決算が続く。今回はかなりの驚きがあったホンダと日産の不調な決算を見ていく。
ご存じ国内の車メーカー。かつてはASIMOのようなロボットも手掛け、最近ではジェット機も。しかし主力は車だ。
最近の車の話題といえば、欧米でのEVに対する減速感だろうか。CO2削減のため、電気自動車(EV)へのシフトが声高に言われていたが、HVやガソリン車に風向きが変わっている。
EVを推進してきたのは中国だが、中国の景気が悪いうえに、EVの停滞で倒産する企業が出てきそうだ。中国の不景気、バブル崩壊はかなり深刻のようだ。
そんな背景もあり、本田技研工業(ホンダ)の2025年3月期2Q決算はよくない。
売上収益 10兆7,976億円 前年同期比+12.4%
中間利益 7,419億円 前年同期比-19.7%
増収減益だ。売り上げは増えているのに利益が減るのはコストが上がっているためもあるだろう。
上図によれば、中国国内の販売が減ったことも原因のようだ。
実際に各国での販売状況を見ると、そんなに悪くない。中国の自動車、タイのバイクが悪い点を除けば、前年比で増えている。
半期の状況を見てみよう。一番の問題は、「持ち分法による投資損益」の-874億円だろう。減益のほとんどがこれによると思われる。
資料を見てもこれが何を指すのかわからなかったが、設備投資研究開発費に関するもののようだ。ホンダはEVで出遅れているのでその開発投資にかかっているのだろう。
あわせて通期見通しも更新している。
売上収益 21兆円 計画から+7,000億円
当期利益 9,500億円 計画から-500億円
売り上げは通期でも増収を見込むが、研究開発などの負担が重く、利益は計画から500億円の減益だ。
発表を受けてホンダの株価は約100円下げている。11月8日の終値は1,381.5円。
20世紀終わりに倒産の危機を迎えその後の奇跡といえるV字回復。数年はそれで栄華を誇ったが、CEOの不正問題で地に落ちた感がある。
EVには早くから投資し開発してきたが、中国との競争が激化し、また日産の作る車の魅力低下で日本だけでなくUS、中国でも売れなくなっている。
商品力の低下という致命的な問題の前に、大幅に利益を落としている。2025年3月期2Q決算を見ていこう。
注目は真ん中と右の数字だ。前年同期比90%を超えるマイナス!?
上期の販売台数、生産台数を見ると、ホンダと異なって、下げている。販売はヨーロッパのもプラスで、他はみな下げている。生産台数では8%減少が痛い。
この現状から容易に推測できるが、売る上げから下げている。上期の決算は以下の通りだ。
売上高 5兆9,842億円 前年同期と-791億円
営業利益 329億円 前年同期と-3,038億円
中間純利益 19②億円 前年同期と-2,770億円
これらのマイナスはほぼ2Q期間で発生している。営業利益の増減分析を見ていこう。
この中で、販売パフォーマンスとインフレ影響がよくわからない。販売パフォーマンスは価格改定でマイナスとあるので、価格を上げたのではなく、赤字覚悟で売ったということだろう。
台数/構成 というのは何を指すかわからないが、モデルに対してバリエーションが多すぎて管理コストがかかるということだろうか。
インフレ影響は従業員の給料だろうか。モノヅクリとだけ書かれており、さっぱりわからない。わからないようにするために資料を作っているのだろうか。
通期見通しは悲惨だ。
売上高 12兆7,000億円 前年同期と+143億円
営業利益 1,500億円 前年同期と-4,187億円
当期純利益 未定
現時点では利益を算出できないようだ。赤字決算になる可能性が残っている。
これを受けて構造改革を始める。
また20世紀末の日産を見ているようだ。ほかに三菱自動車の株を一部売却するようだ。
ホンダは研究開発のための一時的な減益だが、日産は研究開発もままならないまま縮小していくように思える。
日産はまた、外資の注入になってしまうのだろうか。あるいは廃業に向かっていくのか。まずは通期見込みが着実に実行されることを見守るしかない。
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