(10月22日08:00追記: Barney's Bugleのリンクを修正しました。どうも失礼しました)
今日もブライアン・ウィルソンを聴いていたのですが、これを書くのはむずかしいなあ、と思いながら、ちょっとメモをとっただけで疲れ果ててしまいました。
ブライアンのことを話すハル・ブレインを見ているうちに、ふと、バディー・リッチが聴きたくなり、おなじみのヤツをプレイヤーにドラッグしました。
しかし、バディー・リッチに関するかぎり、いまだに、これだ、という盤は手に入れていません。どういうのが聴きたいかというと、以前にも貼りつけたことがありますが、こういうのです。音は最低ですが、プレイはベストのなかのベストです。
Buddy Rich
左手で片手ロールをしながら、そのスティックを右手のスティックでカンカン叩きまくるスティック・トゥ・スティックの技に呆気にとられます。スプラッシュ・シンバルのカシャカシャを挟むシンバル流しもじつに楽しい演出です。
レニー・ブルースは、まだ駆け出しだったハル・ブレインといっしょにステージに立ったことがあったそうです。ハルがHal Blaine & the Wrecking Crewのなかで懐かしげに語っています。
もうひとつ、バディー・リッチの高速プレイを。こんどは、お得意のシンバル両面打ち、往復ビンタ技にご注目を。
Buddy Rich
なんだかんだいっても、ドラマーは運動能力が重要、バディー・リッチの身体能力の高さはつぎのようなプレイによくあらわれています。キース・ムーンなんか知らないね、ジンジャー・ベイカーってだれよ、というキック技。
Buddy Rich
まるでスティックで叩いているような速度と正確さとニュアンスで、二つのキック・ドラムを叩いています。これが1949年、昭和24年、小津安二郎が『晩春』を撮った年だっていうのだから、呆気にとられます。
60年代にダブル・バスドラがどうこうなどといっていたわれわれは、ものを知らないドアホでした。あちらはもう40年代に極限のプレイをしていたのですから。
ド派手なものばかり並べてしまいましたが、渋めのものだっていいのがあります。ヴィデオは派手な曲のほうがいいのですが、音だけの場合は、地味なもののほうに味わいのある人です。
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まずはもっとも好きなアルバム、This One's for Basieから一曲。
サンプル Buddy Rich "Jump for Me"
ベースのタイムがいいからだと思いますが、これはバディー・リッチのアルバムのなかでも、もっとも気持のよい盤です。リッチはほとんど見せ場がありませんが、彼のタイムがよくわかりますし、エンディングにかけてのアクセントには、やはり「らしさ」が出ています。いや、ハイハットを聴いているだけで気持がいいのですが。
もう一枚は、ハリー・スウィーツ・エディソンとの共演盤、Rich and Sweetsからです。
サンプル Buddy Rich and Harry 'Sweets' Edison "Barney's Bugle"
メンバーを確認しないまま、久しぶりに聴いて、ギターがいいねえ、と思ってクレジットを見たら、バーニー・ケッセル。タイトルの「バーニー」は彼のことです。
バディー・リッチはスウィングの時代のプレイヤーなので、後年にいたっても、しばしばビッグ・バンドを組みました。しかし、ビッグバンドにフェンダー・ベースは好きではないので、その時代よりも、わたしは、50年代後半から60年代はじめのもので、コンボのものがいいと思います。
しかし、そういう条件に合う盤というのはめったになくて、いまだに、これだ、というものに当たりません。どなたか、詳しい方がいらしたらご教示をお願いします。
いや、動く姿がいっしょにあれば、ビッグバンドだって楽しめます。しかも、最晩年になってもいいプレイをしていたことに、またまた驚かされます。
Buddy Rich
すげえ、の一言。晩年、ブラシのプレイに磨きがかかって、こちらも神業の領域に入っていくのですが、時間がないので、本日はここまで。
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バディー・リッチ(MP3アルバム)
This One's for Basie
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バディー・リッチとハリー・スウィーツ・エディソン
Buddy & Sweets (Dig)
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