Sid Lee は、ヨーロッパや北米に拠点を持つグローバルなクリエイティブエージェンシーです。同社は The North Face や Dos Equis などの顧客に対して、ブランドデザイン、デジタルソリューション、建築サービスなどを 25 年以上にわたり提供してきました。Sid Lee のクリエイティブの土台にあるのは、イノベーション、戦略的なヒューマンインサイト、デザイン、ストーリー性、そしてデータです。そんな同社はこれまで、あらゆる変化をうまく受け入れ、適応してきました。
もちろん新たなテクノロジーやプロセスに対しても積極的です。その証拠に、ニューヨークオフィスのクリエイティブコミュニティはチャンネルベースの安全なメッセージシステムである Slack を 2015 年から使っています。Sid Lee の Chief Information Officer である Marc Lalande 氏によると、同社では Slack を採用するにあたって事前に調査を行い、その効果を慎重に分析したそうです。「その結果、Slack が当社の企業文化にぴったり合うことは明らかでした」。
2016 年には Sid Lee の組織全体だけでなく、クリエイティブコミュニティ、経営幹部、そして顧客も Slack を使い始めました。その展開にかかった期間はわずか 3 か月です。こまめにコミュニケーションを行い、参考資料、トレーニングビデオやセッションを用意したおかげでした。
「Slack が至るところに気を配ってくれたので、従業員に必要な準備やトレーニングはすべて揃っていました」と、Lalande 氏は続けます。「そのおかげで、本格的に使い始めるや否や週に 15 万件以上の Slack メッセージがやり取りされるようになったんです。導入がどれほど順調だったか、従業員がこの新たなコラボレーション手段をいかに気に入っているかがわかるでしょう」。
世界各地に散らばる 900 のチームでは、Slack でセキュリティを確保しつつ仕事の進め方を改善し、スピードを上げ、社内だけでなく社外パートナーのエンゲージメントも強化できるようになりました。
「コミュニケーションに関して、Slack ほど効率的なツールはありません」と、Lalande 氏は話します。「Sid Lee では実際に生産性が高まりました」。
「Slack のおかげで効率が飛躍的に上がりました。社内メールはもう使っていません。これは画期的なことです」
Slack でのアプリ連携と自動化でビジネスをグローバルに拡大
Lalande 氏が Sid Lee に入社した 2012 年当時、同社のチームは常に受け身の姿勢でした。ビジネスをうまく拡大するには、IT コストを捻出して業務効率を高めなければなりません。さらに Lalande 氏が思い描くプロセスとコンテンツを実現するには、チームの人数を倍増させる必要がありました。しかし、それよりも効果的な解決策となったのが Slack です。
「効率を最大限まで高めようと、Slack でできる限り自動化を進めました」と、Lalande 氏は話します。「その結果、メンバーの姿勢が受け身ではなく積極的に変わったのです」。
Sid Lee が定めた事業継続のためのガイドラインでは、従業員は仕事にかかる時間や労力を最適化することができます。「社内のベストプラクティスに従えば、仕事の効率を最大限に高めるために Slack を使うことになるわけです」と、Lalande 氏は続けます。
そのベストプラクティスには、社内メールを完全に廃止し、代わりに Slack のチャンネルを使うことも含まれています。チャンネルとは、メッセージ、ワークスペースの自動化機能、ツール、ファイルを共有するためのデジタルスペースです。これにより、従業員が延々と続くメールのやり取りにはまるのではなく、コミュニケーションを自ら管理できるようになりました。Lalande 氏は「どの会話に関わるかを従業員が決めるというのは、マネージャーにとっては大きなことでした」と振り返ります。
Sid Lee では、自社のツールやワークフローも Slack に直接連携させています。「何か必要になったら、まず覗いてみるのが Slack App ディレクトリです」と、Lalande 氏は説明します。そのため、たとえある顧客が Office 365 を、別の顧客が Google を使っていても、すべて Slack で対応できるといいます。
「Slack は当社のエコシステムの中心です。Slack と連携していないアプリには目が向きません」
Sid Lee では以前、IT ソフトウェアの契約更新はすべて Microsoft Excel シートで管理していました。今では、Sid Lee の事業運営チームの 1 人が Slack 用 Expiration Reminder アプリですべてを管理しています。その仕組みは次のとおりです。
- Slack の通知が
#it_glb_renewals
へと自動で送信され、IT ソフトウェア契約の更新担当者にリマインド - Sid Lee のプロジェクト管理システムで、契約の担当者が関連するタスクを作成
- それらのタスクを割り振り、締め切りを設定し、タスクへのリンクを利用
「IT 契約の更新に関する通知がすべて Slack に届くことは画期的でした」と、Lalande 氏は話します。「メールより、Slack で管理するほうがはるかに簡単です」。
Sid Lee ではプロセスの合理化をさらに進めるために、Slack 上で定型タスクをノーコードで自動化できるワークフロービルダーを活用しています。例えば、新しいプロジェクトを立ち上げる際は #internal_project_request_mtl
チャンネルで、シンプルなフォームに情報を記入します。それによって、対応する Workday のプロセスがトリガーされて起動するという仕組みです。
コロナ禍が始まってすぐの頃には、オフィスに来たい従業員に対してワークフロービルダーで作成したフォームに記入してもらうようにしました。これについて Lalande 氏は「しかるべき解決策を見つけるまでの、暫定対応としては効果的でした」と話します。
社外パートナーや顧客と Slack コネクトでコラボレーション
Sid Lee では社内のコラボレーションをうまく進める一方で、Slack コネクトを使うことで顧客や社外パートナーともメールではなくチャンネルで効果的にやり取りするようになりました。「Slack コネクトを使っていると、社外と社内を分けるという考え方が完全になくなりました」と、Lalande 氏は話します。
プロジェクトが始まると、顧客にも Slack コネクトまたはシングルチャンネルゲストアクセスでやり取りしてもらうようにします。「社外パートナーが Slack をよく知らない場合は、全員がコミュニケーションに参加してうまく連携するための使い方についてガイダンスを行います」と、Lalande 氏は続けます。
Sid Lee は、顧客に包括的なクリエイティブサービスを提供する 10 社による共同体 kyu の一員です。「どの企業にも IT 管理チームがあり、それぞれが必要なテクノロジーを使っています」と、Lalande 氏は説明します。「その一方で、Slack コネクトでお互いがつながっているのです」。
「社外パートナーとは、Slack コネクトを使って連携するほうがはるかに効率的です」
リモート文化を高めて、あらゆるレベルでエンゲージメントを促進
多くの企業と同様に、Sid Lee も現在は在宅勤務とオフィス勤務を組み合わせたハイブリッド体制で、すべてのクリエイティブコミュニティとリモートで連携しています。同社では Slack が文化の中心にあるおかげで、働く場所を問わずエンゲージメントを促進し、あらゆるつながりを強化できるようになりました。「Slack が企業文化をかつてないほど高めていることは間違いありません」と話すのは、Sid Lee の Vice President of Global Communication and Brand を務める Katia Aubin 氏です。
モントリオール、トロント、パリ、ロンドン、ロサンゼルス、ニューヨーク、シアトルにオフィスを持つ同社では、どの拠点も孤立させないことが重要です。「今のような試練の時は、チームとのコミュニケーションが肝です」と、Aubin 氏は続けます。「Slack によって、リーダーとコミュニティの間に確かなつながりが直接生まれ、結果的にエンゲージメントも高まりました。それはとても意味があり、影響力も大きいものです。これまでに、目を見張る数の Slack チャンネルや小さなコミュニティが生まれています」。
同社ではパンデミックが始まって間もない頃、情報や記事、メンタルヘルスに関する資料、士気を高めるためのヒントをチームで共有するために #sidcares
チャンネルを作成しました。ほかによく活用されているのは次のチャンネルです。
#news-gbl
: 全社規模の社内通知#news
: 市場ごとの現地の最新情報#freelee
: ミームから賃貸物件の照会に至るまで、従業員が何でも投稿できるオフィスごとのチャンネル#press-coverage
: Sid Lee のエミー賞受賞など、メディアに取り上げられた情報を共有
#finest_dogs_of_lee
や #sid-fami-lee
など、業務外のチャンネルも一気に増えました。例えば子育て中の従業員はお互いの時間節約術や遊びのヒントを教え合い、育児の傍ら在宅勤務をするエピソードを共有しています。「組織として、従業員にとっての関心事や大事なことを把握しなければなりません」と、Aubin 氏は話します。「こうしたチャンネルによって、チームは楽しみや創造性を得られるだけでなく、連帯感や安らぎを感じることができます」。
「私たちにとって、チームの創造性を育むことはきわめて重要です。Slack は、世界各地に散らばる仲間を認め、支え、思いやるうえで違いなく役立っています」
「明確なメッセージを打ち出すことも有効ですが、それが従業員に響いているのかも把握しなければなりません」と Aubin 氏は続けます。「そこで、チームメンバーの気持ちやエンゲージメントを測ることで、Slack を社内のコミュニケーションに最適化することに注力しています」。 そのため社内コミュニケーションチームでは、手軽な KPI として投稿ごとの絵文字リアクションの数を追っています。
また Sid Lee の経営幹部は Slack 用 Zoom アプリで全社会議を開催しています。全社がつながり、必要な情報や自社のニュースを行き渡らせるのが狙いです。会議が終わると、#_news_glb
チャンネルに投稿することでフォローアップもしています。
「Slack のおかげで、メンバーは経営幹部とつながることができています」と、Aubin 氏は話します。「それに在宅勤務を続けるなかで、Slack の新たな面がたくさん見えてきて、結果的にさらに Slack を活用できるようになりました」。
創造性の発揮にはつながりとコラボレーションが不可欠だと知っている Sid Lee では、Slack を活用して従業員の可能性を最大化し顧客に無二の体験を届けています。