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ぶらんこ

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今日は、はたちよしこさんの詩を二篇紹介しましょう。




だれもいないのに
ぶらんこが ゆれている

こどもたちが
かえってしまったあと

やっと
風に じゅんばんがきて



車のサイドミラー

小さな女の子が
サイドミラーをのぞきこんでいる

しばらくながめていたが
うれしそうにいった

――こんなところに
   小さな空があったのね
                 「小さな詩集」より



平易な言葉で書かれているけれど、優しい詩である。

最初の詩は、風もぶらんこに乗りたかったのだと優しい気持ちにさせてくれる。

「車のサイドミラー」は、小さな女の子の目線で詠まれている。

こちらも微笑んでしまいそうである。

The two poems are gentle expressions.

The first poem makes me feel kind.

'' Car side mirror '' is written from little girl's eye level.

It makes me smile.

サン=サーンス:組曲「動物の謝肉祭」より 第7曲水族館をお聴きください。


こんこんこな雪

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今日は、三好達治の詩を紹介しましょう。


こんこんこな雪ふる朝に

こんこんこな雪ふる朝に
梅がいちりんさきました
また水仙もさきました
梅にむかってさきました
海はどんどと冬のこえ
空より青い沖のいろ
沖にうかんだはなれ島
島では梅がさきました
また水仙もさきました
赤いつばきもさきました
三つの花は三つのいろ
三つの顔でさきました
一つ小島にさきました
一つ畑にさきました
れんれんれんげはまだおきぬ
たんたんたんぽぽねむってる
島いちばんにさきました
ひよどり小鳥のよぶこえに
こんこんこな雪ふる朝に
島いちばんにさきました



素敵な詩である。

言葉のリズムがよい詩である。

優しくて、繰り返される言葉が心地よい。

こな雪は降っているけれど、春はもうすぐだろう。

It's a nice poem.

This poem has a good rhythm.

It's sweet and comfortable with words repeated.

Powder snow is falling.

But spring will be soon here.

アンドレギャニオンの「小さい春」をお聴きください。


灯りがともる

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今日は、石垣りんの詩を紹介しましょう。


二月のあかり

二月には
土の中にあかりがともる。

遠足の朝など
夜明けの
まだ暗い空の下で
先に起き出したお母さんが
台所のデンキをつけるように
旅のしたくを始めるように。

二月にはぽっかり
土の窓にあかるいものがともる。
もうじき訪れる春を待って。

草の芽や
球根たちが出発する
その用意をしてあげるために
土の中でも
お母さんが目をさましている。
              「レモンとねずみ」より



とても素敵な詩である。

人間のお母さんが子どもの遠足の支度をするのと同じように、

土の中でもお母さんが草の芽や球根たちのために目を覚ましている。

春の訪れはもうすぐです。

It's a very nice poem.

Human mother prepares for a field trip for her child.

A mother is awake for sprouts and bulbs in the same way in the soil.

Spring will be here soon.

'' Passacaglia '' をお聴きください。


ひとり林に・・・・

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今日は、立原道造の詩を紹介しましょう。


ひとり林に‥‥

だれも 見てゐないのに
咲いてゐる 花と花
だれも きいてゐないのに
啼いてゐる 鳥と鳥

通りおくれた雲が 梢の
空たかく ながされて行く
青い青いあそこには 風が
さやさや すぎるのだらう

草の葉には 草の葉のかげ
うごかないそれの ふかみには
てんたうむしが ねむつてゐる

うたふやうな沈黙(しじま)に ひたり
私の胸は 溢れる泉! かたく
脈打つひびきが時を すすめる



素敵な詩である。

立原道造の詩は、ロマンティックで繊細な感じがする。

一連の部分は、人の意識の外に花や鳥がある。

繰り返されている言葉にはリズムがある。

空に目をやれば、雲は流れ、風が吹いている。

一人無関心に歩いているのかと思ったら、四連目で突然、自然の美しさに目覚めたかのように心は溢れる泉のように・・・

うたうような沈黙にひたる。

It's a nice poem.

Michizou Tachihara's poem is romantic and delicate.

The first stanza of this poem expresses flowers and birds to exclude his consciousness.

This poem has rhythm.

When he looks at the sky, clouds are flowing and wind is blowing.

Suddenly the poem changed as if he woke up from a dream.

He immerses himself in silence.

'' Chanson du matin '' をお聴きください。


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今日は、山村暮鳥の詩を紹介しましょう。




ほのかな
深い宵闇である
どこかに
どこかに
梅の木がある
どうだい
星がこぼれるやうだ
白梅だらうの
どこに
さいてゐるんだらう

おなじく

おい、そつと
そつと
しづかに
梅の匂ひだ

おなじく

大竹藪の眞晝は
ひつそりとしてゐる
この梅の
小枝を一つ
もらつてゆきますよ



素敵な詩である。

宵闇に梅の香りがする。

作者は、どこに咲いているのだろうと思う。

別の日に来たのだろう。

真昼なのにひっそりとして誰もいない。

梅の小枝をもらってゆこうと・・・

のんびりした様子なのにちゃっかりしている。

長閑な早春の詩である。

The scent of plum blossoms is in twilight.

He wonders where it is blooming.

He came to the bamboo grove on another day.

Even though it was midday, it was quiet and there was no one.

He thought of getting a plum twig.

He is cheeky.

This is a leisurely early spring poem.

ヴィヴァルディ: 「四季」より春:第1楽章 をお聴きください。


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