『公楽園』(新潟旅行1/2・燕市) - 海象ノ日記

海象ノ日記

はるかな昔に さりし人の歌 今日も街に流る おもかげ知らずに 歌われる歌よ 今日も街に流る (シャルル・トレネ)

『公楽園』(新潟旅行1/2・燕市)

その店は、えらく遠いところにあった。


朝霧の白山島(はくさんじま)
午前9時に出発し、新潟のパチンコ屋「ajax」を午前11時通り過ぎ…

お昼は新潟ローカルの弁当・食堂チェーン「たわら屋」にて摂る。

唐揚げ定食¥530

福島乙とは…

お前は笑っているのか、泣いているのか、それとも…

迷いに迷ったが、それらしい手がかりを手に入れ
田んぼの中を突き進む
午後三時になってしまった。
この先にあるのは、希望でも絶望でもない。
公楽園があるだけだ。
小雨の中をひたすら進めども進めども
公楽園は遠くに行ってしまう…
そんな妄想さえ浮かんだ矢先の事である。

想像以上でも以下でもなく
公楽園はその姿を見せ、確かに実在した。
その寂れ具合は頭の中で何度も思い描いたまさにそれであった。

手早くチェックインを済ませ(前金¥2800也)、二階に上がる。
薄暗い通路に昭和の空気が染込んだ壁紙

今回は出入り口直ぐそばのシングル洋間である。




風呂付きでこの値段なら十分である。
一息ついたところで、周辺を軽くドライブしてみる。

燕系のラーメン「ラーメン響」正油味。¥630
無料の大盛りと背脂多めの追加。
角張った太麺とコッテリスープ。
刻み生たまねぎがいいアクセントだ。
たまたま立ち寄ったがアタリの店だった。

俺の知っている倒せないヤツに棒が一本たりない。

金属団地。働いているのはレプリカント的な面々だろうか。

ホームセンターに入っている「TSUTAYA」のロゴが知ってるヤツと違うなぁ…
くま的なゆるキャラは良い。

そんなこんなで、酒類を買い込み一服する。

窓から見えるのは、殺風景なスクラップ工場と一面の田んぼ。
軽トラと一服するおっちゃん。時間は午後6時前。
ただ々ゆっくりと時間が流れる。
酔いが回りそれとなしにまどろむと、いつの間にか公楽園は夜の姿を見せた。

先に述べるのを忘れたが、国道116号線のこの周辺は田舎のどこにでも有るような
交通量はかなりあるが、人家が少なめの場所でラブホが点在する場所である。
公楽園は長距離ドライバー、ガテン系労働者が一息ついてコーヒーを飲んだり(時にはビールを呑んだり)
自販機のカップ麺をすすり、だべる様な場所である。宿泊施設も本来その為のものである。
もちろん、エロDVDやゲームコーナーのスロットなどボンクラ共の心を満たしてくれる様な必須アイテムも存在する。

懐かしく、珍しい自販機たち。ゲームコーナーの騒音。


10年以上前の煙草のポスター。
ちぐはぐな、曖昧を良しとした昭和の残り香。
トラック野郎のセットをタランティーノが作り直した様な、奇妙な既視感。


すべてが渾然となり身を包む。
見ているだけでは何なので、ホットトースト(チーズ)を買ってみる。(¥200也)

お金を入れると、しばらくトースト中のサインが点滅する。

滅茶苦茶熱い!アルミホイルの包まれた状態で出て来た。

やけどに注意しつつ、もちろんビール片手に食べる。
味はまぁ普通であった。

おつまみもついでに自販機で補給しつつ、公楽園に夜は更けていく…
■公楽園の場所

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