卒業する日 : やわらかな風の吹く場所に:母乳育児を応援

卒業する日

楽しくてちょっと大変なオッパイライフもいつか終わりの日が来ます。

とにかく赤ちゃんを抱っこしない、とにかく早くに離乳食終了することが立派で人の役に立つ自立した子供に育つのだと信じられていた時代は、生まれたときから離乳食がスタートして産後3ヶ月で離乳完了!なんてルールを作った人もいるとか。

うちの子がどんどん成長するのを目の当たりにするのは嬉しいことです。そこで陥りやすい落とし穴が、「本当に成長した姿」と「こうであって欲しい姿」とが混乱してしまうこと。
この時期は、赤ちゃんの見ている世界がどんどん広がり始めて自分とママとの区別がつき、ママと知らない人の区別がつき、人見知りを始める時期でも有ります。心はそうやって人見知りを始めて、身体は食事もオッパイだけで足りないものが出始めて離乳食(乳児を扱う論文では「補完食」と言う言葉を使っていました。)がスタートして、赤ちゃんの慣れた生活が何かと変化していく時期になるんですね。
ねえ、育児って大変な所が有りますねえ。

大人でも新しい変化にワクワク心踊る時と、動く環境に不安になりジッとしていたいときとが有るように、赤ちゃんもこの時期に今まで経験しなかった物を沢山経験することになります。



フォローアップミルク、が、赤ちゃんが3歳になるまでの母乳代用品として開発されたのですが、それは赤ちゃんのからだが3歳くらいでようやく消化機能が大人並になり牛乳でのトラブルが少なくなるというデータに基づいているとのことです。と言う事は、赤ちゃんにとっての完全食品はその頃まではオッパイと言う事となるようです。それで足りないカロリーやたんぱく質、ビタミンなどを離乳食(=補完食)で補っていくのが赤ちゃんの身体の仕組みには合っているのかもしれません。(ママの生活にはそれではなかなか合わないところが難しいところですが)

内田百間(うちだひゃっけん【けんの字は門構えに月】)と言う夏目漱石の弟子は、少年時代という自伝で、小学校一年になっても学校で泣いてばかりいて家に戻ると「水っぽい母の乳に吸い付いていた」と言う事を書いていました。とても優しい人で大人になってからも飼っていた猫がいなくなると食事もとらず風呂にも入らず何日も泣き続ける様な人でしたが、映画「まぁだだよ」で、ご覧になった方もいるかもしれませんが多くの生徒さんやお弟子さんに愛され尊敬された先生でした。人と付き合うことに対し人一倍強い感受性を持っていたのかもしれません。その子その子が、それぞれに、人と付き合っていけるほどに自立するのは、今は、急いで見た目だけ自立させてしまった子供よりも、甘えるのが当たり前な時代に心置きなく甘えさせてあげる子供の方だといわれ始めています。

1歳くらいになってほとんど大人と同じように食べ始めたころにも、お風邪を引いたりして食欲が無いときにオッパイを飲めたら、それで完全食品があかちゃんのおなかにはいります。オッパイやフォローアップミルクなどの乳製品は少量でもカロリーとたんぱく質が安全に取れるので食の細い時期には牛乳も飲めない為に大切な栄養源にもなります。勿論ご機嫌で、どんどん食べることが出来るときも有るでしょう。そんなときも、怖いことや不安だらけの世界に住んでいる赤ちゃんが、ママにひっつき、ママの匂いを嗅いで、ママの暖かさに包まれることでどれほど心落ちつくことでしょう。

本当に、難しい時期だと思います。でもここでしっかり触れ合っておいていつか来る親離れ・子離れの時期に、思い残すことないほどに、お互いの気持ちが満たされておくのも後で思い起こせば素敵な思い出になるのではないでしょうか。



WHOやアメリカ小児科学会では、最近2歳またはそれ以上まで授乳することで、中耳炎や肺炎、成人してからの生活習慣病を始め多くの疾患に子供がかかりにくくなると勧告しています。ただ、古い指導をする保健師さんはいまでも1歳になったらオッパイを卒乳しなさい!(言葉が断乳から卒乳になっただけともいえるのですが、、)と、自信満々におっしゃる方がいらっしゃいます。その方達なりの赤ちゃんへの愛情なのですが、この両極端な情報がまたママ達のストレスのもとになっているかもしれません。ここにも難しさが潜んでいます。
赤ちゃんという身体のという「自然」や赤ちゃんの心を良く観察しながら、離乳食を進めて行きながらママ達が答えを見つけていかないといけないのが難しい所でしょうね。

そして、このオッパイが無くてもやっていける位になってようやく他の動物が生まれ落ちるくらいの能力になるのですから人の子供は本当に手がかかりますね。どうしてそんなに手がかかるのでしょうね。
Commented by ぷー at 2005-10-18 22:21
まさに~~
一週間後に一歳の誕生日を迎えるミニぷーです。
またまたいいお話ありがとうございます♪
まだまだ自信満々でおっぱいライフを二人で楽しんでいこうと思います♪

最近ミニぷーはおっぱいを飲んだ後
「ごちそうさま」の合図をするんですの♪
いただきますと一緒で手を合わせるやつです!!!!!
飲み終わるとじ~っと見つめて、
時々触って
ニヤ~っと笑ったり
たまにペチペチたたいて大爆笑。
・・・・・・こんな楽しそうな時間、いますぐ奪うなんて
できない~~~~っっっ

連絡遅くなりましたが
リンクはらせていただきました~☆
「子育て」で検索して偶然うちに来た迷える人が
ここへたどり着くといいなぁ。。。。。
Commented by Dr-bewithyou at 2005-10-21 18:40
ぷーちゃん>
うわぁ、可愛いでしょ!
ミニぷーちゃんの「ごちそうさま」の合図!
0歳児も侮れないです。
それは保育園に入らないと出来ないワザだと今まで考えていました。
お父ちゃんとお母ちゃんが何をしてるか、
じっと見つめて、真似出来ることはどんどん真似て、
真似されたくないこともどんどん真似て(≧▽≦)、
そうして人間としての存在感を育てていっているのでしょうか。


リンク、ありがとうございます。m(_ _)m
ほんわか出来るブログを目指していきたいです。(^0^)/
Commented by たかこ at 2019-03-08 11:50
初めまして。授乳中のママです。卒乳のことで色々調べていて、このブログに行き当たりました。
小学校一年になっても学校で泣いてばかりいて家に戻ると「水っぽい母の乳に吸い付いていた」という、内田百閒の自伝を読んでみたいのですが、本の名前を教えていただけないでしょうか?少年時代で検索しても出てこないのです。
by Dr-bewithyou | 2005-10-17 21:36 | 応援メッセージ:ママ達へ | Comments(3)

赤ちゃんとのつきあい方の情報メモ。母乳育児支援(おっぱいライフ応援)をしている産婦人科医・IBCLC 戸田千のブログです♪ 下方の「ブログの説明」に利用上の注意もありますので必ずご覧になってください。


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