「どうして体がむくんでしまうのだろう…」
「体がむくむメカニズムが知りたい…」
体がむくむと太って見えるだけでなく、だるさを感じて日常生活に支障が出る方もいます。また、むくみは塩分の摂りすぎなどの一過性のものに限らず、何らかの疾患が引き起こしている場合も考えられます。
今回の記事では、むくみのメカニズムをテーマに体がむくむ7つの原因を紹介していきますので、体がむくみやすい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
むくみとは?
むくみとは、皮下組織に余分な水分が溜まっている状態です。人間の体の約60%は水分で構成されており、その水分の40%は細胞内液(細胞膜の内側にある体液)、20%が細胞外液に含まれます。そして、細胞外液の20%のうち、15%が間質液(細胞と細胞の間に存在する液体)となっています。
細胞内液と細胞外液は、それぞれ老廃物を除去したり細胞に栄養を送ったりする役割を持っていますが、両者のバランスが崩れると水分が細胞と細胞の間に溜まってしまい、むくみが起こるんです。
むくみ自体は病気ではありませんが、医学用語でむくんでいる状態を「浮腫(ふしゅ)」と呼びます。また、むくみと似ている症状に腫れがあります。むくみと腫れは同じような症状に見えるものの、むくみが水分の蓄積によって発生するのに対して、腫れは炎症が原因で特定部位の血液の量が増加することで起こるものです。
むくみが起こりやすい部位は?
むくみは体の中でもいくつかの部位で発生しやすく、頻繁にむくむ箇所には個人差があります。そして、同じ部位にむくみが繰り返し現れます。
むくみが発生しやすい代表的な部位は次の通りです。
・まぶた
・顔
・足
・手首
特に心臓から遠い足は、むくみが起こりやすい部位であり、ふくらはぎの張れが気になっている方も多くいらっしゃいます。
むくみのメカニズムは?
続いて、部位別にむくみが発生するメカニズムを見ていきましょう!
顔がむくむメカニズム
顔のむくみは水分量のバランスが崩れ、細胞の間に余分な水分が溜まることで起こります。また、運動不足で余分な水分を排出する機会が少なくなることや、ストレスや疲労による自律神経の乱れも顔のむくみを招きます。顔は人の印象に大きな影響を与えるため、顔がむくむと気になってしまう方が多いでしょう。
足がむくむメカニズム
足は人間の体を支える役割を持ち、体の中で最も低い位置にあります。そして、足を流れてから心臓に戻る血液は重力に逆らって流れなければいけません。
ふくらはぎの筋肉は、ポンプのような働きで血流を促進しますが、ふくらはぎの筋肉が何らかの理由でうまく働かなくなると、下半身はもちろん全身の血の巡りに悪い影響を与えます。特に頻繁に足がむくむ方は、ふくらはぎの筋肉の低下が影響している可能性が高いです。
まぶたがむくむメカニズム
まぶた周辺の血液の循環やリンパの流れが滞ると、まぶたが重く腫れたようにむくみます。まぶたがむくむと目つきや表情が変化して、見た目の印象も変わってしまいます。
まぶたのむくみが一過性のものでない場合は、甲状腺疾患や腎臓疾患が原因の可能性も考えられます。また、うつ伏せの状態で寝ることで物理的に水分がまぶたに蓄積し、まぶたがむくむ場合もあります。
むくみやすい人とは?
同じような生活を送っていても、むくみやすい人とそうでない人がいます。むくみやすい方の特徴は次の通りです。
・筋肉量が少ない
・運動習慣がない
・冷え性
・普段から塩分の摂取量が多い
・むくみの症状がある疾患に罹っている
・月経前または月経中の女性
・妊娠中の女性
むくみやすい人の特徴をみるとお分かりになるとおり、高齢者や女性がむくみやすくなっています。自分のむくみを改善したいと考えているのなら、筋肉量を増やしたり運動習慣をつけ、一般医療機器の着圧スパッツを着用する習慣をつけることが大切です。
体がむくむ原因とは?
体がむくむ原因には次のようなものがあります。むくみやすいと感じているのなら、自分の生活や習慣を見直してくださいね。
体がむくむ原因1.同じ姿勢を取り続けている人
立ち仕事やデスクワークなどで一日中同じ姿勢で過ごす時間が多い場合は、血流が滞ってむくみやすくなります。さらに普段の姿勢が崩れていると、より血の巡りに悪い影響を与えてしまうんです。
普段から姿勢を正す、ストレッチをする、足を上げ下げするなどの方法で、意識的に体を動かしながら血の巡りを促進させてくださいね。
体がむくむ原因2.塩分の摂り過ぎ
人間の体は体内の塩分濃度を一定に保つため、摂取した塩分量に比例して水分を溜め込みます。そのため、味の濃いものを好む方はむくみやすくなってしまうんです!塩分過多は高血圧などの生活習慣病も招きますので、普段から自分が摂取する塩分量を意識するべきです。
体がむくむ原因3.体の冷え
冷えた状態の体は血流に悪いのみでなく、リンパの流れも滞ります。その結果、体の一部に水分が蓄積してむくみにつながってしまいます。むくみの予防や改善に取り組みたいと考えているのなら、体の冷えがないか確認してみましょう!
体がむくむ原因4.運動不足
運動によって体を動かすと、ふくらはぎの筋肉がポンプのような働きをして血液を全身に行き渡らせます。運動不足の影響でふくらはぎの筋肉が衰えれば、足のみでなく全身の血流が滞り、むくみにつながります。さらに運動不足の方は、筋肉量が少ないことから体が温まりにくく、基礎代謝が低下して太りやすくなってしまいます。
体がむくむ原因5.アルコール
アルコールを過剰に摂取すると、血液中のアルコール濃度が上がり血管が拡張することでリンパや静脈の水分処理が追いつかなくなります。その結果、体の一部に水分が停滞してむくみが起こりやすくなります。飲酒習慣がある方は、アルコール摂取を適量までに抑えるべきでしょう!
体がむくむ原因6.妊娠・出産
妊娠中はホルモンバランスが崩れやすく、さまざまな不調が起こります。むくみは代表的な妊娠中の不調の一つです。特に妊娠後期には、大きなお腹を支えるために足の静脈が圧迫されて足がむくみやすくなります。また、妊娠中のむくみには産後の水分不足に備えて水分を蓄えようとする動きも関係しています。
体がむくむ原因7.病気
むくみは健康的な状態とは言えませんが、通常は病院で治療が必要なものではありません。ただし、病気のサインとしてむくみが発生する場合もあります。例えば、心不全・腎臓病・肝硬変などがむくみの症状が現れやすい代表的な病気です。普段よりもむくみの症状に異常を感じる場合や改善しない場合は、病院を受診しましょう!
むくみ対策・予防法
最後に、むくみの改善や予防に有効な方法について説明します。むくみにくい生活を習慣化させれば、血流やリンパの流れがスムーズになるでしょう!
むくみ対策1.塩分を摂りすぎない
体がむくむ原因でお伝えしたとおり塩分を摂り過ぎると、人間の体は体内の塩分を一定の濃度に保つ目的で水分を体に溜め込みます。その結果、体内の塩分濃度は下がりますが、体の一部または全体にむくみの症状があらわれます。
普段から塩分の過剰摂取に注意し、薄味を心がけた食生活を送ることで塩分の過剰摂取を予防できます。具体的な1日の食塩摂取量の目標は、男性で7.5グラム未満、女性で6.5グラム未満となっており、小さじ1杯の食塩が約6グラムです。減塩のコツとしては、柑橘果汁や巣などの酸味を加えたり、うまみを含んだ食品や出汁を活用するのがポイントです!
むくみ対策2.体を冷やさない
こちらも体がむくむ原因でお伝えしたとおり、体の冷えは血行を滞らせて全身のむくみにつながります。特に女性は足や下半身が冷えやすく、普段から体を温める必要があるでしょう。
具体的な体を冷やさないための方法には以下のようなものがあります。
・冷たいものばかりを口にしない
・体を冷やさないことを意識した服装
・季節に関わらず毎晩ゆっくり湯船に浸かる
・筋トレ
・ストレッチやマッサージ
・体を温める食べ物を口にする(ニンニク・玉ねぎ・しょうがなど)
冷えの改善は継続が大切ですので、生活に取り入れやすいものを試してみてくださいね。
むくみ対策3.一般医療機器の弾性ストッキングの着用
一般医療機器の弾性ストッキングは、むくみの改善、血行促進、リンパのめぐり改善の効果に期待できる医療用のストッキングです。一般医療機器の弾性ストッキングは、下肢静脈瘤専門病院やクリニックで診察を受けてから購入する方法だけでなく、インターネットで購入する方法がありますが、正しい使い方をしないと効果が得られませんので、医師に相談の上正しくお使いください。
まとめ:むくみのメカニズムとは?体がむくむ7つの原因を徹底解説!
いかがでしたか?今回の内容としては、
・むくみは細胞と細胞の間に水分が過剰に溜まるというメカニズムで起こる
・むくみが発生しやすい部位は顔・足・まぶたなど
・むくみは塩分の過剰摂取・運動不足・アルコールの過剰摂取・自律神経の乱れ・体の冷えなどが原因で発生する
・むくみを予防または改善するためには、体を冷やさないことや塩分を摂りすぎないことが大切
・一般医療機器の弾性ストッキングはむくみに効果がある
以上が重要なポイントでした。むくみを普段から予防するためには、食生活の見直しや運動に取り組みましょう!