先月、行こうとしたら強風のため船が欠航になり、泣く泣く帰ってきた「田代島」。
今回は天気予報で風速もチェックして万全を期してリベンジしました。
仙台駅から快速・仙石東北ラインで石巻駅へ。
石巻駅近くのホテルに前泊して、翌日、09:00の網地島ラインに乗船。
目的地の田代島、仁斗田港まで片道1,250円(現金のみ、自販機は新札が使えませんが、係員が旧札に取り換えてくれます)。


田代島には大泊港と仁斗田港のふたつの港がありますが、大泊港周辺には猫があまりいないので、仁斗田港で下船するのがよいでしょう。



岩合さんが言っていたように、できるだけ猫の目の高さで写真を撮るようにしました。
猫は基本的に人に懐いていて、そばに寄っても逃げません。
ただ、抱き上げようとするといやがってするりと逃げてしまう猫が多かったです。


この島の住民は50人くらい、猫は100匹以上いると言われています。
みたところ、漁業の方が多そうでしした。
平日でしたが、観光に来ている人はそこそこいました。
猫も餌をもらえそうなところにたくさん集まっています。
右端に移っているカメラを構えた方とその左の白いダウンジャケットの方は、テレビの取材のようでした。




カメラを向けてみると、猫は寝ているか、体を舐めているか、体を搔いているかのどれかであることが多いです。
あくびとかジャンプみたいな瞬間を撮るのは難しいです。
猫のブログを書いているYさんの猫ドリルなんてどうやって撮るのか不思議です。

しばらく歩いていくと「島のえき」というところがあります。
ここでは餌を与えているので、たくさんの猫たちが集結しています。
この島では、観光客が直接猫に餌をやるのは禁止ですが、餌をここに寄付することはできます。
また、犬を連れて島へ上陸することはできません。


並んで餌の順番を待っているのがかわいいです。
餌はキャットフード(カリカリ)でした。



この島では猫のバースコントロールはどうしているのだろうかと疑問がわきました。
猫は餌さえ十分に与えられれば、次々と出産するのでどんどん個体の数が増えてしまいそうです。
私も過去に猫を飼ったことがありますが、避妊せずに生まれた子猫の貰い手をさがしたこともありましたし、避妊手術を受けさせたこともありました。
昔、坂東眞砂子さんいう小説家が、「子猫殺し」というエッセイを書いて物議を醸しました。
飼っている猫が生んだ子猫を崖から落として殺していたというのです。
人には猫に避妊手術を受けさせる権利はなく、もちろん子猫を殺す権利もないけれども飼い主として自分がより納得できる道を選んだというのが彼女の主張です。


自分自身に置き換えて考えてみても誰かに強制的に不妊手術を受けさせられるのもいやだし、生まれた子どもを殺されるのもいやだし、難しい問題です。
この島の猫たちが、避妊手術を受けずに自由に出産できるのだとしたら、それが一番だと思います。
動物は本来、多産多死。
生まれた子の一部が大人まで育つという形が自然です。
話が脱線しますが、日本では少子化が問題になっています。
唐突な仮説ですが、もしかしたら医学の進歩で近い将来、老化のメカニズムが解明されて不老不死が現実になるのではないだろうか。
そうなったら、事故とか自殺みたいなことがないと人が死ななくなるので、人がたくさん生まれると人口が増えすぎてしまいます。
だから将来の不老不死を見据えて先進国では少子化が進んでいるのではないでしょうか?
なんてね。


島のえきからもう少し進むと猫神社があります。
昔、漁師さんが錨を作るために石を砕いていたところ、石の破片が猫を直撃して大怪我をさせてしまい、猫の安全と大漁を祈って、神社を作ったそうです。
さらに道を進んでいくと、大泊港に着きますが、途中の道には家もなく、猫もいませんでした。
猫がよく出没するのは、仁斗田港から猫神社までのようです。

同じ道を戻ってきて再び島のえきに立ち寄りました。

ここにいた3匹の猫は近くの家で飼われているらしく、すごく人懐っこくてカメラを向けても私の方に寄ってきてしまいます。





帰りの便は、13:55と15:30があり、私は15:30までたっぷりと島の散策を楽しみました。
3日前の天気予報では晴れの予報でしたが、当日はお昼頃まで曇り、時々晴れ、一時小雨もちらつく天気でした。午後からは晴れてきました。
心配した風は終始穏やかでした。


仁斗田港に田代食堂というお店があり、営業していませんでしたが、ここで飼われていると思われる猫がたくさんいました。

猫たちに別れを告げ、田代島を後にしました。
またいつか来られることを願いながら。