シニアケアに関する商品や情報を紹介する店舗「MySCUE(マイスキュー)」(品川区東品川4、TEL 080-7362-5302)が9月12日、イオンスタイル品川シーサイド1階にオープンした。経営はイオンリテール(千葉県)。
MySCUEは「シニアケアの負担と不安を軽くする」ことを目的として、同社が2023年9月に始めた新事業。これまで、ウェブサイトで介護関連の情報を発信してきた。常設店の出店は今回が初。
リアル店舗について、経営企画本部広報部の大瀧和孝さんは「事業開始当初から念頭にあり、期間限定でイオン葛西店(江戸川区)にポップアップ出店をするなど、検証を重ねてきた。当初はシニア層が多い地域を想定していたが、ウェブサイトの利用者は10代から80代まで幅広く、さまざまな年齢層が暮らす品川シーサイドに出店した」と話す。
気軽に入りやすい雰囲気を意識し、サイトと同じ黄色を基調とした明るい店内に仕上げ、周囲の壁も少なくしたという。店舗面積は約36坪。
介護アイテムのショールームとして運営し、店頭で商品に触れたり使い心地を試したりできるが、その場で販売はせず、各企業のサイトなどからの購入を促す。店頭には、車いすやつえなどの福祉用具ほか、食器や衣類、口腔ケア用品などの生活雑貨、とろみのついたレトルト食品やサプリメント、コミュニケーションロボットなどの機器類など、70社から集めた約100種類の商品が並ぶ。
「ケアが必要になったとき、何を準備すればいいのか分からないという生活者の声は多い。一方、メーカー側としては、介護マーケットはあるものの顧客に情報が十分届いていないという課題がある。まずは商品について知ってもらう機会が双方にとって大事」と大瀧さん。オープン後、特に注目を集めたのは骨伝導集音器で、試聴希望者が多かったという。来年以降は、取扱商品をマイスキューの運営サイトからも購入できるようリニューアルする予定。
「管理栄養士による健康相談」「介護者自身のメンタル&ヘルスケア講座」など、介護や終活に関するセミナーや相談会をほぼ毎日開催する。MySCUE事業部マネジャーの小林圭さんは「行政書士による相続セミナーは特に反響が大きく、相続をする側と受ける側、どちらの世代からも参加があった。『気軽に相談できる場があまりなかったのでうれしい』といった感想をもらった」と話す。セミナーやイベントへの参加はLINEで予約を受け付ける。
小林さんは「オープンしてまだ間もないが、『将来の介護が不安』『離れて暮らす親が気がかり』など、さまざま事情を持つ人が訪れている。買い物のついでに立ち寄れる場所なので、周囲の目が気になりにくいという声もあった。安心して来てもらえたら」と呼びかける。
営業時間は9時~21時。