地震のストレスは母乳を止めるの?
2011年 03月 13日
NHKニュースで「ストレスで母乳が止まった」という
ニュースがあったとのこと。。。
公共放送が何という不安を煽る事を電波に乗せたことか。
(私は、テレビは悲惨な光景しか届いてこないので、
情報はネットニュースとTwitterから集めているのです)
昨日から、Twitterで私は
地震の避難生活で母乳の量が減った様で不安でも、度々飲ませればすぐにいつもの量になってきます。抱きしめてあげる事で赤ちゃんだけでなくてお母様にもリラックス効果があります。母乳育児支援情報→ http://bit.ly/grSEag
という情報提供していますが、
たくさんの人が、リツイート(転送)してくれています。
それでもまだまだ、
情報が届いているのはわずかな場所かもしれません。
赤ちゃんが離乳食も食べないときに、
「母乳が出ていないかもしれない」と、
感じるのはどれだけ不安なことでしょう。
普段清潔な家に住んで、電気がある場所にいても生まれる不安を、
避難所で持ってしまう不安はどのくらいな物かと、
胸がつぶれそうに思います。
実際に、あまりのストレスと緊張とで、
母乳を出すオキシトシンの分泌がしばらく減る可能性は
ゼロではないと思います。
しかも赤ちゃんも、ただ事でないまわりの雰囲気や、
ママの緊張や、慣れない避難所の音や匂いで興奮気味だと、
丁寧に、ゴックンゴックンとおっぱいを飲み下すのが面倒くさく
なっている可能性もあります。
地震の揺れや、避難所の慣れない環境に不安になっていると、
我が子のことも必要以上に守らないといけないと、
必死になってしまうかと思います。
そうすると、実際以上に足りなさに不安を感じることでしょう。
だから普段は母乳をあげているママ、、、特に母乳しかあげていないママが
ミルクを買いに行く、またはもらいに行かないといけないか。
ということでJALCなどから得られる情報が役に立ってきます。
混合栄養であっても母乳をあげている全てのお母様に役立つ情報です。
地震後にアップしたうちのブログにそのあたりは詳しいです。
携帯でもわかりやすい情報
PDF書類も含んだママとスタッフへの情報/
答えとして、
母乳をあげているお母様は、
安全なミルクを作るよりも、母乳をとにかくあげる事が大切
ということになります。
安全なミルクを作るには、
粉ミルクそのものがあるかどうかだけでなくて、安全な水、
そして髄膜炎を起こすサカザキ菌を
殺菌できる80℃以上のお湯を作れる設備、
ほ乳瓶を消毒する道具や薬品があって可能なのです。
ほ乳瓶に関しては紙コップで代用できることが、
http://www.jalc-net.jp/hisai_forbaby.pdf
に、書かれています。
H23.3.20追記↓
紙コップやスプーンを使った授乳の画像や動画も
↑の昨日書いたブログにまとめました。(追記部分、ここまで)
それでも被災地で安全なミルクを作ることがどれほど
大変か、お気づきかもしれません。
赤ちゃんを抱っこするだけで、オキシトシンは上昇しやすいです。
オキシトシンが増えてくるとママの不安も軽くしてくれます。
赤ちゃんもまた一生懸命吸うことで、
オキシトシンが体内で増えてリラックスできます。
だから、母乳がいつも通りに戻るまで授乳回数が増えても
心配しないでください。
むしろ支援する人達は、リラックスして授乳出来る環境を
いかに整えるかに注目する値打ちがあるのです。
授乳室に毛布や着ていない服や鞄などで、
ゆっくりもたれて授乳出来る環境があれば、
かなり安心して授乳出来るかと思いますし、
それは、施設としても安全なミルクを作るよりもよほど、
簡単に実行できるのではないでしょうか。
授乳しているお母様は、赤ちゃんが泣いて迷惑をかけないか、
既に気を遣っているかもしれません。
また、おっぱいみたいなプライベートなことを、
お願いするのが恥ずかしく思われる人もいるかもしれません。
是非、まわりにいる人が、授乳しやすいような環境を
作ってあげる事にはとても値打ちがあります。
またそこにミルクを作る80℃のお湯と紙コップを準備して
静かにゆっくり試みれば赤ちゃんも気が散らずに
コップからミルクを飲むことに集中できることでしょう。
ここからは今までにうちのブログに書いてきた、
足りないと思って不安なときに役立つ記事をピックアップしてみます。
沢山あるので、興味を持った情報をご使用くださいね。
母乳が出なくなったようで心配なとき/
↑母乳が出ているかどうかの見分け方です。
↑今朝書いた、乳腺炎対応のまとめです。
満腹は満足と違うみたい
↑泣くから足りないと思いがちですが、これは、
私の友人が赤ちゃんのお祖母ちゃんとしてお守りをしたときの
感想について書いています。
足りないかな、と不安なとき/
↑足りているかどうかの観察ポイントを書いてみました。
サカザキ菌?
↑サカザキ菌なんて聞いたことないわ?というときの説明です。
ミルクが怖いのではなくて、安全な調乳法が大切なのだ、
と思ってくださいね。
生んでなくても出た母乳/
↑これは息抜きに。
迷子の赤ちゃんにゃんこを育てている、
お産したことのないわんこの話しです。
全ての子供を母乳で育てた場合、
全世界で年間100万人の子供の命が救える
↑ホワイトバンドの活動の時に書いた物です。
1日1日生き抜くのに一杯一杯の時に、世界を見つめる余裕は
無いかもしれませんが、慌ててミルクに切り替える必要は
全くない、という事の一つの参考になる情報です。

↑GLAYのTERUちゃんが描いた絵です。
Twitterのアイコンに自由に使って良いそうです。
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<font color="
about me:
香川県高松市の産科クリニックに勤務していますm(_ _)m
ハグブログに共感する思いでお産を見守る助産師さんとの出会いも
あったらステキだなあ、と思っております。
目標は「母乳育児支援を学ぶ会in四国第2回」。
まだまだ、道のりは遠いですが一緒に実現してくれる
仲間を募集しています
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ここで、NHKでの「ストレスにより母乳が止まった」に関連するつぶやきを見ました。感動話に使われていることがショックです。
そうですよね。
NHKの使命は、ストレスで母乳が止まってかわいそうに、、
という自分の感想を伝える事ではなくて、
このようなときの対応法を伝えることでしょうね。
母乳に関する情報があまりに少ないので、
みんなで「母乳で大丈夫だよ」というメッセージを
届けていきましょうね。
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授乳中のママさん&赤ちゃん専用の避難所があれば気兼ねなく授乳出来るのにと思います(現実問題難しいと思うけど…)