資本主義が豊かさをもたらす~と思っている方が多いが、著者はそれは逆で、
「資本主義が発展するほどに貧しくなる」と説明する。
まずは住宅。NYやロンドンは住む(家賃)も、買う(ローン)も大変で
人々を過労死寸前まで働かなければならぬ賃金奴隷になると記す。
あたしも調べてみた。
ロンドンの1ルーム家賃=約30万円。狭いマンション価格=約6千万~1億円ほど。
テレビでは小室・眞子さんのNY生活の住まいについてワイドショーが、
ワンルーム賃貸が年収1300万円以上、1LDK賃貸が2千万以上ないと生活できないとレポートしていた。
●
資本主義はかく「欠乏」を生み出すシステムになっているとして、歴史を振り返る。
これは16~17世紀に資本家が共同管理地(コモン・共有地)から農民を追い出して
土地「囲い込み」を行い、土地に人工的な希少性を付加して利益を図ったためと説明する。
●
次にエネルギー。資本家は潤沢な水利用(発電・運搬)よりも、
希少性ある化石資産(石炭)を選んで利益アップを図ったことから、
過酷労働と二酸化炭素増大を招くことになったと説く。
(写真は国会図書館デジタルコレクション『炭鉱読本』(昭和14年刊)より。
上記例から「私財(資本家)」で「公財(万人の共有材)」を次々に浸食し、
労働者階級から富を巻き上げて行くシステムが「新自由主義の本質」。
その具体的方法論は、希少性(商品価値、ブランド)の貪欲な創造・拡大・維持。
●
気象変動は、地球という絶対的希少性を帯びるゆえ、格好の儲けチャンスで、
「惨事便乗型資本主義」も暗躍する時代になったと説明する。すでに写真左の書は読書済。
また希少性=ブランド化で儲けるのが、マーケティング産業で、
何も生産しないのに、食料やエネルギーに次ぐ世界第3の産業に発展している。
その筆頭が日本では「電通」だな。
社員過労死、コロナ禍の広告減少、SNS時代になって広告出稿変化、
さらには海外買収などで大赤字。
なりふり構わずオリパラやコロナ給付金などで暴利を貪ったが、ついに本社ビル売却。
自らマーケティングを見誤ったらしい。
小生もフリーランスの虚業稼業だったゆえに心が痛い。
まったく馴染のなかった政経問題、ましてやマルクス資本主義~
理解するのも大変で、頭も痛くなってくるので、この辺で区切って次回へ~。