッスンノートを見にZZがやってくる。彼はこれをスキャンするらしい。

■ BEAT北米ツアー を終えて

肘の神経圧迫があり、1週間前に手術をした。腕が委縮して神経が圧迫されていたため、"Frame By Frame" の演奏で動きに問題が出ていた。まだ腕の感覚はないが、回復は問題ない。

(訳者メモ:1週間前にエイドリアン・ブリューが同じ主治医の元で手根管症候群の手術をしていました。最初の北米ツアーで同じバンドのギタリストが2人とも手の手術をすることになるという、恐るべき King Crimson の音楽)

 

 

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・優れた商業的音楽はそれを意図しない制作の結果できる。

・BEATがライブストリーミングしたコンサート素材をチェックして、別途リリースできるか確認中。

・BEATで一度世界を周ったら、また同じことを繰り返してツアーする気はない。何か音楽的に追加したい。King Crimson の音楽性を受け継いだBEAT楽曲ができると思う。

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■ オーケストラ音楽

・2027年にオランダのハーグで作曲家としての私を称えたフェスティバルが6日間行われる。

・そこで3時間ものの楽曲を発表するので、6~8ヵ月は作曲に没頭しなくてはならない。

ジョン・サイクス

・家が近く、お互いの子供が同じ学校に通っていた。彼の子供はよく我が家に遊びに来ていたが、我々が直接知り合うことはなかった。

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■ ビル・ウェスコット先生 (2010年に死去したサッチ&ヴァイの高校恩師)

・先生とは生前に連絡を取り合っており、ジョーと私が成功したところを見てもらえた。


ジョー・サトリアーニ

■ Satch/Vai アルバム

・スティーブと2人で集まる予定だったが、ロスの山火事があったので、リモートで進めている。アルバムの半分は完成。来週に私がロスに行くので、スティーブとスタジオに入る。

・2人で共作するのは初めて。アルバムにはお互いのバンドメンバーや他にもロスのミュージシャンが参加する。3月中旬には新曲を公開する予定

■ 女性ギタリスト活躍の増加

ロングアイランドでギターを教えていたときも、サンフランシスコで教えていたときも女性の生徒は沢山いた。

・ミュージシャンが活躍できる機会は大切で、それがこれまでの社会で十分に提供されてこなかった。

・デジタル化の結果、音楽制作が民主化されたこともそこに貢献している。

モントルー・ブルース・フェスト 1988年

・あの時は主催のサンタナに怒っていた。スケジュールが押しまくって私の出番は午前4時くらいで、観客なんて12人くらいしかいなかった。それでも2万人の観客がいると思ってプレイした。ステージを撮影するカメラクルーがいてあの映像が残り、大きな反応を得た。誰かが観るから、どんなギグでもやるべきだという教訓。

 

 

■ 実現しなかったG3

・過去にジェフ・ベックとビリー・ギボンズとのG3が実現しかかったことがあった。契約書にサインする直前までいったが、ジェフがプリンスとのツアーを理由に断った。やりたくないからそんなジョークを言うのかと思った。

・エディにはずっと何度も彼のエージェントに連絡を取って、演奏環境も揃えると提案したけれど返答はなかった。G3のシチュエーションが好みでない人もいるのだと諦めた。

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(訳者注:2015年7月のイベントで、ジミー・ペイジジェフ・ベックとエディ・ヴァンヘイレンの名前を挙げ、彼らの誰かと過去にG3が実現しかけたこともあったとサッチが語っていました。それがジェフ・ベックであったことがこのインタビューで初判明しました!)

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スティーブ・ヴァイ 「彼は誇りを持ってこの仕事をしている」

ヴァイ先生が昨年のBEATツアー終了後、今年に入ってから最新のインタビューを受けました。

Inviolate の日本ツアーでもお馴染みになった新しいギターテクのダグが話題に上がっていてとても興味深いです。

(来日時の写真、ダグさんは熱心なファンの細かな機材質問に丁寧に答えてくれたナイスガイでした)

長いインタビューは様々な話題に及びますが、今週はその一部の概要をまとめました。

 

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著名ギタリストの多くは優れた欠かせないギターテクと長く歩んできました。あなたとトーマス・ノルディックもそうですね。

ああ、彼のお陰で私のステージライフは支えられてきた。何か予想外のことが起こっても彼らは直観で素早く直してくれるんだ。

トーマスは20年以上私のテクを務めてくれた。彼はとても興味深い男で、真のソルジャーでもある。トーマスが(自分の後任として)ダグ(現在のギターテク、ダグラス・マッカーサー)を見つけてくれたんだ。

トーマスはもう78歳なんだ、彼は私がロングアイランドで Vai Academy をやっていたときにダグを見つけてくれた。ダグは私のファンで優れたギタービルダーなんだ。彼はボストンから5時間運転してギターキャンプに来ていた。

彼はネックで機器を使ってフレットを計測し調整することができた。彼が私のギターでやらせて欲しいというのだが、私が持ち込んだギターは4本で全てを使っていた。それで彼は1本ずつ3日間毎日ボストンを往復してそれをやったんだ。驚いたよ。

それに彼のプレイを聴いてみたら、信じられないくらいに良い腕前だった。彼のプレイには明らかに私の影響があったが、素晴らしいジェフ・ベックのプレイもあった。でも彼はプロのミュージシャンになりたいのではなく、ギターの作り手になりたいのだった。

だから、ダグをツアーに呼ぶのは少々難しかった。でもトーマスの助言もあってダグを欧州 Inviolate tour に誘ったんだよ。あれは厳しいツアーだった。

数日経った頃にダグが私の所にやってきて言うんだ。

「あなたのことは大好きですが、僕はこのツアーを続けられません」

それで、「君が無理だと言うなら構わない、無理だと言う人は多いんだ。君を家に帰そう。でも、私も初めてのツアーで同じように感じた。生計の為とはいえ、こんなのは無理だとね。

でも人生の他の事と同様に自分でグルーヴと居場所を見つけるんだ。いつ食べていつ寝るのか、グルーヴなんだよ。キャンプみたいなものでね、何人もが遠く家から離れて、長時間の仕事に没頭している。

それに、君は世界を見る機会があるんだ、世界にはその土地土地の豊かな文化がある。それを体験できるんだ。私もそうしたことを受け入れ、喜べるまでに時間がかかったが、今ではツアーが大好きだ」

と言ったんだ。

すると彼は「わかりました。一度やってみます」と。

彼はツアーに馴染んでいき、今ではボスのようさ。ダグは私にとっては本当に神の恵みのようさ、「どうやってトーマスの後任を探せばいいんだ?」と思っていたのだから。彼はトーマスの若返りのようで、私たちよりもずっと賢いんだ。

自分よりずっと若くて熱意があり、才能ある人物と仕事をするのは全く違っている。あのツアーではトーマスがずっと彼を指導していた。

忘れられないことがある。私は全てギターテクの仕事は彼らに任せているんだ。

あるショウ、プラハだったと思うが、ギターテクのブースの大きさが1人分しかなかった。トーマスが「1人しか入れないから、今夜どちらに入って欲しいか?」と訊くんだ。私は選ばずに彼らに決めさせた。

その夜、ステージに上がるときに私にギターを手渡したのはダグだった。彼らは移行を果たしたんだよ。

トーマスは仲良しのドラムテクのクリス・ハーバーと座っていた。そのときのトーマスの顔が忘れられないよ。難しい決断だったが、彼の決断だ。トーマスはこれまで常に私のそばにいた。

ダグはすっかりクルーの一員になった。私は常に完璧にチューニングされたギターをわたされ、何か問題があれば彼らが直ぐに直してくれる、とても幸運だ。

北米のツアーからは Hydra を帯同したのだが、あれを海外に持ち出すには大変な輸送コストがかかる。とても費用を賄いきれない。そこでダグがアイデアを思い付いた。彼は毎晩 Hydra を分解し、ネックとボディを別のケースに収納した。それによって特別の輸送を不要にしたんだ。

しかしこの方法では、ダグは毎晩 Hydra の分解と組立をせねばならない。ダグは上達して分解に5分半、組立に21分の最高記録を打ち立てたよ。これには弦の張替えも含まれるのだから驚異的だ。

F1のピットでタイヤを替える早業のようですね。

そうさ、彼は誇りを持ってこの仕事をしている。彼が選ばないようなことをすると怒られるんだ。アンプのセッティングやペダルなんかの単純なことさ、順番とか。「こうやって下さい!」って。

ハハ、彼はプレイヤーでもありますから、ショウの前にあなたのリグを全てチェックしてくれますし。BEATのリグについて彼と話しましたが実に素晴らしいです。

ああ、素晴らしいね。私は毎回リグの前に立って素晴らしさに感心するんだ。

BEATのリグはヘヴィだね。シンセサイザーに、スプリット・アンプやモジュール、複数のアンプやら。彼はそのすべてを装備した。ペダルボードなんかは実に芸術品だよ。

BEATではプログラムの変更がとても大変なんだ、1曲で何度もプログラム変更があったりする。しかしダグがリモート・ペダルボードで全てをやってくれるんだ。彼は他のこともやりながら、変拍子での切り替えなどもスムーズにやってくれる。私は何も考えずにプレイできる。ありがたいよ。

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プラハで先生のメイン・ギターテクのポジションをダグに委ねたトーマス、きっと清々しい笑顔でヴァイ先生を見ていたのではないでしょうか。良い話でした。

 

Satch/Vai バンドメンバー発表!

2025年最初の投稿です。今年もよろしくお願いします。

今年の6月から "Surfing with the Hydra" と題されたSatch/Vai バンドの欧州ツアーが始まります。

このツアーは両者統一のバックバンドで行うとのことでしたので、どんなメンバーになるのかワクワクして発表を待っていました。

www.satchvaiband.com

ドラムス:ケニー・アロノフ
ベース:マルコ・メンドーサ
リズムギター:ピート・ソーン

ケニーが選ばれたのはやっぱりなという感じ。サッチと長くやっているレジェンド・ドラマーだし、今回のツアーでは Satch/Vai の共作曲もメインになるでしょうから、何でも叩けてソリッドなロック・ドラマーということを重視したのでは。

ベースのマルコには驚きました。

ベースでは、ブライアン・ベラーならサッチともヴァイ先生ともツアー経験があってベストチョイスかと思っていたからです。とはいえ、ドラムがケニーでベースがブライアンだと、まんまサッチ・バンドになってしまうからでしょうか。

下のプレスリリースを読んで思ったのですが、ベースの人選はもちろん楽器の腕前もありますが、プラスして歌えるベーシストを選んだということかも。巨匠2人のジャムセッション・パートでは歌ものを選曲する可能性ありますもんね、楽器演奏者で歌える人が必要だったのでは。

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ブライアンはこの人選から漏れたことは少々残念な出来事だったようで、彼のSNS投稿から口惜しさが伝わってきました。またサッチとのツアーで復帰してくれることを祈っています。

それにしてもサッチは人選に慎重な人で、バンドのメンバーはヴァイ先生と仕事をしたことがある人か、自分がこれまでのキャリアで仕事をした人を選ぶと思っていたので意外でした。

マルコとサッチや先生ってこれまでに共演の機会あったかな?

ギターのピートさんですが誰?と思ったらギター関連動画でよく見かける方でした。ツアーミュージシャンでもあったのですね。

彼のインスタを覗いてみたら、昨年秋に来日していて東京でギタークリニックをやっていたり、長渕剛さんと共演していたりして驚きました。

インスタでは当時ちょうど来日中だったアンディ・ティモンズから会おうよと声もかかっていて、良いお友達のようでした。

バンドにキーボード・プレイヤーがいないのが気になります。誰かを直前に追加するのかな?2人の持ち曲も演奏するでしょうから、鍵盤が必要じゃないのかな?

とにかく大変楽しみなツアーなので、秋ごろに来日して欲しいなぁ。

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2024年のライブを振り返る

今年も当ブログをご訪問頂きまして、ありがとうございました。

ブログを始めてからほぼ13年間は週1回の更新を継続してきましたが、今年の半ばくらいからは「ネタがあったときにのみ更新する」スタイルに移行しました。「書きたい!」と思うネタに出会うことが減ったのが理由です。

個人の情報発信の手段として、ブログという形態はもう古いのかな、動画が旺盛で文字を読む人は少ないのかな、自動翻訳が発達してこういうブログは不要になってきたかな、などと思ったりしていますが、とりあえず自分が書きたいものがあるうちは、のんびりと継続しようと思いますので、来年もお付き合いのほどよろしくお願いいたします。

今年は2020年以来、4年ぶりの Monsters of Rock Cruise に参加したこと、サミー・ヘイガーと来日したサッチを観れたのが個人的なハイライトでした。
パンデミック後の来日公演は引き続き多数あったのですが、私は例年よりも少ないライブ参加となりました。それにしても物価高と円安でライブチケットも物販も値上がりを実感した1年でした。

 

2024年 参加ライブ

02月 Queen
03月 Monsters of Rock Cruise
05月 Marcin, The Choppers Revolution
06月 Cory Wong
09月 Tim Christensen, The Best of All Worlds
12月 Covet

 

2024年 ベストライブ

No.3 Cory Wong

ずっとずっとライブで観たかったコリー・ウォンが来日してくれたのは嬉しかった!しかもチケットがお安かった。北米ではもうシアタークラスでヘッドライナー公演している彼をクラブ公演で観れるのも感激でした。

彼のバンドを引き連れての公演は狭いステージがぎゅうぎゅうでしたが、最初から最後までノリノリのリズムマシーンのごとく弾くコリーが観れてとても楽しかった。

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No.2 Glenn Hughes/ Ace Frehley

今年のクルーズでは70代のレジェンドの活躍が印象深かったです。

中でもグレン・ヒューズエース・フレーリーは凄かった!
グレンは圧倒的な歌唱で会場を支配していましたし、エースのギターはまだまだいい音だった!
乗船していたミュージシャン達が数多く、レジェンドのライブを観に来ていたのも特徴。

今年後半に豪州までツアーに来ていたグレンですが、結局来日はなかったのが残念です。

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No.1 Joe Satriani at MORC/ The Best of All Worlds

今年は個人的にサッチ祭りの1年でした。

クルーズでサッチのソロライブを観て、ニューアルバムからの新曲を聴き、最後に特別ゲスト参加のG3を間近で観れたのは最高の体験でした。

そしてまさかの The Best of All Worlds ツアー来日。北米まで行かなければ観れないと思っていたショウが日本に来てくれるだなんて、嬉しくて小躍りしましたよ。

VHをできるだけ再現しつつ、サッチらしいギターを聴かせてくれたのは感激でした。

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その他では、今年は凄腕系のミュージシャンを厳選して観てきました。

Marcin の超人的アコギプレイには息をのみましたし、The Choppers Revolution は Dirty Loops のヘンリック・リンダーを観たくて行きましたが、超絶で楽しいライブでした。

ティム・クリステンセンのソロライブはバンドも巧者揃いで、いい音聴かせてくれました。

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来年はサッチ/ヴァイで来日があることを心から祈って。両者を同時に観れちゃうなんて、幸せすぎる!

 

 

トップ・プレイヤーが実践する曲の覚え方:身体的記憶・音楽的記憶・理論的記憶

今週はGW誌の記事で興味深いものがあったので、それを紹介します。

www.guitarworld.com

腕利きギタリストたちが曲をステージでパフォーマンスするため、どうやって準備しているのか。曲の暗記プロセスはどんなものかを質問した回答のうち、スティーブ・モーズ、アンディ・ティモンズ、ジョエル・ホークストラ、ポール・ギルバート、フィリップ・セイス、マーティ・フリードマン、ロン・サール、マイク・ケネリーのコメントをまとめてみました。

ギター弾きの方には参考になるお話かと思います。

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特定のギグでの演奏に向けて、どのように楽曲を覚えるのですか?

ティーブ・モーズ:繰り返しプレイして覚え(身体的記憶)、頭の中で音楽を再生する(音楽的記憶)、そして分析する(理論的記憶)。

身体的記憶はゆっくりと完璧に、止まらずプレイすることでどの部分の練習が必要かがわかる。原曲を聴くことで記憶できるし、分析することでどのキーが使われているのか判明し、アレンジを把握できる。

アンディ・ティモンズ:その楽曲の複雑さのレベルによるね。譜面が渡されたら、僕は最初は参照せずにできる限り耳で覚える。もちろん、難しいフレーズを弾くのに譜面は助けになる。

何年も前に気付いたのだけど、僕が最初に譜面を読んで入ると、曲を耳で覚えるのに対してずっと多くの時間がかかるんだ。耳で覚えるのが僕の指の動きへ直接の回路になっている。

記憶し定着させるのに最良の方法は繰り返し聞くこと。体に取り込んでしまえば考えなくても曲が聴こえる。

ジョエル・ホークストラ:反復練習に勝るものはないよ。僕は通常、ギグ当日を起点に練習開始日を決める。その日からは毎日その曲を演奏する。最終段階ではギターだけで弾く、そうすればもう曲の構造を覚えて何にも頼っていないことになる。

ポール・ギルバート:それが良い曲だといいね。良曲というのはメロディとアレンジが早く記憶に残るように書かれている。歌詞はもっとやっかいだね、調べものが必要だったり自己診断が要るかも。

フィリップ・セイス:ひたすら反復練習。ひたすら弾いて何も考えなくてよいところまでやる。できるだけ深く記憶に定着させて、毎回より上手く弾けるよう取り組んでいる。

マーティ・フリードマン特に難しい曲の場合、全ての音に対してベストなサウンドで間違えないフィンガリングを決めるのに時間を割く。そして大量の練習をする前にそれを盲目なまでにこなす。

でも多くの場合、暗記することは余り考えずに、何度も曲を聴いて頭に取り込まれるようにすると、大抵の問題は解決できる。

ロン・サール:短いパートに分解するのが良い。複雑なフレーズなら、小さなセクションに分けて、セクションを練習する、それからセクションを繋げて練習する。

長いアレンジの曲なら、コード進行の数を数えてその数の並びを覚えるんだ。紙とペンを持って覚える曲を書き出すと良い。

それから曲を覚えるのに異なるキーで演奏する。練習時にはオケに合わせて弾かないようにする。曲のガイドが必要ないところまで練習するんだ。

マイク・ケネリー:何十年も前、ブライアン・ベラー(ジョー・サトリアーニのベーシスト)から聞いたんだが、彼が知らない曲を覚えるプロセスというのは楽器を手にする前に何度も何度もその曲を聴くということだった。

私も時間のあるときは、ひたすら曲を聴いてすごす。家でも車でも聴いて、その何が良いのか分析する前に、曲としてサウンドとして知り尽くす位まで。

そこまできたら、後は黙々とやるだけだ。自分のパートを小節ごとに覚えるのさ、ゆっくりと、微妙なニュアンスを会得して、必要なら曲の構造を書き出して、脳の記憶と体の記憶を同時に積み上げるんだ。

 

新たに曲を覚える上で最も難しい面は何ですか?

ティーブ・モーズ:一番難しいのは、(観客による)気の散る環境を作ることだ、実際のギグのようにね。例えば、何か通常でやらないこと、遅いテンポでプレイするとか(これは言葉よりも難しい)で試すことができる。でも人前(家族や友達でも)で弾くことが良い準備になるから、気の散る状況に慣れることだ。

アンディ・ティモンズ:音符を暗記することが1つ。曲の形式を覚えることは時により難しい。でもこれらは全て曲を体に吸収することで解決する、だから繰り返して聴くんだ!

ジョエル・ホークストラ:短い時間で多くの曲を暗記すること。Foreigner のコンサート・セットを24時間で覚えなくてはならなかったとき、僕は1時間50分間集中して覚え、10分間の休憩をとって身体を横にして目を閉じて脳が処理できるようにした。

(訳者注:ジョエルが Night Ranger 在籍時、Foreigner とツアーをしていたが、ミック・ジョンソンの健康上の問題で代役に指名され、24時間で準備した経験がある)

ポール・ギルバート:暗記するには多くの時間を割いて聴くこと。好みの曲ならそれが楽しみになるけれど、その曲の作りが雑だとしたら苦労することになる。

フィリップ・セイス:集中力を切らさないこと。外部のものに気を散らさずに自分のゴールをしっかり見据え続けることで、曲に息が吹き込まれ命が宿り、グルーヴが生まれるんだ。

マーティ・フリードマン自分の曲なら覚えることは全く難しくない。僕にとって暗記するのが難しいのは他人が書いた複雑なパートだ。そういう場合、練習時に詳細な合図を付けていく。

例えば「ダブルタイムのフレーズ」、「初回はF#で終わり、2度目はGで終わる」、「3拍のロングトーンを保ってから上昇」とか。特に似通った多くのパートを弾かなくてはならないときに。

ロン・サール:変わったアレンジを覚えるのは難しい。1つのバースでのみコード・ビートが余分に1つあるとか、休符とキー移動が予想外の場所にあるとか。

対照的に、単純な曲が覚えるのに難しいこともある。多くの曲に似通ったコードが使われていて、演奏の順序において少ない違いしかない。別の曲のパートを混乱してしまうことがある。

マイク・ケネリー:私の経験則では、シンプルな曲ほど暗記が難しいものだ。正反対に感じるかもしれないけれど、私にとっては全く理にかなっているんだ。

私がザッパの作品を覚えているとき、自分に定着させることはとても簡単だった。なぜなら全ての奇妙なメロディやコード変化は私がそれまでに弾いたことのないものだった。だから私の記憶に定着するのは早かった。それらを愛聴してきたことは無論役に立った。自分の一部のように感じたから。

対照的に、ジョー・サトリアーニの作品を覚えるのは難しかった。彼の作曲における創作過程はもっと繊細だからだ。

当初の暗記過程は全てを吸収するのに苦労した。そのような場合にはひたすら繰り返して聴くことが覚えて弾く前にとても重要だ。必要なら(曲の構造を)図に書き出すのは役に立つだろう。そうすることで異なる曲間の繊細な区別がつく。

 

ステージで演奏する上で、パートを忘れないようにするコツがあれば教えてください。

ティーブ・モーズ:異なるテンポや違うシナリオ、セクション毎などで練習すること。しかし重要なのは頭の中でできるだけ何度も反復すること。待ち時間や移動時間や行列に並んでいるとき、頭の中のフレットボードで音楽を視覚化するんだ。自分のアプローチを多様化することで自分のアプローチの基盤を強化できる。

アンディ・ティモンズ:集中力が一番難しいだろう。ステージというのは練習部屋とは全く異なるものだ。僕はバンドとオーディエンスに向かいたい傾向があって(もちろん、これらは譜面に頭をうずめていては不可能だ)そのためには楽曲がしっかり自分に根付いて自然なものになっていることが大前提だ。

それによって僕はただ演奏してその瞬間に音楽を投影できるんだ。ミスが起こるかって?もちろん、でも少なくとも僕は最高に楽しんでいるよ。

ジョエル・ホークストラ:反復、反復、反復あるのみ!誰かが耳元で叫んでいても、完璧に弾けるくらいに曲をしっかり覚えることさ。

ライブ演奏では様々なことに気をそがれる。インイヤー・ミックスの音が変だったり、観客の誰かが何かしていたり、バンドの誰かが(機材の)技術的問題を抱えていたり。そういったものに気を付けないと自分のパフォーマンスが低下してしまう。

ポール・ギルバート:僕が曲の何かを忘れてしまったなら、バンドの誰かがカバーしてくれるのを祈るよ。僕はただボリュームを落として自分の居場所を見つける。3ピースのバンドでは隠れる場所はないから、しっかり曲を覚えていないといけない。それかアームで狂ったように弾くしかない!

フィリップ・セイス:言ったように、しっかり繰り返し練習すること。時折、なぜか思い出せないところがあったら、小さな図を書いて床に貼るんだ。

要はその瞬間に集中して、歓びと感謝、興奮と楽しみの気持ちを持って音楽にアプローチすること。

マーティ・フリードマンコンサートそのものは自分のベッドルームやリハーサル室や同日のステージ上でのサウンドチェックとも圧倒的に異なる雰囲気であることを理解して気を引き締めること。

不必要な感覚的情報を絶え間なく浴びる結果として、集中力を大きくそがれることもある。それを頭に入れて準備することで当日の問題を摘み取るのに役立つだろう。

ロン・サール:観客に観られると心境は普段と異なってしまう。だから、人に観られるところで練習しよう。曲を弾くときには人の目を入れるんだ、インスタグラムのライブをしたり、君の脳をパフォーマンスのモードに入れるもので。それから観客の目の届かないところにパートのメモとかのカンペを忘れずに!

マイク・ケネリー:まず本番の前に沢山練習することは必須だ。自分の脳をシャットダウンして体の記憶だけで弾けるくらいになるまで。体に刻んだ曲の記憶は脳の記憶よりもずっと長くもつ。だから、自分の体の記憶を信頼して仕事を任せ、頭に邪魔させないことができるかなんだ。

例えば、これから来る難しいパートのことを考えすぎると、何もそのことを考えずに自分の指の動きに任せた場合よりも、必ず多くの場合でお粗末な結果になる。

曲を何度も弾いて練習するより他の方法はないんだ。だから時間をかけるんだ、そうすればその結果はその後何年にもわたって実を結ぶだろう。

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皆さん共通の答えが繰り返し聴いて練習することでしたね。それ以外の道はないとの事。
そんな中で私はマイク・ケネリーの回答を興味深く読みました。



スティーブ・ヴァイ BEAT ライブストリーミング!King Crimson の世界

11月10日(現地時間)にロサンゼルスで行われた BEAT ライブが有料でライブストリーミングされました。お値段は日本円で4千円弱とまあまあしますが、当日から7日間はアーカイブを何度でも視聴可能。(間もなく終了ですので、皆さんお早めに!)

マルチカメラを使用したプロショットで、サウンドのミックスはグラミー賞エミー賞の受賞歴もあるボブ・クリアマウンテン氏が担当したそう。

私はライブストリーミングで視聴したのですが、不要に感じたチャット画面を閉じて、Apple TV 経由でスピーカー再生したところ、画質も音も満足なクオリティでした。

私はファン撮影動画で何回かこのライブをチェックしてはいましたが、プロショットで専用にミックスされたものは全然違いますね、後日これが映像作品として発売されるのかも知れませんが、バンドがツアー中の今見ることができて大満足です。

 

ステージにメンバーが登場してスタート。

先生は先月くらいから投入したグレースーツ姿(この日は着なかったですが、色違いの赤いスーツもインパクト大です)、お手製ペイントのPIA、Ivyaを演奏していました。このツアーではこれがメインギターになっています。(Ivya にはシールドが2本挿されていたのですが、何だろう?)

ライブ中盤では、先生のギター写真集『Wire And Wood』のウルトラ・エディションにのみ封入される世界限定14本の Jem 77WFP (White Floral Pattern)を弾いているところを初めて観ました!このツアーで使う予定だったものですが、準備が整わずに少し前から使用され始めた模様です。

それからもう1本、ストラトタイプの黒ボディJemも1曲で使用されました。

私は King Crimson に疎いので、オリジナルと比較してどうだという話はできないのですが、このストリーミングを観て、先生がとてもこのバンドにフィットしているのを感じました。音楽が知的で職人的技の高みや実験的先鋭さや面白さもあって、ザッパ風味も感じる。

原曲に忠実に弾いているところはあるのでしょうが、先生のサウンドで、ソロではしっかり先生らしさが満載で、エイドリアンとの相性も良く、トミーも加わっての弦楽三重奏なんて変態すぎて異次元音楽空間でした。(賛辞です)

セットは二部構成のため、一部終了後の休憩タイム20分ほどの間にメンバーが揃ってのインタビュー映像をながしてくれました。既にこのブログでも書きましたが、BEAT 結成の経緯や各メンバーの想いなどのお話。

セトリは初回公演からほぼ変更していないようです。(過去記事参照)

staytogether.hateblo.jp

BEAT は来年あたりに来日してくれないかな?今回の素材でライブCDや映像作品の発売もありそうですね。


一方で『G3 Reunion Live』が1月31日に発売されます。CDは2枚組で、LPのようにツアー写真集が付属するのかは不明。日本盤がでるのかも早く知りたいですね。

今のところ、このライブアルバムからは下の "Crossroads" とヴァイ先生の "Zeus In Chains" が先行リリースされています。

 

G3もライブで観たいんだな~。来日お願い。