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ROG Phone 8 Pro レビュー。ゲーミングスマホ1台持ちで済む時代到来!

 ASUS JAPANより、最新のゲーミングスマートフォンROG Phone 8 Proをお借りしたのでレビューします。

3.5mmイヤホンジャックあり

側面にもUSB Type-C端子を備える

 上位モデル(Pro)と下位モデル(無印)の違いは背面。上位モデルはAniMe Visionを搭載。従来モデルでも似たような背面表示はありましたが、「いかにも画面が埋まってる感」を醸し出しがちであったのに対し、本機は周囲に溶け込み、消灯時は背面と一体化してくれるのが素晴らしいです。時刻や着信などが表示できるほか、カメラシャッターを切るまでの残り時間を背面に表示することで、友人との写真撮影も捗りそうです。

 ディスプレイの輝度は高く、屋外での使用も問題ありませんでした。

 ディスプレイは基本的に120Hz駆動までで、ゲームに応じて調節するような設計なので、最大リフレッシュレートの恩恵を受けられる場面が少ない……というのはZenfoneと同じです。このへんの制御が雑だったりよくわからないメーカー、嫌になりますよね。ROG Phone 8は筆者が試せた時点では「常時」165Hzという制御項目からブラウザなどのスクロールでもヌルサク動作で快適でした。

 SoCはSnapdragon 8 Gen 3を搭載。各種ベンチマークを計測したところ、ベンチマーク性能はREDMAGIC 9 Proと同程度。本体に冷却ファンを内蔵するREDMAGIC 9 Proと比べると、重たい連続ベンチマークテストにおける持続性(Stability)のみ劣っています。

  • AnTuTu 10.2.5:216万2063点
  • Geekbench 6 CPU Single:2229
  • Geekbench 6 CPU Multi:6872
  • Geekbench 6 GPU:14437
  • 3DMark Wild Life Extreme Stress Test:Best loop 5233, Lowest loop3797, Stability 72.6%
  • 3DMark Solar Bay Unlimited: 8729
  • 3DMark Solar Bay Stress Test: Best loop 8692, Lowest loop 6642, Stability 76.4%
  • Work 3.0 performance: 21982

 非ゲーミングスマホ、特に国内機はサーマルスロットリング、発熱でさっさと性能を諦めて処理性能を抑制する傾向が特に強いですが、ASUS機は基本的にギリギリまでぶん回すので、ヘヴィーに使う場合は発熱が気になるので、外部装着の冷却ファンをつけることを推奨します。その拡張性こそがROG Phoneの美点です。

 電池は5500mAh。電池持続時間はスマホとしての通常利用のみではかなり良好。ただ本機はゲーミングスマホなので、プレイするゲームや通信状況、画質設定、パフォーマンス設定次第で大きく変わるところですが、miHoYoの「原神」は、ROG Phoneのゲーム設定でX-mode(最大パフォーマンス設定)にて、ゲーム内設定はインストール直後の標準の画質中設定では、減少幅は2時間で2割ほど、高画質設定では2時間で4割ほどでした。

 充電は67W有線急速充電に対応。付属急速充電器による公称39分での満充電対応を謳います。実際19分程度の充電で50%ほど充電できました。ちなみにQi無線充電にも対応しています。

 原神は最大画質設定でも60fpsで動作はサクサク。原神で役に立つのがトリガーです。ハプティクスによって感触疑似再現であり物理ボタンではありませんが、筆者は普段REDMAGIC 9 Proを使っているので特に違和感なし。

 PC版をコントローラーで遊ぶ場合、標準では、トリガーボタン左 「LT(L2)」が狙い撃ちモード、右「RB(R1)」がダッシュが割り当てられています。筆者はこれにあわせて、ROG Phone 8では狙い撃ちを左トリガー、ダッシュを右トリガーに割り当てています。GPD WIN Miniを使っている時のように快適にプレイできます。ちなみに弓を使うキャラクターの場合、スティックでのAimでは難儀します。これは「家庭用ゲーム機で育ったか、PCゲームで育ったか」の違いなので、スティックの方が良い人もいるとは思いますが、個人的にはマウスが最も優位で、次点がスマホでのタッチパネルです。GPD WIN Miniよりも快適に感じました。

 ゲーム中の通知拒否・着信拒否が可能。さらに「特定のアプリからの通知は許可」「特定の人からの着信は許可」といった例外指定も可能なので、実用的な仕様です。

 原神が地味にウザいのはローディング処理です。少し目を離してゲームを再開しようとすると、十秒ほどロード処理が入ります。ちょっとストレスです。

 そういう場合に役立つのがゲームのバックグラウンドモード。放置ゲー用だと思いますが、どのゲームにも使えます。原神を実行したまま、ホーム画面や他のアプリを開くことが可能です。

 ちょっと目を離したり他ごとをしたりしていても、原神が終了せずに再開できるのはけっこう嬉しいです。非PvP且つ通信を必要な本作ならではの小技かもしれません。終了せずに放置しすぎると電池消費と発熱がヤバいので、カスタム設定で終了時間を設定しておくとより良いと思います。

 けっこうこういう便利機能がいくつもあるので試してみて下さい。楽しいです。

 ゲームを利用中に攻略情報の表示などが容易となっていますが、新機能AI Grabberも一役買います。ゲーム中に画面に表示された文字列を認識して書き起こし、それを検索候補の単語としてサジェスト。すぐに攻略情報の検索に繋げられます。しかもこの時、ゲーム名も単語として候補に挙げてくれるので、検索が捗ります。

 スマホは縦画面前提であるのに対して、ゲームは横画面が多いため、横画面時は操作性が悪く、文字入力や調べ物は若干しんどいのですよね……。なので文字入力から検索まで簡略化してくれるAI Grabberは案外使える機能かなと思います。

 ただ気になったのが、ゲーム攻略系は企業運営の俗悪サイトが多く、特殊な比率と解像度の小窓表示で閲覧すると描画がおかしくなったり大きな広告で操作が極めて困難だったりするので、悪質サイトはこの機能で活用しないことが寛容です。様々な環境に対応できないほど劣悪なWebサイトを運営しているしょうもない会社は、ぜひROG Phone 8を使ってみて下さい。自社の攻略サイトを本機に対応したくなるはずです。

 さて、音響面。対抗馬であるREDMAGIC 9 Proと比べると、音量は負けますが、音場は互角に近く、音の解像感や明瞭さではROG Phone 8が勝ります。ゲーミングスマホ市場で生き残った競合の最新機種に、スピーカー音質で下している事実は重要です。フォームファクタを変更したことによる制約がありながらも、健闘していると思います。

 ちなみに、筆者の使っているiPhone 15 Pro Maxの方が音量も音質も上です。たとえばYOASOBIのアイドルを聴くと際立つ女性ボーカル、綺麗でくっりきした圧のある音の粒など、iPhone 15 Pro Maxの優れた点が確認できます。前作までの歴代ROG PhoneはiPhoneにも劣らない、全スマホの中でもトップクラスの極めて高水準の音響であっただけに、スピーカーの利用機会の多い既存ユーザーは注意が必要です。

 カメラはメインカメラがジンバル手ぶれ補正など、Zenfoneと共通。ちなみにカメラ性能のフィーリングはZenfone 10に近いぐらいかなぁという感じでした。

 夜景はゲーミングスマホとしては十分撮れるんじゃないかなと思います。

 ASUSが以前から搭載しているライトトレイルなどの機能に対応。人や電車の動きなどを反映して変わった写真を撮ることができます。

 一番大きいのが、やはり望遠カメラがついたので便利に使えるようになったことだと思います。これ何倍ぐらいだと思いますか?答えはCMの後。

 正解は16倍でした。結構頑張ってますかね。

 望遠は楽しいですし、望遠鏡的にも使えて便利です。これがあるのと無いのとでは大違い。Zenfone 10にもREDMAGIC 9 Proにもついてませんが、ROG Phone 8なら使えます。

 ROG Phone 7パンチホールやスピーカーは退化しているので、微妙だと思っていました。実際、UDC搭載のREDMAGIC 9 Proの方が画面を有効活用できて素晴らしいと思います。インカメラを黒帯で隠す設定や、反対側も黒帯で隠して左右のバランスを取るという機能はさすが発想が良いなとは思います。ただ、せっかくベゼルレス化したのに、ゲーム中心に本機を見れば黒帯で画面を狭めるなんて本末転倒なので、次回作ではUDCを搭載すべきだと思います。

 一方で、REDMAGIC 9 Proはファンを内蔵したせいで防水防塵は非対応、そしておサイフケータイにも非対応。これ1台では厳しいという人も多いハズ。

 ROG Phone 8の方が、スピーカーは音質面では上回っていますし、日常的に使えるおサイフケータイ、防水、望遠カメラも対応ということで、「ゲーミングスマホ欲しいけどスマホ2台持ちしたくない、1台にまとめたい」というユーザーには良いのかなと思います。

 本日より予約受付開始、発売日は5月17日。

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