今日、2020年5月30日。私は愛媛県でグループワークをする予定でした。なんと日本助産師学会という大舞台です。
COVID-19流行で、学会自体がWEB開催に変更になりました。私はこうしてブログやtwitterでネット世界にいますが動画関連は苦手です。
短期間でグループワークをオンラインで行うように設定するのは不可能と判断し、グループワークは中止とさせていただきました。
お会いできるのを楽しみにしていた,全国の助産師の皆さんにお詫び申し上げます。
私がそのなくなったグループワークから何を伝えたかったか。。。をとりとめなく書いておきます。
🍒 私が愛媛県で母乳育児支援を始めたこと🍒 赤ちゃんを育てている人たちの感じている孤独🍒 孤独なお母さんたちが, ネットでどのような情報に囲まれているかを 実際に検索して体験してもらう🍒 その結果を得たために,余計に困っている お母さんたちにどう接することで 自信を持った育児生活ができるかのきっかけを考える🍒 以上を実現するために、あらためて ヘルスリテラシーについておさらいする🍒 なによりも色々な施設で働く色々な経験を 触れて助産師自身も仲間がいることを感じてもらう
そういうグループワークを目指していました。これは昨年、仙台でIBCLCだけを対象としたセミナーで最初に行い、その後、岡山でもIBCLC対象で行ったものです。
2回のグループワークを実際にやってみてもっと伝えるために色々と浮かんだアイディアをIBCLCという母乳育児支援に特化した助産師さんのみならず、周産期や女性の一生に関わる助産師さんと共有しよう!と目論んでおりました。
助産師学会のテーマに「愛顔あふれる」という言葉がありました。
乳腺炎について検索して400近いサイトを実際に読んだ私ですがお母さんを困らせる情報を書いているのが実際は助産師さんの「愛溢れる」サイトである事は決して珍しくなかったです。
お母さんの気持ちに共感する時に、助産師さんが、科学的根拠のある事実をもっているかどうか。お母さんを安心させるために、誤っていることを押しつけていないか。
ましてや幸せにするために!という名目で,厳しい言葉を使って脅していないか。何か、有効でないものを販売するサイトに誘導していないか。
つまり、、、笑顔でいて欲しいのは、まず母親と赤ちゃんです。辛いことに、助産師さん「が」笑顔でいるために、お母さんと赤ちゃんのお困りごとを利用していないか?そういう少しばかり厳しい視点も、和気あいあいとしたグループワークから引き出してもらえればいいなあ、ということを狙っていました。
これは一方通行の講義では,きつく伝わりすぎるかもしれないと私は感じています。なので助産師学会からはこの学会でのWEB講演のご提案もあったのですが、また、愛媛の助産師さんのお勉強会などでグループワークの機会をくださいね、ということでお断りさせていただいたのです。
ヘルスリテラシーの簡単な解説です。↑これは多くの人が実感していると思います。↑そもそも「どうしたらいい?」と困っている時は、適切な情報を見逃しやすい心の状態になっています。↑こんな感じではないでしょうか。↑朽木さんのがわかりやすかったのでまず、正しさの物差しを持つ方法を説明するつもりでした。↓分かりやすいので読んでみてくださいね。そして、私達が支援の根拠とする情報がどの位信頼出来るものか、というのは普段から気をつけておく必要があるのはお気づきの通りです。↓↑エビデンスは「あるかないか」ではなくて「強いか弱いか」という見方が適切な使い方をするのには欠かせないのです。
動物実験のデータや自分の体験は強いエビデンスとはなりえないものなのです。
そこをわかりやすい言葉で弱っている気持ちの人にどう伝えるか、ここが専門家としての力の見せ所になるわけです。
科学的根拠のある事実は冷たい。自分の体験談はあったかい。。。と思いこんでいると、誤った情報で支援をしてしまう事があるのを私達医療・保健の世界で働くものは心にしっかり留めておく必要があるわけです。
今日正しいと思われたことが、新しい事実の発見で、誤っていることも珍しくないです。
毎日学び続けるのは、時に心が痛くなります。「あの時、私はどうしてあのような支援しかできなかったのだろうか」。。。自分が笑顔でいるためには、そんな新しい情報なんかは不要なんです。
でも、それが原因で泣くお母さんがずっと耐えなくなるのです。
乳腺炎でケーキはダメ!と指導している助産師さんはまだかなり多いです。
私は「ケーキがダメ」と指示する情報で信頼に足る情報にはまだ出あっていません。なので私は、乳腺炎とケーキは結びつけません。
でも、ケーキを食べただけで自分を責めるお母さんはかなり多いです。それは、まともな世界なのでしょうか。
お会いできなかったみなさまにも、ヘルスリテラシーに関心を持っていただけたら、と思いつらつらと書かせていただきました。
どこかでまたお会いしましょう。
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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務
(産婦人科医・外来のみ、H27年5月より)
次の四国での母乳育児支援学習会は今のところ未定です。
継続しておこなって行く予定です。
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