過去問で基礎を固め、スタ論、全国模試で穴を潰した - 辰已法律研究所

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過去問で基礎を固め、スタ論、全国模試で穴を潰した

蜂谷 晋司さん
受験歴: 新試験1回
早稲田大学政治経済学部政治学科
早稲田大学法科大学院 【未修】2018年入学・2021年修了
【受講歴】スタンダード論文答練 司法試験全国公開模試 他
選択科目

1 租税法を選択した理由

 選択科目として租税法を選択した理由は、全ての選択科目を見渡した中で、単純に興味があったからです。私自身は弁護士を志望しており、税金は弁護士業務において副次的に影響してくると考え、受験生の段階で基礎的な知識を習得しておきたいと思い選択しました。
 また、労働法や倒産法については将来実務で役立つことは自明でしたが、試験範囲が広いという情報があったので敬遠しました。

2 メリットとデメリット

 租税法を選択するメリットは、教材が少なく、他の受験生と勉強方法が被るので、相対的に点数が安定し易いと思われる点です。特に、著名な問題集が少ないので、受験生は司法試験過去問を主要な教材にすると考えられます。
 したがって、租税法選択者は司法試験過去問を重点的にこなせば点数が安定すると思います。
 また、覚える範囲は多くはなく、問われ方もいくつかのパターンに分類できるので、基本的な知識と答案の型を習得すれば点数が安定し易いと思います。
 デメリットとしては、メリットの裏返しとして、教材が少なく、答案の添削を受けられない環境では勉強の方向性や解答のイメージをつかみにくいと思われる点が挙げられます。
 特に、解答のイメージがつかめなければ、知識があっても評価されにくい答案になってしまうと思います。

3 法科大学院での選択科目学習状況

 租税法の試験範囲である所得税法、法人税法の合計4単位分を3年時に履修していましたが、本格的に学習を開始したのは3年時の11月頃からでした。
 また、大学院のチューター制度を利用して、ほぼすべての年度の司法試験過去問の添削を受けていました。

4 私がやって成功した選択科目攻略法

 私は、基本7科目の勉強で手一杯であり、かつ本格的に租税法の勉強を始めたのは3年時11月頃からだったので、選択科目は50点前後を目標に、足を引っ張らない程度に学習していました。
 最初に基本書でざっと試験範囲を1周読んだ後は、司法試験過去問を最新年度から平成18年度までさかのぼって解きました。
 司法試験過去問は、いきなり起案するのではなく、1周目は問題文と解答例を読み、わからないところは基本書や一元化教材に立ち返るという作業をスピーディーに行いました。
 2周目以降は、実際に起案して添削を受けるという方法をとりました。
 上記作業に並行して、辰已の趣旨規範ハンドブックに要点をメモするという作業を行っていました。
 3周目は、答案構成と2周目で添削を受けた際に指摘された部分の復習に努めました。
 最終的には3周目の途中で本番を迎えました。
 私の司法試験における租税法の点数は約55点でしたので、少ない学習時間の中で何とか目標達成することができたという印象です。

5 使用した本

 『スタンダード所得税法』、『スタンダード法人税法』、『一冊だけで租税法』、『判例百選』、『租税法判例六法』を使用していました。
 基本書は、『スタンダード所得税法』、『スタンダード法人税法』を使用していました。しかし、腰を据えて通読したわけではなく、全体像を把握するためにざっくりと流し読みをしていました。また、過去問演習で理解が不十分な論点があれば、その都度関連する部分のみを読み返していました。
 一元化教材として、辰已の『一冊だけで租税法』を利用していました。この本に採点実感や基本書の情報を加筆していき、直前期や試験前日に読み返せるようにしていました。また、司法試験過去問の問題文・出題趣旨・採点実感や上位答案も掲載されているので、過去問演習の際には必ず使用していました。
 『判例百選』は、通読しておらず、過去問演習の際に補助的に使用していました。解説部分はあまり読まず、事案の概要を重点的に読んでいました。
 『租税法判例六法』は、租税法を学習する際に、常に使用していました。

6 辰已講座の利用方法とその成果

 上述の通り租税法には教材が少ないので、スタ論や全国模試で自分の知識や答案の書き方に穴がないかを確認しました。ただし、解答例をそのまま覚えて、司法試験本番でもその通りに解答することは現実的ではないと考えたので、あくまでも論点の確認と点数の取り方という2点に絞って復習しました。
 特に、配点表をよく読み、どうすれば現在の自分の知識で最大限点数を伸ばせるのかを検討しました。
 私は条文の指摘が甘い部分があったので、本番に向けて条文の指摘を意識して学習を行いました。
 また、未知の問題が出題された際も、自分の知識を最大限活用して点数を取りに行く訓練ができたと思います。
 スタ論、全国模試ともに点数は振るいませんでしたが、何故点数が低かったのかを分析することで、司法試験では二の轍を踏まないように気を付けました。

7 自己の反省を踏まえ、これから受験する人へのアドバイス

 選択科目初学者に対しては、早期に租税法の全体像や特有の考え方を身に着けていただければと思います。基本書も発展的な内容はスルーするなど、メリハリをつけて読んだ方が効率がよいと思います。私は選択科目の学習を開始するのが遅く、かなり焦りながら基本書を読んでいたので当初は浅い理解にとどまっていたと思います。そして、早い段階で司法試験の過去問にチャレンジすることをお勧めします。早めに最終到達目標を確認しておくことで、学習が誤った方向に進みづらいからです。
 来年受験する方に対しては、残された可処分時間で合格をつかみ取るためにできる学習を行っていただければと思います。司法試験は論文8科目、短答3科目と範囲が広く、科目間でも点数が伸びやすい、伸びにくい等の特性があります。合格だけを考えるのであれば、全ての科目で高得点を追い求める完璧主義に陥らず、全科目を通じて合格最低点を超えさえすればよいので、戦略的に自分に合った学習を進めてください。特に、租税法の場合は、絶対に覚えていなければならない基本的な論点や条文操作と司法試験の頻出分野をマスターしさえすれば、他の科目の足を引っ張ることにはならないと思います。
 皆様の合格を祈念しております。

辰已法律研究所 受講歴

【2021年対策】
・スタンダード論文答練 福田クラス(第2クール)
・司法試験全国公開模試
・民訴強化講義Just6時間

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