Sara22のブログ 柿の短歌
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柿の短歌

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今日は、河野裕子さんの「柿」を詠んだ短歌を紹介しましょう。


夕日さして一本の柿の古木あり睡りのやうな憂ひを感ず


ふれてみる熟柿の大きな冷たさよ夜は何かがずっと深くなる


天より享くる歳と思へばカサコソリ柿の葉おつる朱い色して


眠りへと移る意識の暗がりにああそこだった裏の柿の木


枝づたひに来たるしづくの大きさよわが古庭の江戸柿の木は


せつかちに生きるのは止めた温くさうな吉野柿にもぐりて眠ろう


江戸柿は実も葉もおほきくゆつたりと時を急がず霜月に入る


術後七年、障りなき日はあらざらきほつりほつりと柿の花落つ


夕庭に落ちゐる薄黄の柿の花さびしいがいいか さみしいがいいか


原稿の催促来ぬも妙なもの庭に出てカタツムリ柿の葉に乗す


河野さんは、柿の短歌を三十首ほど詠んでいる。

その中で、好みの歌を十首ほど紹介したいと思う。

柿は、食べても美味しいけれど、木になっている姿は情緒があり、心惹かれるものがある。

河野さんの歌は、彼女が病気だったこともあり、どこか寂しく、言葉のところどころに哀しみが感じられる。

Yuko Kawano has composed about 30 tanka of persimmon.

I'd like to introduce 10 of my favorite tanka in them.

Persimmons are delicious and they have a quaint atmosphere.

I'm attracted to it.

She was sick, so we can feel the loneliness and sadness in her tanka.

「里の秋」を宗次郎さんのオカリナでお聴きください。


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コメント

”Sara ”さん、こんばんは。

俳句・和歌・川柳、どれも面白く大好きです。
私の故郷に、種田山頭火が居ました。ふらり故郷を捨てた廃人ですが・・・
規則を無視した? 自由奔放な俳句は、読んでいても面白く好きな俳人の一人です。
「分け入っても 分け入っても 青い空」
「雨ふるふる 里は はだしで歩く」
「焼き捨てて 日記灰の これだけか」  イイね〜、自由奔放に心高らかに。
季語を無視と言えばそれまでだが、何物にも囚われないって、大事なことでもある・・・

夢旅人さん、こんばんは。
いつもありがとうございます。

俳句、和歌、川柳はいいですよね。
そして、詩も。

種田山頭火は、夢旅人さんと同郷なのですね。
種田山頭火の俳句、いいですよね。
季語がなくてもよいし、字数も五七五でなくても良いのですよね。
掲載して下さった俳句は素敵ですよね。

自由奔放な俳句は、人間味にあふれていていいですよね。
そして、夢旅人さんがおっしゃるように何ものにも囚われないということは素晴らしいことですね。

sara2sara22さん
 河野裕子さんは、柿の歌を多く詠んでいるのですね。
「術後七年、障りなき日はあらざらきほつりほつりと柿の花落つ」は、術後の気弱さ・不安などが、常に付きまとい、そこに、柿の花が一つずつ落ちていく様との重なりが、さらに不安を募らせていく、という心情・情景が目の前に迫ってくるようです。歳を取ってきて初めて深く感じることのできる歌ですね。
 またいい歌を紹介していただきありがとうございます。

温泉三昧さん、こんばんは。
コメントありがとうございます。

河野さんは30首あまりの柿の短歌を詠んでいます。

「術後七年、障りなき日はあらざらきほつりほつりと柿の花落つ」

河野さんは乳がんのために亡くなったのですが、術後7年経っても精神的にも肉体的にも大変だったのだと思います。
「障りなき日はあらざりき」という言葉に、心休まる日はなかったということがわかります。

「ほつりほつりと柿の花落つ」という言葉に柿を見ながら不安や様々な想いが浮かんでくる様子が感じられます。

こちらこそ読んでくださりありがとうございます。

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