検証63
本ページで取り上げるサイトはいずれも仮想通貨取引所 (暗号資産交換業者) に該当すると思われますが、いずれも日本の金融庁が公表している暗号資産交換業者の登録リストに該当がありません。ここで検証するサイトの多くは日本語対応しており、さらに少なくとも一部のサイトについて日本人に向けた勧誘や被害報告が確認されていて単に無登録の違法業者であるというだけでなく、詐欺目的のサイトである疑いが極めて濃厚と考えられます。
▼本サイトでの検証は名誉棄損に当たらないと考えます。→ 雑記1
このページで検証するのはYahoo知恵袋に出てきた質問で知ることになった中国系と思われる詐欺グループによるサイトあるいはその関連を調べて出てきたサイトです。同じグループあるいは同じ手口を使った複数のグループによると思われる多数のサイトが立ち上げられては閉鎖されることが繰り返されていると思われ、次ページ以降、「検証64」、「検証65」、「検証66」、「検証67」、「検証68」、「検証69」、「検証70」、「検証71」、「検証72」、「検証73」、「検証74」、「検証75」、「検証76」、「検証77」、「検証78」、「検証79」、「検証80」、「検証81」、「検証82」、「検証83」、「検証84」 、「検証85」、「検証86」、「検証87」、「検証88」、「検証89」、「検証90」、「検証91」、「検証92」、「検証93」、「検証94」、「検証95」、「検証96」、「検証97」、「検証98」、「検証99」、「検証100」、「検証101」、「検証102」、「検証103」、「検証104」、「検証105」、「検証106」、「検証107」、「検証108」、「検証109」、「検証110」、「検証111」、「検証112」、「検証113」、「検証114」、「検証115」、「検証116」、「検証117」、「検証118」、「検証119」、「検証120」、「検証121」、「検証122」、「検証123」、「検証124」、「検証125」、「検証126」、「検証127」、「検証128」、「検証129」、「検証130」、「検証131」、「検証132」、「検証133」、「検証134」、「検証135」、「検証136」、「検証137」、「検証138」、「検証139」、「検証140」、「検証141」、「検証142」、「検証143」、「検証144」、「検証145」、「検証146」、「検証147」、「検証148」、「検証149」、「検証150」、「検証153」、「検証155」、「検証156」、「検証157」、「検証158」、「検証159」、「検証160」、「検証161」でも関連の可能性がある案件を検証しています。
中国系の詐欺サイトとだけ書きましたが具体的な手口としてはインスタグラムの様なSNSあるいはマッチングサイト (出会い系サイト) で知り合った中国系の若くて美貌の女性から交際や結婚までちらつかせるデート商法とか国際ロマンス詐欺みたいな手段を使って投資勧誘を受けるという場合が多いようです。特にTinder (tinder.com/?lang=ja) というマッチングサイトでマッチした中国系の美女から勧誘されたという事例が最も多いようです。イケメン男性の画像で女性が勧誘される事例もあるようです。中国系の美男・美女はシンガポール、マレーシア、香港、台湾などに在住していると自己紹介する場合が多いようですが、出てくる情報からは中国本土のグループによって勧誘が行われている可能性が高く、美男美女は画像だけで勧誘者自体は画像とは全くの別人である疑いが濃いです。女性を名乗って男性が勧誘している場合なども充分に考えられるでしょう。そして家族が金融大手とか政府機関などに勤務しているとか、金融や統計などの専門知識を持っているなどと称して投資を勧誘し、最初は相手の指示に従って取引をするだけで大儲け出来ているような錯覚を与えられて運用資金の追加を促されるけれども最終的には相場の急変があったなどの理由で大損するとか投資していたサイトが閉鎖されるといった形で出金が不能になり、勧誘役の美男・美女との連絡も途絶えるというのが典型的なパターンになっています。最近は出金を要求しても税金分の前払いが必要であるとか不正の疑いがあるので証拠金を振り込めなどと意味の分からない理由をつけて出金に応じないばかりか逆に追加入金することを出金の条件として要求してくるケースも確認されています。しかし追加入金に応じても結局出金はされずに被害額が増えるだけになります。そしてこうした詐欺ではお金を取り戻すのは残念ながら極めて困難です。何しろ詐欺グループは海外、おそらく多くの場合は中国とか東南アジアに拠点があり、特に仮想通貨建てで送金してしまうとお金の流れを追うのも極めて難しいです。
同様の勧誘は仮想通貨投資に限らず、FXや香港株などへの投資や宝くじの購入、オンラインカジノでの賭けなどで行われている場合もあるようです。そしてこの手の詐欺に関する記事や公的機関からの警告など多数出ていますので以下のリンク先を参照してください。
▼出会い系サイトやマッチングアプリ等をきっかけとする投資詐欺にご注意を-恋話(コイバナ)がいつの間にかもうけ話に- (国民生活センター)
▼ロマンス投資詐欺が増加しています!-その出会い、仕組まれていませんか? (国民生活センター)
▼マッチングアプリで知り合った人から勧められた暗号資産の投資サイトに手数料を支払ったが、出金できない (国民生活センター)
▼「愛してるから投資して」っておかしくない!?-マッチングアプリ等で知り合った人に騙されないためのチェックリスト- (国民生活センター)
▼出会い系サイトやマッチングアプリをきっかけにした投資詐欺が続発 (知るポルト 金融広報中央委員会)
▼1億円を超える被害も…国際ロマンス投資詐欺の深刻さ 弁護士に聞く詐欺と見破る方法 (ENCOUNT)
▼マッチングアプリで「国際ロマンス詐欺」が急増中!注意すべき10の特徴 (FRaU)
▼【解説】ペット画像はNG!?「ロマンス詐欺」狙われやすいプロフィール判明 |経済部・佐藤美妃記者 (ABEMAニュース【公式】Youtube動画)
▼【解説】投資ブローカー紹介?「彼氏と言えば…」”ロマンス詐欺”がタイで摘発 |ANNバンコク支局久須美慎記者 (ABEMAニュース【公式】Youtube動画)
▼100人に1人が“ロマンス詐欺”を経験!? “マッチング”で狙われやすい「アカウントの傾向」を公開し注意喚起 (FNNプライムオンライン)
▼国際ロマンス投資詐欺に注意…被害が急増、実態は不明 (大手小町)
▼Tinderで出会った美女姉妹にオンラインカジノに誘われ1000万円を溶かした件 (Internet Watch)
▼マッチングアプリで知り合った異性に暗号資産(仮想通貨)投資を誘われて (川崎市)
▼「詐欺かもしれない」SNSで勧誘された暗号資産取引 何度も"税金”振り込み要求の末に…【佐賀発】(サガテレビ/FNNプライムオンライン)
▼手口は同じ。「姉」「家を買う」「ボーナスイベント」隠された投資詐欺のマニュアルがみえてきた!(1) (Yahooニュース)
▼ビットコインの投資詐欺、だまされたフリで犯人を追ってみると…社会の壁、億超えの被害がみえてきた(2) (Yahooニュース)
▼あっという間に、ビットコインで3500万円を超える被害に。もう止まらない!投資系国際ロマンス詐欺。(Yahoo!ニュース)
▼国際ロマンス詐欺の悪質手口 4600万円を騙し取られた被害者が告発 (NEWSポストセブン)
▼仮想通貨で「170万円騙し取られた」男性の告白 (東洋経済オンライン)
▼6000万円の被害も!偽投資サイト詐欺に潜むボーナス手法。マッチングアプリに詐欺師、大量出現中! (Yahoo!ニュース)
▼コロナ倒産した飲食店オーナー、再起をかけるも美女に250万円騙し取られる (日刊SPA!)
▼女性から投資話…マッチングアプリの危険な誘い 支払い後に連絡途絶える相談相次ぐ (福井新聞ONLINE)
▼マッチングアプリで知り合った外国人を信用したら1000万円以上を失った (INTERNET Watch)
▼マッチングアプリ悪用した中国人女性の投資詐欺で被害者が続出 1億円以上の損失も (AERA dot.)
▼外国籍を名乗る人物に900万円をだまし取られる 投資名目、マッチングアプリで知り合う (京都新聞)
▼外国人女性名乗る人物が投資持ち掛け、会社役員1300万円だまし取られる (京都新聞)
▼香港の「38歳イケメンマッチョCEO」から私のインスタに届いた「ヤバすぎるDM」(現代ビジネス)
▼「外国人」女性とアプリで知り合った40代公務員、暗号資産6699万円相当の詐欺被害 (読売新聞オンライン)
▼国際ロマンス詐欺 被害者が語るSNSを悪用した手口 去年より被害が倍増 (TBS NEWS DIG、「検証106」も参照。)
▼「2人の将来のため」マッチングアプリ使う詐欺多発…恋愛感情を悪用・1億円振り込んだ男性も (読売新聞オンライン)
▼〈6000万円以上の被害〉JPモルガンを名乗る若い男が「愛しているよ」「ふたりでハワイに住もう」国際ロマンス詐欺の“ヤバすぎる手口” (文春オンライン)
▼数千万円の被害も!若者も被害に「国際ロマンス詐欺」は世界で横行する“ビジネス”に (bizSPA!フレッシュ)
▼【悪質】“国際ロマンス詐欺”で3700万円被害…「マッチングアプリ」を悪用した“その手口”とは? (日テレNEWS Youtube動画)
▼「おはよう姫」甘い言葉で誘うロマンス詐欺 被害女性語る (熊本朝日放送 KAB NEWS Youtube動画)
▼1560万円だまし取られる…「暗号資産の投資話」装う詐欺 山形 (さくらんぼテレビ/Yahooニュース)
▼国際ロマンス詐欺・投資被害額 特殊詐欺の1.4倍 23年・大阪 (毎日新聞)
▼www.qibicoin.comでマッチングアプリ投資詐欺に遭いました (被害者ブログ、 「検証79」も参照)
▼Gold8というFX業者への入金を勧誘された事例 (Yahoo知恵袋)
▼Gold8というFX業者で出金出来なくなっている事例 (Yahoo知恵袋)
▼香港株への投資を勧誘され、投資直後の暴落で損失を被った事例 (Yahoo知恵袋)
▼UBS888 (https://ubs888.com/#/)というオンラインカジノに誘導された事例 (Yahoo知恵袋)
▼GB online lottery (http://mgblottery.com/)という宝くじサイトに誘導された事例 (Yahoo知恵袋)
▼中国人女性のマッチングアプリ投資詐欺にご用心!弁護士が徹底解説! (M&A総合法律事務所)
▼関東財務局が教える暗号資産の悪質手口 (関東財務局・Youtube動画)
さらに投資関係のLINEグループ (オープンチャット) に招待あるいは広告などから誘導されて詐欺サイトでの投資を勧誘され、被害を受けたという事例が相次いで出てきました。グループの主催者としてしばしば実在する投資に関係している有名人、経済的に成功しているイメージのある有名人の名前が使われることがあります。ネット広告ではなく有名人の名前を名乗る人物からDMが来て、秘書などを名乗る人物=詐欺の勧誘役を紹介される、さらにLINEのグループに誘導されるという事例も確認されるようになってきました。
▼被害が急増する「LINEグループ投資詐欺」、なぜ騙されるのか--手口や対策は (CNET Japan)
▼LINEグループで知り合った複数人物から2450万円投資詐欺 66歳女性被害 (京都新聞)
▼投資詐欺で2千万円被害、徳島 LINE勝手に追加 (静岡新聞)
▼勝手にLINEグループに追加され…実在アプリ使い、「投資指導」で2千万円被害 (読売新聞オンライン)
そしてこのLINEを使った勧誘方法は当初はFXや先物の詐欺サイトに誘導される場合、香港株の一時的な株価の釣り上げに利用される場合が確認されていたのですが、2023年の夏ごろになって同様の手口で仮想通貨の詐欺サイトに誘導されるという事例も確認されるようになってきました。このLINEグループ (オープンチャット) を利用した勧誘方法については本サイトの姉妹サイトの「雑記2」にまとめを書きましたから参照してください。
手口は多様化していますがネットで知り合った外国人に詐欺サイトでの投資を勧誘されるという同様の詐欺は日本だけでなく、海外でも多くの被害者を出して問題になっており、欧米ではPig Butchering Scam (直訳すれば「豚の屠殺詐欺」)、中国語ではSha Zhu Pan (杀猪盘/殺豬盤) と呼ばれているようです。
▼FBIが警告する「豚の屠殺詐欺」、誤送信メッセージのように見せかけて接近してくる詐欺師に要注意! (INTERNET WATCH)
▼Cryptocurrency Scam - Pig Butchering (アメリカ・ミシガン州)
そしてこの手の詐欺で被害を受けた女性が立ち上げたGLOBAL ANTI~SCAM ORG (GASO) という非営利組織のサイト (https://www.globalantiscam.org/) が立ち上げられており、私が知る限り最も広範な詐欺サイトのリストも公表されています。調べてみると本サイトで検証対象としている複数のサイトもこのリストで取り上げられているようです。とりあえず、自分が誘導されたサイトに詐欺の可能性があるかどうかを調べる為にこのGASOの詐欺サイトのリストを調べてみればそれなりに役立つかもしれません。但し、GASOは何しろ英語で書かれているサイトであり、詐欺サイトと判断された根拠などは説明されていません。日本人を主な標的としている詐欺サイトはこのリストから漏れている可能性も高いです。
このサイトはあくまでも個人で運営しているサイトなので組織化されたGASOほど多くのサイトをカバーすることは出来ませんが、日本語でしかもそれぞれのサイトについて丁寧に検証を行う方針で運営しています。本サイトでは仮想通貨に関連するサイトのみを検証対象としますが、基本的な勧誘の手口などは仮想通貨以外の投資を勧誘してくる場合でも共通しているようです。またFXの詐欺サイトについては本サイトの姉妹サイトで検証を始めました。こちらも参照してください。
既にかなりの被害が出ていると思われますが、こうした検証が注意喚起となり、被害を少しでも防ぐことに繋がれば幸いです。
尚、この手の詐欺に遭ってしまった場合の相談先となる公的機関の連絡先を以下に記しておきます。
但しこの手の詐欺に遭ってしまった場合、お金を取り戻すことは極めて困難と思われます。特に仮想通貨建てで送金してしまった場合には口座の持ち主が特定不能な口座が多数出回っている現状を考えると詐欺グループを特定することも困難でしょう。それでも提出してしまった個人情報や身分証明書を悪用される可能性など二次被害を防ぐ為に公的機関で相談の記録を残しておくことは重要です。関連して逆にSNSの投稿などを見ているとお金を取り戻すことが容易であるかのような宣伝を信じて弁護士事務所に手付金を払ったが結局何の成果もなかったといったトラブルも発生しているようです。
▼Twitter投稿 (2021年12月21日)
▼Twitter投稿 (2021年1月23日)
▼Twitter投稿 (2021年10月27日)
▼Yahoo知恵袋投稿 (2022年1月8日)
▼Twitter投稿 (2022年7月16日)
残念ながら良心的とは言い難い、金儲け優先の弁護士がいることも事実と思われます。上のYahoo知恵袋への投稿では弁護士事務所がホワイトハッカーに依頼して口座を突き止めて凍結すると言われたようですが非現実的としか思われませんし、そもそも捜査権もないのにホワイトハッカーを使うというのは非合法でしょう。金儲け優先の良心的とは言い難い弁護士に安易に依頼したのでは下手をすれば二次被害も同然になりかねないと思われますから注意が必要です。
また以下の記事では弁護士ではなく、SNS上で見つけた書き込みから「ハッカー」を名乗る人物に回収を依頼したけど結局調査費用名目で払ったお金を失っただけになったという事例が紹介されています。
▼多田文明 悪徳ビジネスの仮面を剥ぐ ビットコインの成功体験がアダに…自称・中国女のインチキ暗号資産で1800万円超が消えた男性 (現代ビジネス)
記事の一節を引用します。
>その後さらに金銭の要求があり、ここで2次被害に遭ったことに気づく。必死の思いでワラをつかんだら、それも詐欺だったのだ。
これはまさに二次被害だと思われます。法曹資格もない人物、相手の連絡先も明らかにされていない人物に依頼するのは論外だと思います。
以下も良心的とは言い難い弁護士の存在に関する記事です。
▼“悪徳弁護士事務所”が「国際ロマンス詐欺」の被害者を食い物にするヤバすぎる実態 (現代ビジネス/週刊現代)
▼“とりあえず検索”はNG!悪徳業者にカモにされる「弁護士のまちがった探し方」(女子SPA!)
>国際ロマンス詐欺で騙し取られたお金を取り返すのは、非常に困難
>「まず大前提として、国際ロマンス詐欺で騙し取られたお金を取り戻すのは非常に困難なんです。まじめな弁護士はそのことを知っているので、頼まれればやるかもしれないけれど、広告を出してまで積極的に専門でやろうとはしません」(東京弁護士会の方々/以下カッコ内同)
▼国際ロマンス詐欺、甘くない2次被害…弁護士「必ず回収できる」と着手金請求 (読売新聞オンライン / Yahooニュース)
▼国際ロマンス詐欺、弁護士による二次被害も 現実は「お金を取り戻すのはほぼ不可能」(弁護士ドットコムニュース)
>残念なことに、現状では国際ロマンス詐欺で失ったお金を取り戻すのはほぼ不可能だ。しかし、「回収は確実」とうたう弁護士などによる二次被害も起きている。
弁護士ドットコムニュースからは同じ内容のYoutube動画も出ています。
さらに東京弁護士会から以下のような注意喚起が出ています。(冒頭部のみキャプも示します。)
東京投資被害弁護士研究会からも同様の警告が出ています。
▼国際ロマンス詐欺に関するお知らせ&2次被害にご注意下さい PDFファイル
良心的とは言い難い弁護士、あるいは弁護士資格もないのにお金を取り戻せると称する示談屋とか自称・ハッカーなどによって被害が出ているものと考えざるを得ません。注意が必要です。
以下は千葉県弁護士会からの警告です。
▼【重要】国際ロマンス詐欺案件を取り扱う弁護士業務広告の注意点
弁護士法などに照らしての問題点を指摘しています。
以下は弁護士や弁護士事務所の懲戒歴を調べられるサイトです。
非弁行為とか依頼された案件の放置などの理由によって過去に処分歴のある弁護士や法律事務所がここで問題になっているような問題に関与している例があるかもしれません。過去に懲戒歴がなければ安心とは言いませんが、懲戒歴があれば言うまでもなく依頼はオススメしません。
それでは個別のサイトの検証を始めます。まずこのページでは以下を検証します。
●HOEx [MAC(MARS)コイン] (www.hoex.cc/)
●HKEX (hkex.us/#/)
●OKEXCOIN (OKEXコイン okexcoin.vip/dist/#/)
●AEC Digital Asset Exchange [AEEコイン] (AECデジタルアセットエクスチェンジ www.51aec.com/)
●mobicoin [CTCコイン] (モビコイン www.mobicoin.co/)
●Mobimn Exchange [CTCコイン] (モビ・エクスチェンジ www.mobimn.com/)
●mobi exchange [CTCコイン] (モビ・エクスチェンジ www.mobicoin.cc/)
●Retrospect Chain [RET] (www.retchain.vip)
●DOBI Asset Exchange (DOBI アセットエクスチェンジ www.dobitrade.com/)
●Fullbit (フルビット fullbit.io/)
MAC (MARS)コインという仮想通貨への投資勧誘を受けた件の検証から始めます。
●HOEx [MAC(MARS)コイン] (www.hoex.cc/)
これは既に閉鎖されているようですが、一連のサイトの中で最初に気が付いたサイトです。Yahoo知恵袋に幾つかの質問投稿が出てきました。香港のHOExという仮想通貨取引所でMAC (MARS) コインという新しい仮想通貨への投資を勧誘されたようです。
勧誘してきた人物について全ての投稿で情報が出ている訳ではありませんが、3件中2件については中国系の女性とされています。この件についてまとめてあるScam Hunterという英語のサイトには2名の勧誘役女性の画像がアップされています。
左上の2枚は范熙晴 (Fan)、右上の2枚は林穆雪 (Alice Lin)と名乗っていた女性の画像であり、 両方ともTinderが最初の出会いの場で後にメッセージアプリのWeChatに移行して勧誘が本格化したという経緯が同じであるようです。WeChatの情報によれば前者は香港在住、後者はシンガポール在住ということだったようですが、これらの画像を見比べると実際には同一人物の可能性がかなりあるように思われます。但しこの女性が実際にTinderに登録して勧誘を行っていたかは疑問で単に画像を提供していた、あるいは画像を勝手に使われていた可能性の方が高いように思われます。
そして以下が2019年9月22日に取得したHOExのサイトの冒頭部のキャプです。対応言語は中国語、英語、韓国語、日本語となっています。日本語のアイコンとなっている日本国旗の赤丸の部分が異様に大きい印象があります。下のキャプの左下のオレンジ色の部分にMAC (Marscoin)という問題の仮想通貨の名前が見えます。
Yahoo知恵袋に3件の質問が出たのは2019年の9月から11月ですが、このサイトのWho Is情報を見るとサイトが開設されたのは2019年の8月だったようです。開設直後から勧誘が開始されていたことになります。
その後、きちんとした検証をしなかったのですが、2020年4月に検証する為に再訪すると以下のキャプに示したようにHOExのサイトは既に閉鎖されていました。マトモな仮想通貨取引所だったとは到底思えません。
●HKEX (hkex.us/#/)
上のHOExと同様、2020年4月にYahoo知恵袋に相次いで質問が2件出てきたことで知ることになった仮想通貨のサイトです。こちらはこの検証を書いている2020年4月現在でまだサイトが生きているので検証します。2つの投稿の内、少なくとも1つについてはTinderというマッチングサイトで知り合った香港の女性に勧誘されたという経緯が上のHOExの場合と非常に似ています。もう1件も性別や知り合った経緯は不明ですが「香港の知人」からの勧誘ということになっています。
これらの投稿を見て早速このHKEXというサイトに行ってみました。以下がサイトの冒頭部のキャプです。言語選択は英語、中国語、日本語、韓国語の4つです。日本語だけは選択肢が何故か漢字ではなく「にほんご」とひらがなになっています。さらにこの言語選択で出てくる日本国旗のアイコンが上のHOExの場合と同様に国旗全体に対して赤丸の部分の割合が異様に大きいという特徴があります。これは偶然ではないように思われます。つまりHOExとHKEXは同じグループによるものである可能性があると考えられます。
但し日本語表示が出来ると言ってもその日本語はおそらく自動翻訳を使って訳したレベルでしばしば内容の理解が困難です。例えば上のキャプのサイト冒頭部に続くHKEXの特徴に関する記述部分の日本語版と英語版のキャプを以下に示します。
日本語版のキャプの右側に「最初にユーザー」という項目がありますが意味が分かりません。英語版を見るとこの部分が「User First」となっていて顧客最優先という意味であることがようやく分かりました。そしてこの3つの特徴をまとめた部分は本ページの下で検証するOKEXコイン、AECアセットデジタル 、さらには「検証66」で検証しているアントコインといった仮想通貨取引所のサイトにも極めてよく似た部分があります。どうやらこれらの取引所は全て出会い系サイトなどネットで勧誘している中国系の詐欺グループによるものである可能性が高いようです。それぞれの検証と併読してください。
次に例によって連絡先情報を探したのですが、何も情報がありません。何処の国の業者なのかも情報がありません。当然ライセンスなどは取得していないものと思われます。さらにアクセス状況を解析出来るサイトでアクセス状況を見ると以下のキャプに示した様に殆どアクセスがありません。
またWhoi Is情報を見るとサイトの開設日 (Creation Date) が2020年2月25日と非常に新しいことが分かります。
自称している「世界をリードする」仮想通貨取引所とは全く思えません。詐欺だけの為に立ち上げられた幽霊業者のサイトである疑いが濃厚と考えざるを得ません。
※付記
2020年6月4日にもYahoo知恵袋にTinderで知り合った中国人美人に勧められてHKEXに入金してしまったという新たな投稿が出てきました (以下のキャプ参照)。
この投稿によればAGIという仮想通貨の購入を勧められたようです。そこでHKEXのサイトを見ると確かにAGIという仮想通貨が取引されていることになっています。以下はドルペック (1枚=1ドルで固定) の仮想通貨であるUSDT建てのAGIの日足チャートですがよく見ると極めて不自然な点があります。
このチャートには右スケールも下端に示されているべき日付の目盛りもないので非常に分かりにくいのですが相場も下の棒グラフが示していると思われる出来高も右肩上がりになっています。そして非常に気になるのは1日の間の相場の変動が非常に少なく、ローソク足チャートなのにローソクの長さが非常に短くて上ヒゲ、下ヒゲも見えないのにしばしばギャップアップが見られることです。
チャートに目盛りがないと書きましたがチャート上にマウスを持って来れば小窓で相場の4本音の数字と出来高が出てきます。例えば直近、2020年6月9日と6月10日の4本値と出来高の数字を示す小窓のキャプを以下に示します。
6月09日:初値 0.06864、終値 0.06894、安値 0.06858、高値 0.06899
6月10日:初値 0.07264、終値 0.07246、安値 0.07241、高値 0.07271
となっていてこの2日の間でも9日の終値である0.06894から10日の始値である0.07264までかなり大きなギャップアップが起こっています。そして9日の高値である0.06899から10日の安値である0.07241までの間の相場を付けていた時間は存在しないはずです。ところが以下のキャプに示した1時間足チャートに切り替えてみると9日から10日にかけてのギャップアップは確認出来ず、相場は連続的に変動していることになっています。
例えば上のキャプの左上の小窓で確認出来ますが6月9日の17時台には安値0.07079、高値0.07107となっていて日足チャートではギャップになっていたはずの範囲の相場が1時間足チャートでは存在していたことになっています。日足チャートでは6月9日の高値が0.06899だったのですから同じ6月9日の17時台が安値0.07079、高値0.07107というのは明らかにオカシイです。
そもそもこのAGIという仮想通貨については直近で1日当たり200万枚以上取引されていることになっているのに仮想通貨データーベースのCoinMarketCapに登録がありません。AGIを略号とする仮想通貨としてはSingularityNETという仮想通貨がCoinMarketCapで見つかりますが、相場水準が全く異なるのでHKEXで取引されているAGIとは別物としか考えられません。それ以外にはAGIを検索しても誰が何時、何枚発行した仮想通貨なのかといった基本情報さえ見つかりません。これはこのHKEXという非常に怪しげな取引所でしか取引を確認出来ない仮想通貨ということになり、チャートが現実の取引を反映しているようには全く思えないことと併せ、詐欺の為に用意された仮想通貨である疑いが濃いと判断せざるを得ません。改めてHKEXでの取引、特にAGIという仮想通貨への投資は絶対に避けるべきと結論します。
●OKEXCOIN (OKEXコイン okexcoin.vip/dist/#/)
これも「SNSで知り合った女性 」から投資勧誘されたという質問がYahoo知恵袋に出てきた仮想通貨取引所で上で検証したHKEXなどと同じグループによるサイトである可能性が極めて高いです。勧誘の場になったSNSというのがTinderであったのか、勧誘してきた女性が中国系だったかどうかは不明です。
この質問に出てきたサイトを早速訪問してみました。上で検証したHKEXと同じで中国語、英語、韓国語、日本語に対応しています。国旗のアイコンは丸型になっていますがやはり日本国旗の赤丸の部分が白地の部分に対して大きすぎるような印象があります。
さらにこの冒頭部に続くこの業者の特徴をまとめた部分を見ると上で検証したHKEXの場合とそっくりであることに気が付きました。以下は英語表示を選択した場合のキャプです。
3つの特徴が列挙されていますが項目名が左から以下の様になっています。
▼Safe and trustworthy
▼Global ecological layout
▼User first
これは上で検証したHKEXの項目の並び
▼Safe and reliable
▼Global ecological layout
▼User first
と酷似しているなんてものではありません。両社の違いは最初の項目で「trustworth」がほぼ同じ「信頼出来る」という意味の単語「reliable」に入れ替わっているだけです。さらに最初の「Safe and trustworthy」あるいは「Safe and reliable」の項目だけ拡大して比較してみたのが下のキャプです。左側がHKEXの場合、右側がOKEXコインの場合ですがイラストの下に書かれている文章が単語の並び順が1ヶ所異なっているだけで互いに酷似しています。これは偶然とは到底思えません。HKEXとOKEXコインは同じグループによる兄弟サイトの可能性が極めて高いと判断します。(さらに以下で検証しているAECアセットデジタルや「検証66」で検証しているアントコインやユーコイン、「検証69」で検証しているモチベーテドなど複数のサイトも同じグループの可能性が高いです。それぞれ参照してください。
一方でOKEXコインのサイトにはHKEXのサイトには全く見当たらなかった連絡先情報が脚注の部分に辛うじて書かれています。
但し書かれているのはメールアドレスと住所だけで電話番号がありません。
>Support
>Customer service: service@okexcoin.vip 7*24 Hour
>18th Floor, Menara TA One 19, Jalan P. Ramlee 50249, Kuala Lumpur Malaysia
住所はマレーシアのクアラルンプールでMenara TA Oneというのは37階建ての高層ビルの名称のようですがマレーシアに会社があるのならばOKEXコインのサイトがマレーシアの公用語であるマレーシア語での表示に対応していないのはおかしいでしょう。本当にマレーシアに本拠があるか疑問と考えざるを得ません。さらにOKEXコインについてもアクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると以下のキャプに示したように訪問者数が検出限界以下だったHKEXよりは多いですが1日当たりの訪問者数が45人と決して多いとは言えません。これでは仮想通貨交換業者として成り立たないでしょう。
それからこのOKEXコインのサイトについてはWho Is情報が公開されていません。サイトの開設日などの普通なら公開されているはずの情報が公開されていないというのはこのサイトで検証対象にしているサイトの中でもかなり稀であり、逆に怪しいサイトという印象を持たざるを得ません。
結論としてHKEXと同じグループに属する疑いなど考えるとOKEXコインについても詐欺だけの為に立ち上げられた幽霊業者のサイトである可能性が高いと判断します。勧誘を受けても投資は避けるべきです。
※付記
2020年7月下旬にOKEXコインのサイトが閉鎖されていることを確認しました。代わりにOKEXコインのサイトとかなりの部分で共通性があるDIU (http://www.diuni.org/#/) というサイトが見つかってきました。表示言語選択のプルダウンメニューにある国旗型のアイコンが丸形であることや3つの特長を説明する部分にあるアイコンが全く同じであることなど偶然とは到底思えない共通項があります。「検証69」で検証していますから参照してください。
●AEC Digital Asset Exchange [AEEコイン] (AECデジタルアセットエクスチェンジ www.51aec.com/)
この件についてもYahoo知恵袋の投稿をきっかけに知ることになりました。結論から言えば上で取り上げたHKEXおよびOKEXコインと同じグループによるサイトの疑いが濃厚です。まず以下がこの検証の端緒となったYahoo知恵袋への投稿のキャプです。Tinderかどうかは不明ですが出会い系サイトで知り合った中国人女性から勧誘を受けたという経緯はこのページで検証している他の案件の場合と同じです。
以下がリンク先のサイトの冒頭部のキャプですが対応言語は中国語と英語のみで日本語表示には対応していないようです。そして何の説明も見当たらないのですがAEECOIN (AEEコイン)という聞いたことがないおそらくこの取引所独自ではないかと思われる仮想通貨を発行しているようです。この左上のAEC取引所のロゴとAEECOINのロゴが互いに非常に似ています。
この冒頭部に続いてこの取引所の3つの特徴がまとめられています。
項目名だけ抜き出します。
▼Safety and trustworthiness
▼Global ecological Distribution
▼Customer first
これは上で検証したHKEXの3つの特徴
▼Safe and reliable
▼Global ecological layout
▼User first
あるいは同じく上で検証したOKEXコインの3つの特徴
▼Safe and trustworthy
▼Global ecological layout
▼User first
と全く同じではないにしろ項目の並び順も含めて明らかに酷似しています。さらに項目名だけでなくそれに続く部分も互いにそっくりです。それぞれの特徴の第一項だけを比較してみます。
■5 years of digital asset financial services experience Professional distributed architecture and anti-DDOS attack system (HKEX)
■5 years experience in digital asset financial services Professional distributed Architecture and Anti-DDOS attack system (OKEXコイン)
■Five years'experience in digital assets financial services Professional Distributed Architecture and Anti-DDOS System (AECデジタルアセット)
単語の並びなど細かい違いはありますが到底偶然とは思えないほど互いに似ています。この3つのサイトはほぼ間違いなく同じグループによるサイトでしょう。さらに「検証66」で検証したANT COIN (アントコイン)というサイトにも極めて似た部分があり、同じグループによるサイトの可能性が高いです。参照してください。
次に連絡先情報を探しましたが全く記述が見当たりません。辛うじてLegal Statement (法的文書)というページの冒頭に以下のキャプに示す記述を見つけました。
赤い下線で強調しましたがセーシェル共和国の法律に従うといったことが書いてあります。だとすればこのAECデジタルアセットの運営はセーシェルに本拠があるのかとも思いましたが、具体的な住所などの記述は見つかりませんし、セーシェルは容易にペーパーカンパニーが作れる租税回避地の1つですから仮に法人登録などがセーシェルにあってもそれは名目だけの可能性が高いと思われます。むしろ同じグループによると思われる3つのサイトについて共通して中国系の女性が勧誘役になっていること、3つのサイトが共通して中国語表示に対応していることなどから中国語圏に本拠がある可能性の方が高いと考えます。また仮想通貨交換業者を運営する認可などは受けているとは思えません。
次にこのAECアセットデジタルで取引されている仮想通貨ですが、何しろ開示されている情報が少なく、登録しないと見られない情報もあると思われるので断言は出来ませんが、ビットコインとイーサリアム、米ドルに価値が連動するステーブルコインのUSDT、そしてこの取引所独自と思われるAEEコインぐらいしか扱いがないようです。このAEEコインというものを仮想通貨データーベースのCoinMarketCapで探してみましたが該当はありません。ともかく以下はそのAEEコインのUSDT建ての週足チャートのキャプですが、このチャートには違和感を感じる部分があります。
まずこの週足チャートは2019年の年末ぐらいから始まっていますが2020年の1月末ぐらいまでは出来高がない状態でAEEコイン1枚=1USDT=1ドルの相場が続いていたようなことになっています。これはこの期間にAEEコインの売り出しが1枚=1USDT=1ドルという売り出し条件で行われていたことを意味するのではないかと思われますが、説明は一切ありません。そして2020年2月21日に上場されたのか出来高が生まれ、0.028USDT=0.028ドルほどで取引開始になっているようです。仮に1枚=1ドルで売り出されていたという解釈が正しければおよそ97%ダウンの大損です。一応上場後は相場が右肩上がりで上がり続け、この検証を書いている2020年5月第1週には0.1USDT = 0.1ドルほどで取引されていることになっています。1枚=1ドルで買った人がいるならば現在の値でも90%程の大損ですが上昇傾向であることには希望が持てるように思えるかもしれません。特にチャートの一番下にある出来高のグラフを見ると1週間当たりの出来高が数億枚から最大で10億枚を超えるほどとなっています。出来高を伴っての上昇であることも決して悪いことではありません。
しかしこのチャートが実情を反映している、信頼出来るものでなければ意味がありません。まずこのチャートを今度は日足で見たのが以下のキャプですがチャートに収まっている1ヶ月余りの期間で赤で示される陰線が2回しかなく、ほぼ毎日陽線 (毎日の始値より終値が高い)を積み重ねて相場が上がり続けています。上ヒゲ、下ヒゲも殆どありません。こんなにも陽線ばかり続けて相場が上がり続けているなんて非常に不自然です。
そして週足チャートで出来高を伴っていることを既に指摘しましたがこの日足チャートでも下にある出来高のグラフを見ると毎日の出来高が2000万~8000万枚ほどあることになっています。ところがAECアセットデジタルのサイトへのアクセス状況を見ると以下のキャプに示したようにアクセス数が検出限界以下、つまりアクセスがほぼ皆無という結果になります。
一体このサイトでAEEコインを取引しているのは誰なんでしょうか?そもそも本当にこれだけの取引が実際に行われているのでしょうか?極めて疑わしいとしか思えません。あらゆる点から見てこのAECアセットデジタルのサイトは信用するのが困難です。AEEコインについても発行条件とか事業計画をまとめたホワイトペーパーなど全く見当たらないことには大きな問題があります。結論として勧誘を受けてもこの取引所での口座開設や入金は絶対に避けるべきと結論します。
※付記
2020年5月にもYahoo知恵袋にもこの取引所への投資を台湾女性に勧誘されたという投稿が出てきました。
●mobicoin [CTCコイン] (モビコイン www.mobicoin.co/)
●Mobimn Exchange [CTCコイン] (モビ・エクスチェンジ www.mobimn.com/)
名称やURLアドレスが似たサイトで両方ともCTCという仮想通貨の販売窓口であるという点が共通しているので同じグループによるサイトの可能性が高いように思われますがこの検証を書いている2020年4月の時点で1つ目のサイトは既に閉鎖されており、閉鎖される前のサイトに関する情報も乏しいのでこの2つのサイトが本当に同じグループによるものかどうかは確実ではありません。とりあえずは2つのサイトには関係がある可能性が高いと考えてまとめて検証することにします。尚、その後さらに明らかに同じグループによる同じようなサイトが出現したので次項で検証してあります。
まずは最初のモビコインのサイトですがYahoo知恵袋に投稿が出ています。勧誘してきたのはマッチングサイトのTinderで知り合った中国人女性というお馴染みのパターンだったようです。
そこでこの投稿にあったモビコインのサイトにアクセスしてみましたが以下の様な警告が出てアクセスすることが出来ません。
仕方がないのでこのサイトに関する情報がネット上に残っていないか検索して見つかってきたのがTwitterへの投稿2件です。それぞれの投稿に対する返信の一部と共にキャプを示します。
Tinderではなく、Hapnnというサイトで勧誘されたという投稿があるので調べてみるとHapnn (www.happn.com/en/)も日本語対応はしていないもののいわゆるマッチングサイトのようです。そして最後の投稿によればCTCという仮想通貨を購入してしまうと6月20日まで2ヶ月近くは出金出来ないようです。ここまで調べてきたサイトの事例からしてこのサイトについても6月までの間に閉鎖されてしまう危険性を感じざるを得ません。
とにかくに2020年4月25日のTwitter投稿にあったリンクからCTCコインを購入したというサイトを訪問してみました。以下がそのモビ・エクスチェンジのサイト冒頭部のキャプです。右端に表示言語選択のプルダウンメニューが見えますが、日本語、中国語、英語、韓国語の4つでの表示が可能となっています。そして日本語を示す日本国旗のアイコンが上で検証したHOExやHKEXの場合と同様に国旗全体に対して赤丸の部分が大きすぎるという特徴があるように思われます。HOExやHKEXとこのモビ・エクスチェンジが同じグループによるサイトである可能性はかなり高いように思われます。
さらにこの冒頭部に続く部分にはHOExやHKEXの場合と同様にモビ・エクスチェンジの特徴を主張する部分があります。アイコンの下に短い説明が付いている形式もHOExやHKEXの場合と似ています。但し項目数はHOExやHKEXの場合は3個だったのにモビ・エクスチェンジでは4項目になっていて文章も似ているとは言えません。
次は連絡先情報ですが唯一確認出来たのは脚注部分にあるメールアドレスのみで住所も電話番号も経営者情報も見当たりません (右のキャプ参照)。
>Contact-Email:mobimn8@gmail.com
しかもこれは無料登録出来るgmailのメールアドレスです。これだけでマトモな取引所とは思えません。
そしてこのモビ・エクスチェンジのサイトにはCTCコインのチャートがあります。以下は米ドルと同一価値のUSDTという仮想通貨との日足チャートですが日付の表示がないのではっきりしないもののおそらく3月下旬ぐらいからチャートが始まっており、当初は0.006USDT (0,6円程度)ぐらいから始まって現在は0.27USDT (30円程度)に右肩上がりで上昇しているように見えます。
しかし一方でこのチャートの一番下にある出来高の推移を見ると2020年4月半ばぐらいから出来高が皆無であるように見えます。出来高がないのにチャートが右肩上がりというのはどういうことなのか理解を超えています。またそもそもこのモビ・エクスチェンジのサイトへのアクセス状況を解析出来るサイトで調べてみると以下のキャプに示したように殆どアクセスがありません。
関連してモビ・エクスチェンジのサイトのWho Is情報を見ると以下のキャプに見えるように2020年3月12日に開設されたばかりのサイトです。
サイトへのアクセスが殆どいないのでは仮想取引所が成り立つはずがありませんし、チャートが動くはずもありません。上で引用したTwitterの投稿には6月20日まで取引出来ないとあったことも考えると本当にCTCコインが取引されて相場が上昇しているのか極めて疑問ですし、このモビ・エクスチェンジの信頼性も非常に疑わしいです。投資は避けるべきと判断します。
※付記1
2020年5月13日にMobimn Exchange (モビ・エクスチェンジ www.mobimn.com/)のサイトが閉鎖されているのを確認しました (以下のキャプ参照)。一方でまた別のURLアドレスで同様のサイトが存在することも確認しました。次項で検証します。
※付記2
「検証66」で検証対象としているANT COIN (アントコイン)という仮想通貨取引所にもCTCコインという仮想通貨取引所が上場されています。ネットで勧誘している中国系の詐欺グループとの関連の可能性も濃厚で同じグループに属するサイトであるか可能性が高いです。参照してください。
※付記3
モビ・エクスチェンジと明らかに相同性が認められ、同じグループによる可能性が極めて高いCoinfield (コインフィールド coinfield.cc/)というサイトの存在が確認されました。検証を「検証79」に書きましたので参照してください。コインフィールドについてはどれほど信頼出来るかはともかくとして運営者に関する情報があるのでモビ・エクスチェンジの被害者にとっても役に立つかもしれません。
さらにモビ・エクスチェンジと明らかに似た部分が認められるサイトとしてINC Exchange [INCコイン] (INCエクスチェンジ www.inc-group.org/)、SCA Exchange [SCAコイン] (SCAエクスチェンジ www.zsca.org/)、BaoBic Exchange (BaoBicエクスチェンジ www.baobic.com/) といったサイトが見つかってきました。いずれも「検証79」に検証を書いたので参照してください。
●mobi exchange [CTCコイン] (モビ・エクスチェンジ www.mobicoin.cc/)
モビ・エクスチェンジという取引所、CTCコインという仮想通貨という組み合わせは上で検証した2つのサイトと同じです。上で検証した別のモビ・エクスチェンジのサイト (www.mobimn.com/)が閉鎖されたことに気が付いて調べてみたところ、下のキャプに示した一連のTwitter投稿からここで検証する別サイトが存在していることが判明しました。このTwitterアカウントはこの詐欺被害体験を共有し、注意喚起する為のアカウントの様です。そしてTinderという出会い系サイトで知り合った中国人女性から勧誘されたという経緯はまさに本ページで出てきた他の勧誘事例と一致しています。
最初の投稿に「ほかの仮想通貨にトランザクションできない」とあるのは重要な情報かと思います。CTCコインを扱っている取引所は他にないと思われるので事実上引き出し不能です。
そして3つ目の投稿にあったリンク先のサイトの冒頭が以下のキャプです。
表示言語の選択肢は英語、韓国語、日本語の3つとなっており、これまで本ページで検証してきたサイトに共通して用意されていた中国語あるいは香港語の選択肢はありません。サイト全体の見た目は本ページで最初に検証したHOExに最も似ていますが、左上のロゴはモビ・エクスチェンジ (www.mobimn.com/)のロゴと全く同じに見えます。URLアドレスからすればモビコイン (www.mobicoin.co/)と一文字違いです。さらに言語選択の日本語を示す日本国旗のアイコンで赤い丸の部分の割合がアイコン全体の中で大きすぎるという特徴があるように思われ、これはHOExやHKEX、モビ・エクスチェンジ (www.mobimn.com/)と共通しています。これらのサイトに組織的な繋がりがあることが強く示唆されます。
ちなみにこのサイトのWho Is情報を以下のキャプに示しますがサイトの開設日 (Creation Date) が2020年4月25日となっています。
この検証は2020年5月半ばに書いているので1ヶ月も経過していない非常に新しいサイトということになります。おそらく同じグループによって同じ名前の仮想通貨を売る同じ様な名前とURLアドレスの取引所のサイトが次々と立ち上げられては短期間で閉鎖されているとなればそれだけで非常に怪しげと考えざるを得ません。
さらに連絡先情報ですがメールアドレスが1個あるだけです。
About Usのページの英語版を見ると本部はシンガポールとだけ書いてあります。
一方でAbout Usの日本語版を見ると「香港に本部を置シンガポール」と意味がよく分からない文章になっています。
いずれにしろこれ以上の所在地情報とか電話番号などの連絡先情報、さらには経営者情報も見当たりません。情報開示に明らかな問題があります。
次にCTCコインについてですが、モビ・エクスチェンジのサイトには非常に情報が少ないですが以下のキャプに示したCTCコインに関する説明があります。
活字が小さくで見にくいので書いてあることをそのまま書き出します。
>ctc発表
>CTCプロジェクトは、世界初の分散型エッジクラウドのストレージチェーンである。それの目標はスーパークラウドを構築して、全世界の範囲内でネットワークのエンドユーザーに近い場所に分布して配置して、高速で、途切れずに応答して、断断しないで、本質的に遠隔収容の災害を持っている。
>自己修復と無限の拡張能力、データーのプライバシーと安全が保障され、大量のデータを持つハイバーメディアを構築する。
>公募期間 2020年2月14日-2020年6月20日
>CTCオープン取引期限 2020年6月20日 (これはオープン発売の終了)
>発行総額28億、0.005USDT = 1CTC
>流通:5.6億;流通率:20%;
>MOBIチーム
>2020年1月16日
まず翻訳の問題もあるのでしょうけど発行目的など漠然としていて何が書いてあるのか理解も困難です。1枚当たり0.005USDT = 0.005ドル (およそ0.5円)で5億6000万枚を発行することは分かりますが情報として明らかに足りません。これまで検証してきたアルトコインの案件でも50ページぐらいのホワイトペーパーが用意されているのが普通のことなのにそもそも誰が発行するのかといった基本情報も無いのは論外だと思います。「MOBIチーム」と最後に書いてあるということはこの仮想通貨はこのサイトが出来てから1ヶ月も経過していないモビ・エクスチェンジの発行する仮想通貨なのでしょうか?またこの「発表」の日付が最後の行にあるように2020年1月16日になっていますが、既に書いたようにサイトの開設日 (Creation Date) が2020年4月25日なのですからサイト開設よりも以前にこの告知が出されていたことになります。明らかにおかしいです。
そして現時点ではまだ「公募期間」中であるはずなのですが、既に完売したのかモビ・エクスチェンジではCTCコインが取引されているようでチャートを見ることが出来ます。これは最初に引用したTwitter投稿に「ほかの仮想通貨にトランザクションできない」と書いてあったことと矛盾しているように思います。一部のホルダーのみ取引が許されていてそれ以外のホルダーは許されていないのでしょうか?意味が分かりません。
とにかく以下は米ドル連動のステーブルコインであるUSDT建てのCTCコインの日足チャートのキャプです。
この日足チャートを見るとCTCコインの相場はほぼ一貫して上昇しているようです。2020年5月半ば現在で0.90 USDT =0.90ドルほどで取引されているようですから売り出し価格の0.005USDTに対して180倍ほどに値上がりしていることになります。ところがこのチャートには非常に異様な部分があります。以下は同じチャートを1時間足で表示した場合のキャプです。
この1時間足チャートで何が異様かと言えば値動きや出来高が実際の相場を反映したものとは思えないのです。相場の上下はあるのですがしばらく同じ上昇幅での上昇、あるいは同じ下落幅での下落が続くということが連続しているのです。一番下の出来高を示す棒グラフで見ると始値より終値が高い緑の棒で示される陽線が続くと逆に始値より終値が安い赤の棒で示される陰線が続くということが繰り返されているのです。次はさらに短い、5分足のチャートです。
定規で線を引いた様に同じ角度での下落が長時間に渡って続いていることが分かります。途中で角度が変わっていますがほぼ陰線ばかりが半日ほども連続するなんてことが実際の相場であるはずがありません。上ヒゲ、下ヒゲが1時間足、5分足のチャートで全く見られないのも極めて異様です。これは実際の取引を反映したチャートとはいよいよ思えません。そもそも既に指摘したように「ほかの仮想通貨にトランザクションできない」という証言があるのに誰がCTCを取引しているのか全く想像も出来ません。
この取引所での口座開設やCTCコインへの投資は絶対に避けるべきと判断します。
※付記1
2020年5月23日、表題のモビ・エクスチェンジのサイト (www.mobicoin.cc/) も閉鎖されたことに気が付きました。また冒頭で引用したTwitterアカウント以外にもモビエクスチェンジへの投資で被害を受けたことを報告するTwitterアカウントを複数確認しました。例えば以下のキャプに示したTwitterアカウントではTinderでKathyと名乗るマレーシア人女性に勧誘されてCTCコインを購入してしまった経緯が紹介され、注意が呼びかけられています。
※付記2
上のモビコイン、モビエクスチェンジの項目の付記にも書きましたが「検証66」で検証対象としているANT COIN (アントコイン)という仮想通貨取引所にもCTCコインという仮想通貨取引所が上場されています。ネットで勧誘している中国系の詐欺グループとの関連の可能性も濃厚で同じグループに属するサイトであるか可能性が高いです。参照してください。
●Retrospect Chain [RET] (www.retchain.vip)
●DOBI Asset Exchange (DOBI アセットエクスチェンジ www.dobitrade.com/)
●Fullbit (フルビット fullbit.io/)
Retrospect Chain [RET]という仮想通貨の新規発行に関与したと思われる3つのサイトです。1つ目がRETの公式サイト、2番目のDOBI アセットエクスチェンジがRETの売り出しに使われた仮想通貨取引所のサイト、3番目のフルビットがその後DOBI アセットエクスチェンジでRETが上場廃止になった際に移管先となった仮想通貨取引所のようですが最初のRETの公式サイトと最後のフルビット取引所はこの検証を書いている2020年4月時点で共に既に閉鎖されています。
これもYahoo知恵袋に以下の2つの投稿が出ています。質問と回答の幾つかを転載します。
少なくとも2件目の質問者の場合、勧誘してきたのはTinderで知り合った中国人女性だったようです。1件目の質問に対する回答にもTinderで知り合った2人の中国人女性から勧誘されたと書いてあります。ベストアンサーには勧誘してきたという女性の画像が添えられています。さらに上に書いたHOExの検証でも引用しましたがScam Hunterというサイトにはさらに詳しい勧誘役女性に関する情報が出ています。以下がその女性の画像でマカオ在住の林家伊 (AKA Yiyi) と名乗っていたようです。この女性はマカオの金融当局に勤務している叔父がいる為にインサイダー情報を知っており、問題のRETという仮想通貨を買えば値上がりが期待出来るとして投資を勧誘していたようです。
但しHOExの項目でも書きましたがこの女性が実際に勧誘に関与していたかどうかは疑問で単に画像を提供しているだけ、あるいは本人の知らないところでSNSに投稿した画像などを勝手に詐欺に使われている可能性は充分に有り得ると思われます。ともかく以下はそのRETという仮想通貨の公式サイト (既に閉鎖済み) の冒頭のキャプです。
販売は知恵袋の投稿にもあるように本項表題の2番目、DOBI アセットエクスチェンジ (www.dobitrade.com/)という仮想通貨取引所で行われていたようですがこの取引所のサイトは現在でもアクセス可能です。この取引所は仮想通貨データーベースのCoinmarketCapに登録があり、アクセスもそれなりにあるので幽霊サイトではなく、取引所として機能しているのだと思われますが違和感を感じる部分もあります。まず2018年の12月とつい最近、2020年の4月にドメイン名の変更が告知されているのですが以前のサイトもそのまま存在しているためにおよそ見分けのつかない3つの公式サイトが併存しているようです。
▼https://www.dobitrade.com/ (最も古いサイト?、2017円9月20日開設)
▼https://www.dobiexchange.com/ (2番目のサイト)
▼https://www.dobiex.io/ (3番目のサイト)
そしてこのDOBIという取引所のサイトには連絡先情報が殆どありません。開示されているのは右のキャプに示した幾つかのメールアドレスだけです。
それ以外にはトップページに以下の様な記述があります。
>Other than the operation office in China, a number of global substations has been established in Malaysia, Korea, Japan, Brazil and etc to provide DOBI users with reliable, convenient, qualified and considerate trading service.
中国にある運営オフィスに加え、マレーシア、韓国、日本、ブラジルなどに事業所が設置されているということになるのですが、中国の運営オフィスも日本を含む各国の事業所についても所在地に関する情報は皆無です。日本事業所らしき活動として【公式】DOBI Exchange Twitterアカウントから日本語で新規上場や上場廃止などの情報が発信されているのを確認しましたが、このTwitterアカウントにも連絡先情報らしきものは見当たりません。そして日本に事業所があるというのに日本の金融庁から出ている暗号資産交換業者の登録一覧にDOBI社は該当がありません。少なくとも日本においては無登録の違法業者ということになると思われます。
RETという仮想通貨はこのDOBIアセットIエクスチェンジで売り出しが行われたようですが、上でも引用した英語のまとめサイトやYahoo知恵袋の投稿など見るとDOBIで上場されることはなく、購入したRETは本項表題の最後に掲げたフルビットという仮想通貨取引所に移管を指示されたようです。そして2019年9月22日からフルビットで取引が可能になるという説明だったようです。そして例えば左下のキャプに示した2019年10月1日付のTwitter投稿にはこのフルビットのサイトのキャプが確認出来ます。しかしこの検証を書いている2020年4月時点では既に右下のキャプに見えるようにフルビットのサイトは閉鎖されています。
Twitterにはこの件に関する被害報告と思われる投稿が他にも見つかります。
▼2019年9月22日投稿 (フルビットへの上場日)
どうやらフルビットに上場した2019年9月下旬の上場の時点でRETの相場は販売価格に比べて大暴落状態だったようで利益を出せた人など全くいなかったと思われます。これは当初から詐欺を意図した案件だったとしか思われません。