宮城県での詐欺で逮捕
詐欺罪で逮捕された場合について、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部が解説します。
【事例】
宮城県涌谷町に住むAさん。
高校の部活の後輩が、最近あまり使っていないというバイクを持っているというので、
「少しの間、貸してくれないか?」
などと言って、バイクを借りました。
しかしAさんの内心は、出来れば後輩に返さずに、うやむやにしてそのまま自分の物にできたら、と考えていました。
しばらくバイクを使ったあとに、後輩から何度も返却を求められましたが、毎回、
「すまない、近々どうしても使う用事があるんだ」
などと適当な理由を付けてはぐらかしていました。
その後、Aさんはバイクを勝手に売却していたことが判明。
後輩が警察に相談した結果、Aさんは遠田警察署の警察官に逮捕されました。。
(フィクションです)
~詐欺罪が成立~
Aさんは自分の物にするつもりで、後輩からバイクの引き渡しを受けました。
この行為には、詐欺罪が成立することになるでしょう。
刑法第246条1項
人を欺いて財物を交付させた者は、十年以下の懲役に処する。
Aさんはいわゆる借りパクをするつもりでした。
しかし、「少しの間、貸してくれないか?」と言って、後で返すつもりであるかのようにだまして、後輩からバイクの引き渡しを受けました。
したがって詐欺罪が成立することになります。
~本当に返すつもりだったら~
Aさんが、最初は本当に返すつもりで借りたのに、返すのが惜しくなって使い続け、売却してしまったという場合には、借りた時点では後輩をだましたわけではありませんから、詐欺罪は成立しません。
しかし、代わりに横領罪が成立してしまうでしょう。
第252条
自己の占有する他人の物を横領した者は、五年以下の懲役に処する。
後輩のバイクは、Aさんにとって「自己の占有する他人の物」です。
そして「横領」とは簡単に言うと、所有者を裏切り、まるで自分の物であるかのように扱うことをいいます。
返却を求められても返さずに使い続け、しまいには売却してしまったというAさんの行動は、あくまでも貸したつもりだった後輩を裏切り、まるで自分の物のようにバイクを扱ったので、「横領」にあたるでしょう。
借りパクも、逃げ切れずに返却やそれに代わる損害賠償をしなければならなくなるだけでなく、場合によっては犯罪者として処罰を受けてしまう可能性があるわけです。
~今後の刑事手続きの流れ~
逮捕されたAさんは、まずは最大で3日間、警察署等で身体拘束され、取調べ等の捜査を受けます。
そして逃亡や証拠隠滅のおそれがあるなどとして検察官が勾留(こうりゅう)を請求し、裁判官が許可すれば、さらに10日間の身体拘束がされる可能性があります。
この勾留期間はさらに10日間延長されることもあります。
犯行を否認していたり、前科がある場合などには、逃亡や証拠隠滅のおそれが高いので勾留するという判断がされやすくなります。
その後、検察官が被疑者を刑事裁判にかけると判断すれば(起訴)、刑事裁判がスタートします。
被害が比較的少ない、被害者と示談が成立している、前科がない(少ない)といった事件では、不起訴処分(起訴猶予処分)となり、前科も付かずにここで手続が終了することもあります。
起訴された場合には、裁判で無罪や執行猶予とならない限り、刑罰を受けることになります。
弁護士としては、勾留を防いで早期に釈放されることを目指した上で、被害者と示談を締結するなどし、不起訴処分や執行猶予などの軽い結果となるよう弁護活動をしてまいります。
~弁護士にご相談を~
逮捕されると、ご本人やご家族は、いつ釈放されるのか、どのくらいの罰則を受けるのか、取調べにはどう受け答えしたらいいのか等々、不安点が多いと思います。
弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所は、刑事事件・少年事件を専門とする弁護士事務所です。
ご家族などからご依頼いただければ、拘束されている警察署等にすみやかに接見に伺います。
また、逮捕されていない場合やすでに釈放されている場合は、事務所での法律相談を初回無料でお受けいただけます。
詐欺罪や横領罪などで逮捕された、捜査を受けているといった場合には、ぜひ一度ご相談ください。