2025年 02月 02日
文化が危ない。 |
こちらに来て驚いたことの一つは、
当市のような当時は人口17万人の中都市でも
市立劇場が大小あって(こども劇場もある)、
市立オーケストラ、市立劇団、市立オペラが
定期的に公演していることだった。
他の自治体でも多少とも事情は似ていて、
芸術が一握りの豊かな層だけなく
多くの人、若者や子供でも楽しめるようにすべきだ、
という考え方が具体化されていることに感激した。
これは演劇や音楽だけでなく美術館や博物館、
つまり文化一般に見られた。
それなのに、今ドイツの各地そして連邦規模でも
文化予算が削られている。
顕著なのは大借金を抱えている首都ベルリンで、
文化予算の10%以上が削られることになり、
小さくても素晴らしい活動をしている劇場が
閉鎖されたり、公演が減らされたりなどの
影響が出ている。
大きな美術館やコンサートハウスでも
予算削減で打撃を被るという。
ベルリンは多種多様な文化芸術や
博物館美術館のおかげで
世界からたくさんの人が訪れ、
そのおかげで生き延びている市なのに。
同じような傾向は多くの自治体で見られているらしい。
その原因は国家予算の厳しさ。
国家予算が厳しいことの主な原因の一つは、
ウクライナへの軍備その他の援助
国の軍事費の大幅な増加だ。
ベルリンの子供のためのある文化活動施設は
たった一年間5万ユーロの予算が得られないために
閉鎖されるという。
ここでは子供たちが、自分も参加する劇を通して
社会のあり方について考えるようになり、
自分の頭で発見し、行動を見直していく、、
など斬新な活動がされている。
それなのに、
ミサイル一機の値段の100分の1の
お金がないために閉鎖されるなんて。
ミサイルは墜落すればそれでおしまいでしょ、
墜落しなくても、人殺しに使われる道具でしょ。
もったいないったら、ありゃしない。
国は金が足りない、金が足りない、
経済の活性化にすら出す金が足りない、
と言いながら、
軍事予算は大幅に増える見込みで
しかも緑の党までがそれを支持している。
芸術は食物やエネルギーなどと違って
直接生き延びるのに必要はないように見えるから
ついないがしろにされるけれど、
社会を健康で幸せに生きていくためには
欠かせないビタミン剤だ。
だから私は言いたい。
Make theater(music, arts), not warと。
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by Solar18
| 2025-02-02 21:27
| 政治
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