また上杉隆氏が(以下略 - 荻上式BLOG

また上杉隆氏が(以下略

またまた、上杉隆氏の番組で誤情報を流された。今回はその拡散に、ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏も加担している。番組では、次のような言及があった。

川島ノリコ:オプエドの中でも色々な意見があってっていう。
上杉隆:それがまた健全なんですけれど。番組内で意見が分かれて。
田村淳:そうですね。色んな意見があっていいわけですから。俺と反対の意見なんだからって、嫌いになったりしないですもん。普通の人って反対意見が一つあったら友達じゃなくなるみたいな感覚を持っているでしょ。
川島:小学生みたいな感じですよね。いま、中でも「いじめみたいだね」というつぶやきがいくつかあったんですけど。
上杉:普通の人よりも、もっと酷いのは日本のメディアの人なんですよ。僕と意見が違う人いっぱいいるんですけど、意見が違う度にどんどんどんどん敵が増えていくんです。でも、違うのは当たり前じゃないですか。だから、ぼくは人格攻撃してないのに、僕と意見が違うと「あいつはダメだ」「あいつは敵だ」となるんですよ。それがね、ジャーナリストの先輩に限って、全員そうなっていくんですよ。
田村:へえー
上杉:すごいなぁと思って。
田村:俺の中で違う意見を持っている人があらわれたら、「えっ、何でそういう風に思うの」って知りたくなっちゃう。
川島:そうですよね。いろいろ話していると、「あっ、そうか、そういう風に思うから、感じるのは、じゃああなたの意見ですよね」って。
田村:話し合うと意見が変わることもあるんですよ。当然、人間だから。その場合、意見を変えた時に、「お前は考えがブレている」と言われるんですよ。
上杉:はははは(笑)。
田村:そんなことないですよ。だって、はじめての意見に触れて、自分の考えが変わることなんて生きていて楽しいことじゃないかと思って。
上杉:本当にそう。
田村:それを、否定する材料を見つけるのが上手い人は、どんな角度からでも否定してくるんで。だから、俺が一番やりたいのは、俺の事、誹謗中傷してる人と直接会って話したい。どこまで理解し合える仲になるか俺は試したいですよ。
川島:その方たちが出てきてくれるかどうかですよね。
田村:でもね、目の前には来ないと思うから、電話番号を出したこともあるんですけど、かかってこないですよね。
上杉:来ないですよ。だって、僕も色々な批判をしているけれど、そういう意味では堂々と話し合いたいわけですよ。だから、池上さんにも4か月くらいやっているけど来ないと。これ、ジャーナリストの人がそうなんですよ。津田大介さんもそうだし、江川紹子さんもそうだし、荻上チキさんもそうだし。異論があるから、戦ったから、違う意見の方が面白いわけじゃないですか。でも、依頼すると、全部拒否。でも裏ではツイッターでは悪口言っているわけですよ。
田村:ははは(笑)。
上杉:だったら、話し合って、こっちが行くんだからと。来てもいいし、行ってもいいし、どういうやり方でもいいから、と言っても駄目なんですよ。
田村:会った方がプラスしかないですけどね。違う意見なんだということを確認し合うこともプラスだから。
上杉:意見の違いで論争するほど面白いことはないじゃないですか。だってタダですよ。自分と違う意見というのは批判とか異論ってのは、自分にとっての情報だから、自分を成長させるのに。同じ意見の人だけ固まったって成長止まっちゃうじゃないですか。
池上彰氏Dis、上杉氏新刊宣伝などあって)
川島:あともう一つですね、ずっとあった問題と言いますか、オプエドにもたくさんツイートが……淳さん少しだけ大丈夫ですか。上杉さんのことなんですけど。
田村:はい。
川島:「荻上チキさんについて上杉さんから取材申し込み自体無かったと本人がおっしゃっていましたが。」
上杉:うええええええええ?
川島:こういうつぶやきがですね、今は松本さんという方なんですけれども。その他の方も……
上杉:チキさんに今つぶやけばいいんじゃないんですか。
川島:はい。荻上チキさんに対しての問題が沢山呟かれて。
上杉:取材申し込みしましたよね。
川島:でも、荻上さんは「来てない」と。ネットで言っている。
田村:駄目ですよ。ネットで返しちゃ駄目ですよ。
上杉:駄目ですよね。
田村:直接お話しましょうよ。
上杉:自分で、事務所もちゃんと言っているんで、ぜひ。こういうね、嘘をついちゃだめだよ。やっぱり。
川島:そうですね。
上杉:それは無いでしょ。

川島:でも、それを信じていらっしゃる視聴者の方は……。それも私にも来るんですよ。
田村:へえー
川島:上杉さんはそういう風に言っているけど……
田村:ぼくはチキさんと一緒に番組をやったことがあるんですけど、まあ明快な解説してくれますよ。だから、そんな二人が相まみえたらどういう風になるのか、俺は見たい。
上杉:朝生で一緒に何回か出たことあるんだけど。
川島:だからきっと、間に入っている人たちが色々こう。
上杉:そうそう。あと、本人も確認していないでそんなことを言う。ぼくは荻上チキさんが朝生に出れなかった時の取材っていうのは、ウチのスクープを基に、テレビ朝日がなぜそういう風にやったかという。テレビ朝日は自主規制の取材をしたんですよ。田原さんとか5人くらい。テレビ朝日の取材だから、荻上チキさん関係ないわけですよ。「テレビ朝日が自主規制した」という取材をしてそれを書いたわけです。で、そこにいくらね、取材していないと言ってもそれは関係ないわけですから。だって小島慶子さんだってそうだし、していないです、それは。だってテレビ朝日側の取材だから。それを基に言っていると思ったら、それは荻上さんの勘違いだし、その後そういう勘違いが無いようにと。ということで出演依頼を含めてしているのには対しては、出演依頼をして、30秒くらいでしたっけ、30秒くらい? で……
田村:オプエドにチキさん来てもいいんですよね。
上杉:もちろんです。もちろん。もちろん。こっちも出てもいいんですよ。TBSとか。
田村:お互いに行きあうのが一番良いですよね。
上杉:それを断って来たんですから。出ないと。
田村:へえー
上杉:だから議論をしないと、話はつかないし、少なくとも他の業種と違って、ずっと言っているんですけど、ジャーナリストとか評論家は口で糊しているわけですから。これで商売しているわけですから。ここは、きちんと下げちゃだめだと思うんですよ。
田村:そうですね。チキさんぜひ、上杉さんそんな悪い人じゃないんで。ぜひ。
上杉:ぜひ。TBSでも、いつでも良いので。シノドスもなんでもOKと。オプエドももちろんOK。
田村:それでまた、オプエドが面白くなるし。
上杉:全然OK。
川島:そうすると、それを今まで問題というか、気にしていた視聴者の方も、スッキリするかもしれないですからね。
上杉:本当に、そういう様な、周りのね、噂だけでどんどんどん論が立っていく。
川島:そうですね。
田村:本当ですね。
上杉:デマもそうだけどね。僕がなんでデマと言われているのか、最初からもどって皆さんきちんと調べてください。


相変わらずのようで、以下、例によって箇条書き。


・まず、上で読まれたツイートはこちら

・川島ノリコ氏が読み上げたこのツイートはそもそも間違い。正解は「朝生の件では上杉氏からの取材は受けていない」「デマを流されたことをブログで指摘したら、唐突に出演依頼が来たが断った」であり、このツイートはこの両者の時系列を混同している。それをそのまま紹介する川島氏も問題である。
・上杉氏の「取材申し込みしましたよね」というのも間違い。「出演依頼」には「取材」の件は一切触れていない。メールには単に、「新しいメディアのありかたについて」というテーマで当番組に出演してくれ、という内容だった。
・そもそも、こうしたツイートでの伝聞を元に、他人に対して「嘘をついちゃだめだよ」などと評価するような人の取材を受けても、良質な記事になるとは思えない。
・上杉氏は、「テレビ朝日側の取材だから」僕には取材する必要はなかったという理屈を述べている。それならやはり、「取材依頼」は出していないということになるのだが。
・ちなみに、この上杉氏の理屈については首をかしげる。テレビ局と出演者の間にトラブルがあった今回、それぞれの言い分や経緯を確認するために、双方に取材しようとするのは普通だろう。実際、多くの記者が、テレビ朝日にも僕にも取材を申し込んできた。しかし、上杉氏はテレビ局側の取材だけで十分と考えたようだ。
・僕の主張に関しては確認をしないでいいと言いつつ、上杉氏は前回の番組中で、僕のことを「えー本人がなんか一生懸命、自分に圧力がかかったと言っていますが、全然違います」「取材しないで、思い付きをツイッターなどに書いていたのが荻上チキさんということで」と、デマと共に嘲笑した。僕の対応について調べもせずデマを流したわけだが、今回の動画ではそのことを誤魔化している。詳しくはこちら→ http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20141202/p1
・今回の番組でも、「それは荻上さんの勘違いだし、その後そういう勘違いが無いように」と言っているため、上杉氏の認識は今でも変わっていない。取材どころか、ツイートさえ読めば確認できる事実すら確認できていない。
・というか、「ジャーナリスト」なのであれば、文章でレスしてもいいはずなわけだが、やたらと有料番組に出ろ出ろ言うのは、自己宣伝にしか見えない。
・上杉氏が「デマと言われている」理由は単純で、上杉氏がデマを流したからである。



最後に、田村淳さんへ。
僕は芸人としての淳さんを尊敬しています。しかし、いまあなたが加担しているのは、炎上ビジネスです。
デマを流し、嘲笑した人がいて、その人が「反論あれば番組に出ろ」と言っている。そんな状況であなたは、事情もよくわからないまま、「面白いから」「見たい」という理由で出演を促す。実に無責任な行為だと思いますし、淳さんの信頼も損なう行為だと思います。
当然、僕がその番組に出演しても何の得にもなりません。自分の関わるメディアに彼を呼ぶことについても、僕は損しかしません。見ている人への説明であれば、このブログで書いたほうがあの番組より多くの人に届きますから、これで十分です。
あと、当たり前のことを。「悪い人じゃない」ことは、仕事の良質さを保障しません。念のため。これからも何かと気を付けてください。


(2015年最初のエントリがこれでいいのかという気もするが、更新が少ないとこうなるのだ)



【関連】
朝生の一件で、上杉隆氏にデマを流された事案まとめ
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20141202/p1


また、上杉隆氏のネット番組で誤情報を流された事案について
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20141223/p1


「裏をとっている」とは何か
http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20120323/p1