西 宏起 Nishi Hiroki ー 助教 ー
■ 代謝栄養学 代謝内分泌学
- 大学院理工学研究科生命科学部門生体制御学領域 所属
- 博士前期課程生命科学系専攻生体制御学プログラム 担当
- 理学部生体制御学科 担当
研究について
私の知る限りほぼ全ての動物種は、体の大部分が炭素・窒素・水素・酸素で、あとはリン・硫黄・カルシウムをはじめとした微量元素で構成されています。各元素の構成比は動物種によって多少の違いはあるものの、この原則はあらゆる既知の動物種に普遍的に当てはまります(地球上には多種多様な動物種が生存しているのになぜみんな同じなのかを考えるのも面白いですね)。したがって、あらゆる動物は体構造を作り生命を維持し子孫を残していくためにこれらの元素を“適切に”体内に取り入れていく必要があります。これを「栄養」といいます。実は栄養を考える上ではこの“適切に摂取する”というのが非常に重要かつとても難しい問題なのです。(私たちヒトも含めた)全ての動物は「この栄養素を何g摂取するのが適切です」という教科書通りに食餌摂取しているわけではないし、そもそも何が適切なのかも本当のところはよくわかっていません。もっと言えば、“適切な摂取量”は文脈によって大きく変わるはずだし、個体差もあるはずです。しかし不思議なことに動物は教科書なんかなくても自身の栄養状態を認識してそれに応じて“適切に”代謝を制御し、ホメオスタシスを維持することができます。私はこの、動物が栄養環境の変化に柔軟に応答して代謝制御する普遍的な仕組みを明らかにしようと研究を行っています。