◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第3日(30日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70) 首位と5打差の4位から出た賞金ランク2位の金谷拓実(26)=Yogibo=は5バーディー、3ボギー…
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー メジャー最終戦 日本シリーズJTカップ 第3日(30日、東京よみうりCC=7002ヤード、パー70)
首位と5打差の4位から出た賞金ランク2位の金谷拓実(26)=Yogibo=は5バーディー、3ボギーの68で回り、4位を守った。賞金レースは実質的にランクトップの平田憲聖(24)=エレコム=との2人に絞られ、金谷は第3ラウンド(R)終了時点の順位なら逆転賞金王圏内。大会初制覇も目指して、ラスト18ホールに臨む。69で回った片岡尚之(26)は1打差2位からメジャー初制覇を狙う。
集中力を研ぎ澄ませた。金谷は11番で残り205ヤードの第2打で5アイアンを握り、ピンそば4メートルにつけた。バーディーパットを沈め、ガッツポーズ。この日のバーディーは石川と2人のみという最難関ホールでスコアを伸ばした。「バーディーを取らないと、上位に食らいついていけない」。17番パー5でも第1打でドライバーを振り切り、310ヤード飛ばすなど、優勝と逆転キングへ攻めの姿勢を貫いた。
第1Rは平田、今平と賞金ランク上位3人でのラウンド。強風の難条件と戴冠への重圧から71と伸ばせなかった。第2Rは一転、65をマークし、一気に4位へ浮上した。粘り強く連日のアンダーパーをマークし「ボギーもミスも多かったんですけど、その中で自分ができる最大限のプレーはできた」と及第点を与えた。
プロ2度目の国内予選落ちとなった7月の長嶋茂雄招待セガサミーカップ後、決断を下した。東北福祉大時代から指導を受ける大坂武史トレーナー(56)に、8月以降の全試合帯同を依頼。体の動き、食事面、体のケアなどの助言を受けて万全の状態を整えた。「そこで賞金王を取りにいくんだな」と大坂氏は、26歳の覚悟を感じたという。
昨季国内賞金ランク3位の資格で欧州ツアー出場権を手にしたが、出場機会に恵まれず、目標を日本の賞金王に切り替えた。「(ランク2位だった)ルーキーの時(20―21年)は賞金王にこだわっていなかった。今年ははっきりこだわっている」と大坂氏。本格参戦4季目で3度目の賞金王争い。過去2度の悔しさを胸に、今季を戦ってきた。
第3R終了時点の成績なら、平田を抜き賞金王の称号を手にする。だが、金谷が狙うのは大会制覇との両取りだ。「どんな状況でも一打一打、一生懸命やるだけ。いつも通り、自分らしいプレーを最後までやり切りたい」。ラウンド後には約1時間調整。静かに自分を磨き上げ、最後の18ホールに備えた。(富張 萌黄)
◆最終戦での逆転賞金王 日本ゴルフツアー機構(JGTO)によると、1999年のJGTO発足後では、最終戦での逆転賞金王決定は2000年のファンケル・オープンin沖縄を制した片山晋呉(771万3253円差の賞金ランク2位)、17年の日本シリーズJTカップを制した宮里優作(1717万7831円差の賞金ランク2位)の2例だけという。
◆欧州(DPワールド)ツアー 欧州だけでなく中東を含むアジア、アフリカなどで開催。シーズンは11月から1年間で年間40試合以上。年間ポイント争いで有資格者を除く、上位10選手が翌年の米ツアー参戦資格を得る。22年12月から、日本ツアー賞金ランク3位以内の選手に出場権が与えられている。