バスを降りて
「広寒楼苑」に向かうと、門が見えてきました。でも、どこにも「広寒楼苑」という文字が見当たらず。
中に入る前に、手前にあった憩いの場のようなところで一休みし、近くを通ったハルモニに、「広寒楼苑」はどこかと聞くと、その門が「広寒楼苑」とのことでした。
ハルモニにお礼を伝え進むと、途中に、何やら展示している家屋を発見しました。中からは、韓国の伝統音楽が聞こえてきます。気になってのぞいていると、さっき別れたハルモニが、ここは自由に見学できるところだから中へどうぞ、と促され、ハルモニについて中へ入っていきました。
すると、韓屋の奥に映像を流しているモニターを発見。どうやら、踊りの名人の資料館のようでした。そこは「チョ・カプニョ サルプリ 名舞館(조갑녀 살풀이 명무관)」。チョ・カプニョさん(조갑녀、1923-2015)という、サルプリという舞いの名人(살풀이가)の展示でした。3年ほど前に他界されたそうです。部屋には、その名人の遺品、公演写真、映像、関連図書、報道資料、使っていた衣装などが展示されていました。
■サルプリとは 元々は巫女の舞いだったが、現代では女性の人生の葛藤を表現する伝統舞踊とされている。白い衣装が特徴。
なんとなくハルモニと一緒に中に入り、ハルモニが座布団を出してくれて、流れで二人で並んで座り(なぜか正座w)、名人の映像をみることに。
ハルモニのお話によると、ここは、名人チョ・カプニョさんが住んでいた建物で、復元され名舞館という資料館になったそうです。
チョ・カプニョさんのサルプリの舞は、2016年に、国立無形遺産院により伝承保存価値がある遺産として認定されました。生前にチョ・カプニョさんの舞を見ることができませんでしたが、こうして旅先で偶然拝見でき、幸いです。この資料館では、毎月公演を開催していて、サルプリ舞や、剣舞、僧舞などの伝統舞踊を見ることができるそうです。
帰り際に、ご一緒させてもらったハルモニが、爆弾発言を。
ハルモニは、実は、この名人チョ・カプニョさんの長女とのこと!!とても驚きました!改めてお礼を伝え、ハルモニとお別れしました。私のつたない韓国語にも耳を傾けてくれて色々質問してくださいました。こういう時、あー、もっと韓国語が話せれば!と、もどかしくなります。ハルモニ、そして、チョ・カプニョさんと出会えて、とてもいい時間をすごしました。
次回のブログは、いよいよ「広寒楼苑」です!
<つづく>