海に学んだ青春経営:有言即行の50年(加藤義和著、財界研究所)
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海に学んだ青春経営:有言即行の50年(加藤義和著、財界研究所) [生活]

海に学んだ青春経営:有言即行の50年(加藤義和著、財界研究所)

海に学んだ青春経営:有言即行の50年(加藤義和著、財界研究所)をご紹介します。加ト吉(現テーブルマーク)創業者の生き様と功績を紹介する書籍です。日本の冷凍食品業界の草分け的存在であり、その人生と功績は日本の食文化に大きな影響を与えました。(文中敬称略)




著者として記されている加藤義和(かとう よしかず、1936年(昭和11年)1月7日 - 2021年(令和3年)2月5日)は、加ト吉(現・テーブルマーク)の創業者です。

我国の冷凍食品といえば、1950年代からニチレイやニッスイなど、水産加工会社がパイオニアですが、冷凍うどんのように、非魚介類の食材や食品カテゴリーで、圧倒的な地位を築いた企業が加ト吉(現テーブルマーク)です。

加ト吉の成功後は、観音寺市議会議員→市議会議長→観音寺市長をつとめました。

居酒屋チェーン店の村さ来を傘下に収め、テイクアウト寿司の京樽も管財人をつとめました。

地域の産業を基盤に新しいアイデアで勝負



加藤義和は、1924年に香川県観音寺市で生まれました。

戦後の日本では食糧難が深刻な問題でしたが、加藤は地域の農業資源や食品加工技術を活かして、日本の食卓に新しい価値を提供したいという思いを抱きます。

中学卒業後、魚の行商を始め、農業と食品加工の可能性に着目し、1956年、20歳で加ト吉水産を創業し、社長となりました。

もともと、祖父の吉次郎が、カタクチイワシや小エビの加工を行う水産加工業の個人商店が母体になったものです。

当初は冷凍魚の加工販売が中心で、地元で獲れる魚を主に取り扱っていました。

これだけなら、すでにニッスイやニチレイなど、先行する大企業がありました。

加ト吉が革新的だったのは、讃岐うどんを冷凍食品として開発し、本場の「もちもち感」や「コシ」を維持した点です。

これにより、うどんという生鮮食品を家庭用冷凍食品として成功させ、冷凍食品市場における地位を確立しました。

生のうどんを茹でるのは面倒。

かといって、袋のインスタントでは、生うどんのモチモチ感が出ない。

加ト吉の冷凍うどんは、大当たりしました。

そして、コロッケやエビフライなど、食卓だけでなくお弁当の一品になる商品に領域を広げました。

その躍進をまとめますと、まず加ト吉の創業の原点は、香川県の豊富な農水産資源を活用することにありました。

特に讃岐うどんや冷凍魚介類など、地元の特色を全国に広めることを得意としていました。

さらに、香川県産の野菜や穀物を冷凍食品に加工し、食品の付加価値を高めました。

高品質な冷凍食品の提供を通じて、「冷凍食品=便利だけでなくおいしい」という質的向上に貢献しました。

1.地域の産業を基盤にして、
2.市場に新しい価値観をもたらした、

ということです。

でも、正直なところ、テーブルマークという現在の社名よりは、加ト吉の方が馴染みがありますよね。

加ト吉が「テーブルマーク」に社名変更した背景には、ブランドイメージの刷新や親会社(日本たばこ産業:JT)との戦略的な方向性の一致にあるとされます。

ただ、社名変更の主な理由は、不祥事もその流れを加速させた要因と見たほうが良いかもしれません。

2007年4月に、過去6年にわたり巨額の架空売上を計上していたことが発覚し、さらに架空売上の計上が、加ト吉と、資本提携していたJTの組織ぐるみで行われたことも判明し、その信用は大きく失墜しました。

社の刷新として、まず、JTが加ト吉の全株取得のTOBを行い、上場廃止とした上で完全子会社化しました。

本当は、その子会社の株の49%を、日清食品が取得する予定だったのですが、2008年に発生したJT子会社のジェイティフーズによる中国製冷凍餃子中毒事件の影響で、その話は流れ、結局JTの完全子会社のまま営業を続けることになりました。

国産米のピラフなど提供



我が家でも、テーブルマークの商品はお世話になっています。

えびピラフ、新鮮卵のふっくらオムレツ、自然解凍の栗かぼちゃコロッケなど、馴染みがあります。

えびピラフは、お米だけでなく、玉ねぎも国産ですね。

不祥事はよくありませんが、どこが親会社であっても、安全で美味しい商品を提供していただきたいですね。

テーブルマークの商品は、利用されていますか。

海に学んだ青春経営: 有言即行の50年 - 加藤 義和
海に学んだ青春経営: 有言即行の50年 - 加藤 義和
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おっつぁん

加ト吉のCMソングが脳内を駆け巡りますな。
by おっつぁん (2024-12-26 23:43) 

mutumin

加ト吉の讃岐うどんは食べましたね。テーブルマークという名前は初めて知りました。自分の作った冷凍食品は使うけど、ほぼ買う事はありません。せいぜい海老とかミックス海鮮位ですね。
by mutumin (2024-12-27 03:58) 

夏炉冬扇

人に例えれば幼稚園くらいですよ。薬を使わないと、虫の害の少ない冬場に育て、春先の収穫になります。
by 夏炉冬扇 (2024-12-27 07:49) 

mau

冷食もカップ麺も大変お世話になってます
by mau (2024-12-27 10:11) 

ソレイユ

Seesaa ブログへのコメントありがとうございます。
いっぷくさんは、BMI22、とのこと、
理想的な数値ですね。
今後ともよろしくお願いいたします。
by ソレイユ (2024-12-27 11:07) 

ムサシママ

今年もいよいよ押し迫ってまいりました
ssブログからseesaaブログに完全引っ越しを済ませました
新しいお家の住所です
https://musashi2000.seesaa.net/
来年もどうぞよろしくお願い致します
改めてご挨拶まで。
by ムサシママ (2024-12-27 11:16) 

pn

今はあまり買わないけど冷食にはマジお世話になりまくってたなぁ。
で、買う時テーブルマークってどこのどいつよ?って事で避けていた記憶がf^_^;
by pn (2024-12-27 12:18) 

AKAZUKIN

最近の冷凍食品の進化はすごいですよね。
そのうち、大半が冷食になりそうな気がするときがあります。。
by AKAZUKIN (2024-12-27 12:25) 

センニン

こんばんは。
不祥事があると名前を変えるというのはよくありますね。
雪印乳業とか。のちに吸収されましたけど。
by センニン (2024-12-27 18:33) 

かずい

加ト吉の冷凍讃岐うどんの成功秘話に感動しました。地域の資源を最大限に活かし、日本の食文化に新たな価値を提供した、その革新性がすごいと思いました。
by かずい (2024-12-27 20:47) 

いっぷく

みなさん、コメントありがとうございます。

> 加ト吉のCMソング
かーとーきっちゃん、かときっちゃん♪という歌ですね。

> 加ト吉の讃岐うどんは食べました
やっぱり加ト吉といえばうどんのイメージです。

> 人に例えれば幼稚園
そうなんですか。あれが大きく丸くなるんですね。

> 冷食もカップ麺も
カップ麺といえばホームラン軒でしょうか。

> 今後ともよろしくお願いいたします
こちらこそよろしくお願いいたします。

> 来年もどうぞよろしくお願い致します
こちらこそ来年もよろしくお願いいたします。

> テーブルマークってどこのどいつよ
加ト吉とは似ても似つかない名前ですからね。

> 大半が冷食になりそうな気がする
ショートケーキまで冷凍になっていますからね。

> 不祥事があると名前を変えるというのはよくありますね
名前を変えて悪いイメージを忘れてもらおうということでしょうか。

> 日本の食文化に新たな価値を提供した
冷凍うどんはあの食感がいいですね。

by いっぷく (2024-12-28 18:39) 

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