1 脱税とは
脱税とは、本来納めるべき税金を、故意に納めなかった場合を指します。
もちろん、納税するためには、収入や経費等を詳細に記載する必要がありますから、勘違いや記入漏れなどが起こり得ます。この場合にも、納めるべき税金を納めていないことになるのですが、あくまで過失で納めていなかっただけなので、脱税とは評価されません。このような記入漏れ等に対しては、修正をする手続きが存在します。また、税務署が修正すべきと判断した場合には、更生決定等が税務署から送られてきますが、これは脱税とはまた別の話です。
2 税法違反の罪
税金には様々な種類がありますから、ここでは所得税を例にとって刑罰を見たいと思いますが、法人税法等にも同じような条文があります。
①所得税を適切に納めなかった場合(いわゆる脱税)
→10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金又はこれらの併科
罰金額については、1000万円以上脱税した場合にはその金額まで引き上げられる。
②確定申告書を提出せず、納税義務を免れた場合
→5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金又はこれらの併科(罰金増額有)
③源泉徴収を適切に行わなかった場合
→10年以下の懲役若しくは200万円以下の罰金又はこれらの併科(罰金増額有)
④確定申告の申告書を期限までに出さなかった場合
→1年以下の懲役又は50万円以下の罰金(情状により刑の免除可能)
3 税法違反の罪の捜査
税法違反の罪は、特殊な犯罪ですから、警察では十分な捜査が困難です。
そのため、国税犯則取締法により、税務署の職員が捜査を行うこととなっています。
税務署の職員に逮捕権限はないものの、裁判所から令状の交付を受け、帳簿の差押えを行うことも可能です。
捜査を行い、脱税の嫌疑があると考えた場合には、税務署は検察庁に対して告発することになっています。
所得税などの直接国税とは異なり、間接国税については通告制度があります。間接国税について、脱税の心証がある場合には、罰金額に相当する金額の納付を通告し、納付をすれば告発を行わないという制度です。なお、間接国税のうち、国内取引分の消費税については通告制度の適用範囲外になっているため、いきなり告発されることになります。
脱税事件の弁護
- 脱税金額の計算
脱税事件では、国税がある程度嫌疑を固めてから告発を行い、検察庁による捜査が行われます。そのため、いったいいくら脱税したのか、予め把握されている場合があります。
また、脱税を認める場合には、修正申告をして、重加算税等を支払えば有利な情状となることから、早期に脱税額の計算をする必要があります。
脱税を疑われている状況にあるので、仮に修正したとしても直ちに信用してもらえるとは限りません。弁護士が受任することで、客観的な資料を作成することができます。
- 身柄解放
逮捕・勾留されてしまうのは、証拠隠滅や逃亡のおそれがあるためです。そこで、弁護士は早期釈放・早期保釈のために証拠隠滅や逃亡の恐れがないことを示す客観的証拠を収集し、社会復帰後の環境を整備するなどして釈放や保釈による身柄解放を目指します。 - 証拠収集
否認事件では、冤罪を防止すべく、客観的な資料の捜査や、通達の精査等弁護側独自で有利な証拠を収集・提出できるよう活動します。
税法違反事件でお困りの方は、弁護士法人あいち刑事事件総合法律事務所仙台支部へお問い合わせください。
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