空き家問題を考える~上手な実家じまい~(小林信之氏講演会)|学校記事|専修学校 #知る専

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空き家問題を考える~上手な実家じまい~(小林信之氏講演会)2024.03.28

尚学院公務員法律大学校
https://www.spula.ac.jp/

1.目的

空き家問題のプロフェッショナルである、小林建設(株) 代表取締役の小林信之氏の講義により、学生が空き家問題についての知識を得て見識を深めること。

2.内容

【空き家問題とは?】

・空き家とは、「1年以上住んでいない、または使われていない家」を指す。

 →賃貸用(50%)、売却用(4%)、二次的住宅(5%)、その他(41%!)

・それまで使われていた家が使われなくなることにって、様々な問題が発生する。

 →倒壊、外壁落下、害虫・悪臭発生、景観悪化など。

・空き家問題が解決されない一番の原因は、(子や孫への)問題の先送り。

・空き家問題は、生前に解決しないといけない。

【空き家の現状・空き家問題の原因】

・不動産は、「貸す」という考えがなかったため、流動化が進んでいない。

・日本の人口は2005年がピーク、世帯数は2015年がピーク。それ以降、それぞれ減少している。

・空き家率全国1位は山梨県。現在低い地域でも、いずれは高くなることが予想される。

 →低いのは、埼玉、沖縄、宮城など。地震・津波があった、学生が多い等がその理由。

・空き家の撤去が進まない理由は、細かく見ると、①相続などにより管理不全に陥る、②所有者不明、③跡地利用目的が定まっていない、④税金の問題、など。

【空き家問題の解決法】

・空き家対策→住む・貸す・売る・壊す・守る〇 放置する×

・人が住まないと、家は約35年でダメになる(木造の場合は、約22年)。

・不要な空き家処分例→①売却、②寄付・贈与、③相続放棄、④有効利活用後の処分

(その際、法的効力はないが、エンディング・ノートを活用する。)

・空き家問題はネガティブに考えがちなので、ポジティブにやる!

3.感想

・初めて聞くテーマについて、興味深い話をエネルギッシュに語っていただき、大いに知的刺激を受けた。個人的には、「知っているか知らないかで、人生変わる!」との言葉に共感した。重要な情報を知ることによって、我々が必要な情報や、考え方・行動も変わってくる。この知ることの良い影響は、最適なタイミングにおいて知ることで、最大化されるだろう。今日の講演が、皆それぞれの人生をより高みに導くものになるよう期待したい。(講師・儀武玄秀) 

・講義を受ける前は、取り壊しをすることが問題の解決に良いと考えていたが、その選択は最後の手段と分かり驚きました。 空き家問題をポジティブに考えることで、空き家に対する見方が変わりました。(3年・高橋東路)

・不動産が「富」動産から「負」動産になってきているという表現を聞いて、不動産を持つことはマイナスな面もあるんだと思った。空き家の相続人が200人いたケースもあったと聞いたときはぞっとした。普段あまり考えることのないことについて考える機会ができたので、とてもよかった。ファイナンシャルプランナーについて、少し興味が出てきた。(1年・島袋大成)

・空き家率が低い沖縄県に住んでいることから、空き家問題を身近に感じることは少なかったのですが、全国的に空き家が増加する可能性が高いことを聞き、まずは身の回りから考えるようと思いました。今後の空き家の活用については、外国人労働者やホームレス等、住む家を見つけることが難しい人に提供することが、地域の安全や平穏に繋がるのではないかと考えます。(3年・野崎未喜)

2024.03.28

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