この記事は母乳育児支援については書いていません。
さらに長文です。安堂ロイドファンとIQ246ファンと、未来をどう築くか、どう育てるかに関心がある人宛に書いています。
日曜日21時のドラマが10話完結しました。
人の心はどんなときに動くものなのでしょうか。冠婚葬祭に涙はつきものです。涙を引き出すような場面では恐らく心も動いているはずです。IQ246は前半は、ボタンの掛け間違いから、ズレてしまった心が辿り着く悲劇を書いていました。主人公はIQ246を長子が代々引き継ぎ、あまりの頭の回転の良さから、危険人物として警察に近づかないよう幾重にもブロックされているという法門寺沙羅駆(ほうもんじ しゃらく)という人で、その周りで完全犯罪が立て続けに起きると言う形ではじまったドラマでした。
沙羅駆さんが何かをしでかさないようにと言いつつ、実は警察の邪魔をしないように護衛係をつけることに決まっていて、選ばれたのは色々ダメダメなところもある本当にごくありきたりな和藤奏子(わとう そうこ)さん。沙羅駆さんの執事は名字なしの賢正さん(父も執事で賢丈さん・息子はけんせい、父はけんじょう)。。。シャーロック・ホームズとワトソンを掛けた名前ですね。私はホームズは子ども向けに書き直したのを数冊読んだだけなので、ホームズが元ネタの事件の有無は実は気付かないままです。マリアTという完全犯罪を次々と企む存在の名前はシャーロック・ホームズではモリアーティに由来しているそうです。
私の目にこのドラマは、頭脳の回転はものすごく早く優秀だけど人の心を理解出来ない沙羅駆さんと、人の心の動きを瞬時に理解するマリアTの対立という形でいつの間にか映ってきていました。人の心が分からないにしても、人を殺すことや裁くことを厭い、人が抱える心が痛んだことから理解し合えなくなって辿り着いてしまう悲劇が起きてしまったことを悲しく思う事の出来る沙羅駆さんが異常だと言えますか?逆に人の心が手に取るようにわかるから、それを殺人事件に繋げるマリアTがまともだと言えますか?という問いもまた後半では繰り返し出てくるドラマでした。
もっとも私の脳神経はこの二人の行動を分析しつつ、目と心とが喜んでみていたのは別の物でした。奏子さんが走り食べる無邪気とも素直とも言える姿だったし、賢正さんの安堂ロイドのロイド並にやたらと強い格闘技シーンと普段はひたすら職務に全てを賭けている誠実さは、見ていて癒やされるシーンでした(*^o^*)。
ラスト2話には法門寺家を護衛として代々使い捨ててきた、御前会議の御前様として井上真樹夫さんが出て来て、物語も安堂ロイドのラストで描いていた世界観、未来観が浮上してきます。↑のまとめにも少しのせていますが「 #IQ246 」と言う言葉でtwitterのなかで検索をかけると12月18日の放送時には、ものすごく熱いファンの言葉を見る事が出来ます。
人間は愚かだ、何度でも失敗する。だが、成長する。
とか
この世界に未来はあるのか?
小さな一歩でも前に進む一歩であればそれでいい。。。。
とかという沙羅駆さんの言葉はまた、ハーロックが若者たちに語りかけた言葉が育って辿り着いた世界とも言えはしないでしょうか。
SFとして、若い頃に慣れ親しんだシーンがてんこ盛りだから安堂ロイドが好きだと思っていましたが、完全犯罪の謎解きのミステリーのこのドラマもまた「どんな未来を生み出していくか?」という命題を直視する姿があって、そこに心と掴まれました。人生は長くはないです。今を楽しむことはとても大切です。同時にどんな未来を育てるかを全ての人が持ち続けることも、楽しむ時間を長く続けるために、働きかけることも大切だと伝えられる存在に心惹かれるのかもしれません。宇宙海賊キャプテン・ハーロックがそうであったように。
日常の仕事で色々悩んでいるんだから、ドラマ位はダラッとして現実を忘れたいという気持ちも恐らくあると思います。一方で色々悩んでいるからこそ、光のある方向と闇を見極める視点を忘れたくないと思うこともまた人の求めるものなのかもしれない、と思うラストとなりました。
真樹夫さんの御前様は、法門寺に生まれ育つ使い捨ての護衛係など、役に立たないなら殺してしまえ!と命令を出しながら、結局、射殺命令の取り消しが通ったときにほっとした顔を見せます。御前様もまた法門寺家同様に掟に縛られて自分で決める事の多くを制限された中で生きてきたのかもしれません。
役に立つ物だけに生きる権利があるのか?
では、役に立たない者を役に立つ者が排除しようとするのは正しい事なのか?
役に立つ者だけを残すことで未来が明るくなるのか?
ラプラスの「未来は既に決定している」という言葉に自暴自棄になるとしたら、
予定されている未来よりも残念な未来に近づきはしないか?
とあれこれ、IQ246は宿題として、考え続けるテーマを置いていきました。
考える事もまたエンタメだと言わんばかりの植田プロデューサーの作る世界にはこれからも期待します。来月からは、命を守るために精進する外科医のお話しが同じ日曜ドラマの枠で放映されます。安堂ロイドのロイドと黎士とを演じた木村拓哉くんが主人公で、企画は植田プロデューサーです。きっとまた、多くの印象的なシーンと共に考えるテーマも提示してくるのだろうと思います。考えるだけでなくて、その周りに魅力的なものをしっかりと配置する(例えばきっちり録音しておくというような表だっては見えにくい部分も含めて)制作スタイルから伝わるものも少なくないです。
長々とお付き合いいただき、ありがとうございました(^o^)/
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about me: 坂出市立病院 産婦人科勤務 (外来のみ、H27年5月より)
2015年、四国でIBCLCに認定されるための継続教育単位の出る学習会の第1回目は宇多津で無事に終了しました。
興味のある方で参加出来なかった皆さまのために、2回目も設定できるよう準備していきたいと思います。