アーキテクチャレベルで考える開発生産性 / architecture-and-productivity - Speaker Deck
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アーキテクチャレベルで考える開発生産性 / architecture-and-producti...

アーキテクチャレベルで考える開発生産性 / architecture-and-productivity

2024/06/29、開発生産性カンファレンス2024での登壇発表資料です。
https://dev-productivity-con.findy-code.io/2024?m=2024/m/Z8HnzjZb

MinoDriven

June 28, 2024
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  1. © DMM © DMM アーキテクチャレベルで考える 開発生産性 2024/06/29(土) 開発生産性Conference 2024 合同会社DMM.com

    ミノ駆動 プラットフォーム開発本部 第3開発部 DeveloperProductivityGroup
  2. © DMM 自己紹介 ミノ駆動 ( @MinoDriven ) 合同会社DMM.com プラットフォーム開発本部 第3開発部

    DeveloperProductivityGroup DMMプラットフォームの設計を改善し開 発生産性向上を図るのがミッション 2
  3. © DMM • CI/CD環境、Four Keys計測、チャットツールやタスク管 理ツールなど開発生産性向上の環境整備は完璧! • でも顧客が見向きもしない、役に立たないサービスが完成 しました…… 極端な話

    いくら頑張って開発生産性向上の環境を整備しても、収益を 出せなかったら開発生産性も何もあったものではないですね (※開発生産性向上活動は重要です、否定はしません)
  4. © DMM 機能性 • ソフトウェア品質特性のひとつ。機能が顧客ニーズを満たす度合い。 • 機能性が高いと当然収益も上がる。 • 競争優位性のある機能の開発が収益向上する上で重要。 •

    競争優位性を意識しないと思いつきで五月雨な開発になりがち。 • 逆噴射して「なんでこんな仕様に変えたの?」と顧客を失望させることも。 • 優位性のない機能は顧客を満足させることができず、収益が低下。 24 利益 収益 費用 収益↓ 利益↓
  5. © DMM 変更容易性 • ソフトウェア品質特性のひとつ。 • なるべくバグを埋め込まず素早く正確に変更可能な度合い。 • 変更容易性の高い構造であるほど開発コスト(費用)が下がる。 •

    逆に複雑で混乱した構造は変更容易性が低く、開発コスト増大。 • 特に競争優位になる魅力的な機能は顧客ニーズが多く、頻繁に仕様変更さ れ、放っておくとどんどん複雑化していく。 • 機能の魅力をもっと高めようにもなかなか変更できなくなり、優位性が失 われていく。 30 利益 費用 収益 費用↑ 利益↓
  6. © DMM 選択と集中 • 当たり前ですが開発リソースは有限です。無限ではありません。 • だからサービスの全部に対して等しく開発投資するなんてことは不可 能です。 • 優先度を決め、重要な部分に集中的に開発リソースを投じなければな

    らない現実があります。 • ではどの部分に集中するか?それは競争優位性を発揮できるビジネ ス領域であり機能ですね。 • 変更容易性の設計も同様に、重要な部分に集中すべきです。 32
  7. © DMM コアドメイン • ドメインとは、ソフトウェアが解決する事業領域。 • コアドメインとは、差別化が図られ、競争優位性を発揮する領域。 • 一方で必要ではあるがコアではない領域をサブドメインと呼ぶ。 •

    ドメインエキスパート(事業課題の専門家)と話し合い、コアとサブを見 分けることが重要。これが一番大変! • ちなみにソフトウェアはユーザー目的を満たすように作られるものな ので、コアを主目的、サブを副目的と個人的に呼称していたりする。 40 サブドメイン1 サブドメイン2 機能性 コアドメイン
  8. © DMM 境界付けられたコンテキスト 各ドメイン(目的)に特化したモデ ルを設計し、各特化型モデルが 適用可能なスコープを決める。 これが境界付けられたコンテキ スト。 後述のコアとサブでシステムを 分けるのにも用いる。

    43 変更容易性 在庫ドメイン 配送ドメイン 注文ドメイン 審査ドメイン 審査コンテキスト 審査品目 在庫コンテキスト 在庫品 配送コンテキスト 配送品 注文コンテキスト 注文品
  9. © DMM 隔離されたコア コア用のロジックとサブ用のロジック が複雑に絡み合っていると、コアの 機能を改善しようにも変更が難しく なってしまう。 従って、境界付けられたコンテキスト と蒸留に基づきコアとサブでシステ ムを分離隔離する。

    コアにサブの要素が入り込まないよ う徹底的に純化し、コアに特化したシ ステムにする。 45 コアドメイン サブドメインA サブドメインB コアシステム サブシステム A サブシステム B 変更容易性
  10. © DMM レイヤードアーキテクチャ 46 ドメイン ルール解決 ユースケース 解決 入出力変換 外界

    ドメイン層 ユースケース層 コントローラ層 インフラ層 View データベース 変更容易性 下図はレイヤードアーキテクチャの一例(いろいろバリエーションあり)。 ドメイン関心事や技術関心事単位で関心を分離することで変更容易性の向 上を図る。 (※戦術的設計)
  11. © DMM ドメイン層 47 Repository interface Aggregate Entity ValueObject 変更容易性

    以下、代表的な設計パターン(このパターンには限らない)を用いてドメイ ン概念を整理することにより変更容易性が向上する。 (※戦術的設計)
  12. © DMM コアへの開発投資を優先する • 開発リソースは有限、全てに対して満遍なく等しく開発投資することは 不可能。 • エンジニアによってスキルの熟達度はそれぞれ。 • 同様に変更容易性の設計スキルもピンキリ。

    • サービスの競争優位性を高めるには、コアに対して優先的に開発コスト を割き、スキルの高いエンジニアをアサインする必要がある。 • サブドメインの機能については、開発を外部に委託する、サードパー ティのサービスやツールで賄う、といった戦略も考えられる。 48