武蔵小山に「ひつじ堂ブックス」 会社員から転身、店名は村上春樹の小説由来 - 品川経済新聞
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武蔵小山に「ひつじ堂ブックス」 会社員から転身、店名は村上春樹の小説由来

「ひつじ堂ブックス」店主の藤井嘉子さん(左)と夫

「ひつじ堂ブックス」店主の藤井嘉子さん(左)と夫

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 古書店「ひつじ堂ブックス」(品川区荏原3、TEL 03-4400-7909)が9月22日、武蔵小山商店街パルム近くにオープンした。

店名の由来となった小説『羊をめぐる冒険』などが並ぶ村上春樹コーナー

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 店主の藤井嘉子さんは短大卒業後、出版社へ就職。その後、別業界へ転職したが、50代になって「もう一度、好きな本に関わる仕事をしたい」と退職を決意した。「雇用される形だと十数年で定年を迎えることになる。だったら自分で本屋を開きたいと考えた」と話す。古書店でアルバイトしながら、棚貸し式のシェア型書店への出店や古物商許可を取るなど、準備を進めたという。

 店舗は、子ども向け絵画教室だった場所を改装した。「もともと住んでいてなじみのある武蔵小山周辺で、人通りがあり、賃料の折り合いがつく場所を探すのに1年半近くかかった」と藤井さん。店舗面積は7.26坪。

 店名は、藤井さんが好きな作家、村上春樹の小説『羊をめぐる冒険』に由来する。「小説の世界観も好きだが、書き続けるために常に題材の引き出しを増やしたり体調を管理したりと、小説家という職業への姿勢にも魅力を感じる」と話す。店内には村上春樹コーナーを設ける。

 古本をメインに、新刊本や雑貨も販売する。古本について、藤井さんは「たまに前の所有者のしおりやメモが残っていることもあり、温もりを感じる。良いと思える本を長く、次の誰かに読んでもらいたい」と話す。今は販売のみだが、将来的には古本の買い取りを予定する。新刊本は、「読むと明日も頑張ろうと思えるような、元気の出る本を選んだ」という。雑貨は、「自分が実際に使って便利だった」(藤井さん)という食器を選び、紅茶や文房具などもそろえる。

 「オープン後、さっそくお客さんから『本屋ができてうれしい』という声をもらった。5月に出店場所が決まって一気に準備を進めてきたが、それぞれの本の魅力が伝わるよう、今後も少しずつ棚づくりなどを工夫していきたい」と笑顔を見せる。

 営業時間は12時~19時。火曜・水曜定休。

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