私の「考える」司法試験合格法 - 辰已法律研究所

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私の「考える」司法試験合格法

N.Hさん
受験歴: 1回
新潟大学法学部法学科
令和3年度司法試験予備試験合格
【受講歴】全国公開模試
予備試験ルート合格

1 司法試験受験を決意した経緯

 私は、小さい頃から法律に興味があり、漠然と法学部で法律の勉強をしたいと考えていました。そんな法律の興味がいつからか、弁護士という将来の夢へと結実し、大学入試を経て、司法試験の受験を決めました。何か特徴的なきっかけがあったわけではありませんが、司法試験を受けるということに対しては、小さい頃から考え続けていたと思います。
 初めは、出身大学に合格者がいないことやロースクールに憧れがあったこと、何より、自分には予備試験という難関試験が合格できるわけがないと思い、ロースクールを経て司法試験を受験しようと思い、大学1年生の頃から試験を意識しながら勉強を始めました。もともと法律に興味があったこともあり、勉強は特に苦にならず、毎日基本書を読んだり、ロースクールや旧司法試験の過去問を、同じく法曹志望の友人と解いたりしているうちに、「自分も予備試験に立ち向かえるのではないか」と思い立ち、先輩の後押しもあって、学部3年次に予備試験を初受験しました。その後、運よく一年で合格でき、そのまま翌年の司法試験を受験し、合格できました。

2 予備試験合格までの学習状況

 上述の通り、大学1年生の頃は予備試験ではなく、ロースクールルートによる司法試験の受験を考えていたため、予備校等は用いず、大学の授業や自主学習を中心に勉強に取り組んでいました。大学1年生で憲・民・刑については一通り学習を終え、この三科目については、ロースクール過去問レベルならばかなり良い出来になるまで仕上げることができました。
 大学2年生の春に予備試験の受験を決めましたが、このままでは合格は厳しいと感じ、某予備校の講座を受講しました。コロナウイルスの感染拡大により大学の講義の負担が軽くなったこともあり、約半年で会社法、民訴、刑訴、行政法の科目を仕上げ、冬休みごろから論文の過去問に取り組みました。過去問を一通り解いたのが3月の終わり頃で、まだ基本的な論証も完璧というレベルではなかったため、今年の合格は厳しいと感じつつも、最後まで諦めずに勉強し続けました。
 10月にまさかの論文合格を勝ち取り、その後は2週間で口述の対策をして何とか最終合格することができました。

3 予備試験合格後の学習状況

 予備試験合格後は、就職活動、大学の卒業論文、予備合格による燃料切れなどで、なかなか勉強に手がつかず、11月〜2月ごろまでは、選択科目の勉強を少しやる程度で、あまり勉強できませんでした。結局、この時期にあまり勉強できなかったことが、直前期のメンタルに多大な悪影響を及ぼしたので、予備試験合格者の皆さんは気を抜かずに勉強に取り組んでほしいです。
 2月以降は、全国公開模試に標準を定め、学習に意欲的に取り組みました。時間がなかったため、基本的には司法試験の過去問を起案ないしは答案構成をするという形でのみ勉強していたと思います。

4 受験対策

(1) 辰已全国公開模試
 私は、予備試験合格で、かつ、法曹志望者の少ない環境にいたため、自分の習熟度を測る目的で全国公開模試を受験しました。
 全国公開模試は、本年度も、出題及び特典で受講できる対策講座から出題論点が的中したものも多数あり、多くの司法試験受験生に受講をお勧めできます。
 また、全国公開模試は、自分の受験生の中での立ち位置を把握するためにも有用ですし、直前期に採点者から自分の答案を評価される機会を得られる(特に、同様の試験を多くの受験生が解いているという前提がある)という点でも合格に多大な貢献をしてくれると思います。

(2) 試験対策
 私の勉強スタイルは、基本的には、「ひたすら書く」勉強法です。この勉強法は、多くの合格者が指摘したものであり、受験界では、もはや使い古されたといっても良いほどですが、毎年のように紹介する合格者がいるということが、その有用性を示しているということもできるかもしれません。
 その内容は、文字通り、ひたすら書くというものですが、私は、学習初期から常にアウトプットの機会を設けていました。初めは、法律の知識や答案の作法についても疎いため、辰已の「ぶんせき本」などの再現答案の写経から始め、その後は基本書等を参照しながらの起案、最終的には過去問等のフル起案といったように、ほぼ毎日ペンを取る機会を作っていました。試験は、頭でいくら理解していても、他人から評価されるよう文章化できなければ、合格することができません。論理の運び方や当てはめの仕方、三段論法などやってみなければ身につかないことも多いです。そういった意味で、常にアウトプットの機会を設けることは良い勉強法だと思います。
 この勉強法は、合格者の先輩から助言を受けたことや、アウトプットが少なく、大学入試で失敗してしまった自分の体験を理由とするものですが、この方法は多くの人に通用すると思います。

(3) 使用した本(辰已)
①短答過去問パーフェクト

 予備試験・司法試験の双方において、私は短答対策として短答過去問パーフェクトのみを用いました。私は、予備試験で192点(法律科目168点)、司法試験で151点というそこそこの成績を修めることができましたが、これはこの書籍のおかげです。現在の試験においては、短答は過去問を完璧にすることが合格への近道であると思います。この書籍は、分野別に短答過去問が整理され、問題及びその解説が付されています。これを最低でも3周、間違えたり、たまたま正解できたりした問題をさらに2周解けば、ほぼ確実に短答式試験の合格ラインに到達できると思います。とりわけ、合格率が高まっている近年の試験では、短答式試験で高得点を取ることで、論文で要求される得点ラインが相当楽になります。毎日1時間、短答式試験の勉強に真剣に取り組むことが合格の近道と言えるかもしれません。

②ぶんせき本
 この書籍は、合格者の再現答案をまとめたもので、私は学習初期から受験直前までとてもお世話になりました。合格答案からは、合格のために必要な知識のレベル感(受験生の相場)、答案作成上のテクニック、事実の評価方法など、さまざまなことを学べます。近時は、個人ブログ、SNSなどでも再現答案を参照できるようになりましたが、その数や質、出題の趣旨、採点実感を含めた講師の先生方の解説がある点でこの書籍の存在感は変わらないと思います。

5 アドバイス

 気の向くままに書き連ねてきましたが、私の思う、司法試験合格に重要な能力は「考える力」だと思います。問題を分析したり、答案を作成したりする際に考えることはもちろん、自分の勉強は正しい方向を向いているのか、そもそも合格のためには何が求められているのかを「考える」ことは重要です。人に比べて優れた経緯を歩んできたとは言えない私が、早期にこの試験を合格できたのは、「考える」ことに重点を置いたからだと思っています。
 上から目線なアドバイスになってしまい、大変恐縮ですが、言われたことや聞いたことをただやるのではなく、それが自分に適しているのか、本当に必要なのか、常に検証し続ける姿勢が必要だと思います。

辰已法律研究所 受講歴

【2022年対策】
・全国公開模試

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