コピーライターの糸井重里氏が制作し、根強い人気のあるRPG「マザー」シリーズのアメリカ版タイトル「EarthBound」のファンコミュニティサイトのドキュメンタリー映画です。
デジタルレンタル版は7ドル(現在の為替で1000円くらい)で、ペイパル、グーグルペイが利用可能なので、海外サイトですが機械翻訳を利用しながら簡単に視聴できます。
日本語字幕付きで、制作に10年を費やした大作。作者の糸井重里氏もインタビューに応じており、かなりマジな作りをしています。熱いファンコミュニティの隆盛と衰退、任天堂との紆余曲折、お互いの見解の違い、当時の空気感など、最後は結構泣けました。
マザー2から米国に移植されたこと、1と3は要望があったのに移植されなかったこと、当時の任天堂アメリカの社長がファンに対して結構酷い発言していたことは知ってましたが、そもそも北米版マザー2のEarthBoundが不人気であったことは知りませんでした。
また、当のファンサイトが現地ではかなり評判の悪いカルト集団だったこともあり、1と3がキャンセルされてしまったことも、ちょっと原因あるのではないかと邪推してしまいます。ドキュメンタリー映画ではかなりオブラートに包まれていましたけど、著作権的にはアウトなことをやってました。ファンが求めるからって理由で正当化してましたが、そりゃ駄目でしょ。お話としては面白かったです。
最後に糸井重里さんが「僕は終わったプロジェクトはすぐに忘れて次に取り掛かる」 みたいなことを言って、インタビューに来たファンサイトの元管理人が固まってしまうシーンがあります。
残酷なシーンなんだけど、めちゃくちゃ面白い。
糸井さんの言葉に反して、最近、めちゃくちゃマザー関連グッズが出てますが、自分の熱の無さがここに集約されているように感じるんだよな。
たぶん、ほぼ日刊イトイ新聞の中のマザー好きな人が、めちゃくちゃ熱を入れて企画してるんだと思うんですが、糸井重里本人の熱度はそれくらいなんだと思う。この一瞬のシーンに駆け巡る自分自身の想いは色々複雑なものでした。
と言っても、いつかリメイクなどされれば、めちゃくちゃ嬉しいと思いますが。
ファンメイドと侮るなかれ、一番良いマザー関連のアイテムかもしれません。
参照ーEarthBound, USA - EarthBound USA