古い自転車を修理する 前編 - 算数と数学と高校受験 平塚市の個別指導塾

古い自転車を修理する 前編

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ロッドブレーキ仕様の 古い自転車(光自転車)を修理しました。

おそらく 1970年代後半から 1980年代前半に作られた軽快車(だと思われます)です。

▲↑▲ ヤフオクで 自転車(だったもの?)を買いました。このように 前後のタイヤとハンドルが外された状態で 着荷しました。

分解して 洗浄して 錆を取って 色を塗って 油を入れて もう1度組み立てます。

▲↑▲ 半年くらいかかって ようやく 自転車の姿に戻りました。

古い自転車を修理する

光自転車(ヒカリ自転車)は 前後のタイヤとハンドルが外された状態で アジトに到着しました。

「光自転車」は 昭和30年代 40年代に 自転車を作っていた会社(が販売していた自転車に設定していた 自転車のブランド)のようです。(ググると ナショナル自転車工業や 大日本機械工業という会社名が その周りに見え隠れしています)

▲↑▲ ロッドブレーキの自転車です。ロッドブレーキの軽快車は 1980年代(昭和50年代 60年代)頃まで 販売されていたようです。

▲↑▲ コッターピンを使わない コッタレスタイプのクランクが使われています。栄輪業株式会社 SRのロゴが刻まれたクランクです。

▲↑▲ ホイールのリムは W/O(ワイヤードオン)タイプです。

▲↑▲ マエダ工業株式会社 MAEDAのロゴが刻まれた(シングルギヤの)フリーホイールです。歯数は20丁です。使われている部品から想像するに 1970年代後半から 1980年代前半頃に生産された軽快車かと思います。

▲↑▲ コッタレスクランクを抜き取る道具を使って クランクを外します。

▲↑▲ ジョイントリンクを外して チェーンを外します。チェーンは 新しいものに交換されているようです(たぶん)。

▲↑▲ ボトムブラケット(と呼ばれる部分付近の部品)を外します。ハンガーワンを外すときに 専用の工具が必要です。

▲↑▲ カップアンドコーンタイプのボトムブラケット(と呼ぶそう)です。シャフトとベアリングで構成されています。

▲↑▲ ネジ部分を洗浄して 色を塗って こんな感じです。

▲↑▲ ヘッドパーツ(と呼ばれる部分付近の部品)を外して フロントフォークをフレームから分離します。

▲↑▲ 分解して ベアリングなどを含めて洗浄して 色を塗って 油を入れて組み直すと こんな感じになります。

▲↑▲ 色を塗って組みあげる前に 前後のタイヤをつけて どんな形になるのか確認しました。

▲↑▲ トップチューブが 地面と平行なフレームの自転車に乗りたくて、この自転車を選びました。ダイヤモンドフレーム(Dフレーム)の中でも このような特徴のフレームをホリゾンタルフレームと呼ぶそうです。(クワシイコトハ ヨクワカリマセン)

▲↑▲ フレーム(フレームリアエンド付近?)に歪みがあるような気がしたので、このように簡易的な治具を作りつつ 修正しました。

古い自転車に色を塗る

貼りつけてあったシールをすべてはがし、劣化した塗料と錆をすべて落とし、新しいペンキを塗ります。

▲↑▲ シールをはがす作業に時間がかかりました。指先が痛くなるので、毎日15分ずつ進めました。

▲↑▲ サビキラープロを塗って (発色をよくするために)アイボリーを塗ってから オーシャンブルーを塗りました。

▲↑▲ サビキラーは 銀色でした。

▲↑▲ アイボリーを塗ります。

▲↑▲ アイボリーの上から オーシャンブルーを重ねます。垂れないように 薄塗りを 何回も繰り返します。ちぎったスポンジに ペンキを染みこませ、塗料を置いていくような感じで ペタペタと色を塗りました。

▲↑▲ このように塗りあがりました。

▲↑▲ 手が入りにくい部分は 細い筆を使って塗料を先に置いてから スポンジを使って肌を整えていくようなイメージで 色をつけました。

▲↑▲ オーシャンブルーは こんな雰囲気に塗りあがりました。

カップアンドコーン ボトムブラケットを組む

カップアンドコーン式の ボトムブラケットを組みつけます。

▲↑▲ ハンガーワンやロックリングは 左右で形状が異なります。間違えないように 事前に写真を撮っておいて 確認しながら組みつけます。

▲↑▲ ハンガー芯(ようするにクランクのシャフト?)の ベアリング玉が接触する部分は 状態が悪いです。レーシーな使い方は想定していないので、このまま再利用します。

▲↑▲ 右側のベアリングとハンガーワンです。

▲↑▲ 右側(チェーン側)のロックリングです。右側のロックリングは チェーンカバーの固定のために存在するようです。

▲↑▲ 左側のベアリングとハンガーワンです。左右でベアリングの色が違います。

▲↑▲ 左側のロックリングです。左側のロックリングとハンガーワンを使って ハンガー芯に対する ベアリングの玉当たりを調整する仕組みです。

▲↑▲ 自転車の進行方向に向かったときに ハンガー芯に刻まれている文字や数字が 正しく読める向きに ハンガー芯を組みつけます。

▲↑▲ レーシーな使い方は想定していないので、ホームセンターなどでも取り扱いがある 普通のリチウム石けん基のグリス(グリース?)を ベアリングに充填します。

▲↑▲ ボトムブラケット付近を組み終えました。玉当たり調整は クランクをつけてから、遊びを確認できる状態にして行います。

フロントフォーク ヘッドパーツを組む

フロントフォークを組みつけます。

▲↑▲ ヘッドの部分も 上側と下側で ベアリングの形状が異なります。

▲↑▲ どのような向きで組まれていたのかを確認しながら、元の場所に部品を戻していきます。

▲↑▲ ペンキを塗るときに外していたカバーと ヘッド下側の玉受けを元に戻します。

▲↑▲ 古い油と錆を落とし 洗浄します。

▲↑▲ ここにもリチウムグリスを使いました。

▲↑▲ ネジ部分にも 錆の予防として グリスを塗布しています。

▲↑▲ ヘッドパーツが組みあがり フレームにフロントフォークが戻りました。

▲↑▲ ここまで およそ4か月かかりました。

フリーホイールを分解する

マエダ工業株式会社(有限会社前田鉄工所)と思われる MAEDAという刻印があるフリーホイールを分解して洗浄して組み直します。

▲↑▲ このフリーホイールは 歯が20丁です。(パッと探した感じ) 軽快車用で 20歯のフリーホイールは(現在は)販売されていないので、このフリーホイールを整備して使います。

(このようなラチェット機構が仕込まれたギヤアッセンブリは様々な名称で呼ばれているようです。フリーホイール、フリーギヤ、フリーコグ、シングルフリーなど。)

(また、このタイプのフリーギヤを取りつけられる軽快車用のハブは 現在は販売されていないような気がします。)

▲↑▲ このような治具を作って フリーホイールの蓋(ふた?)を開けます。

▲↑▲ フリーホイールの蓋に開いている小さい穴の位置と一致するように 木片にビスを打ちつけて、ビスの先端が 蓋の穴に引っかかり 工具として機能するようにしました。

▲↑▲ 治具が外れないように シャフトに切ってあるネジを使って 木片を押さえこみつつ フリーホイールの蓋にトルクをかけて外します。

▲↑▲ フリーホイールの蓋がゆるみ ベアリングが見えました。

▲↑▲ 外側のベアリングをすべて取り出しました。ラチェット機構が見えます。

▲↑▲ 細い線バネによって ラチェットのツメが持ち上がるような仕組みになっています。

▲↑▲ ベアリングをなくさないように 慎重に洗浄します。

▲↑▲ できるかぎり洗浄して 古い油を落とします。ラチェット機構部分には 動作が不安定にならないように リチウムグリスを薄く塗りました。

▲↑▲ ベアリング玉と 玉受けに リチウムグリスをしっかりと塗りつけつつ 内側の玉を置いていきます。

▲↑▲ 内側に置いた玉を落とさないよに 慎重にギヤを戻します。さらに 外側の玉受けにも 同様にグリスを盛って ベアリング玉を置いて、元通りに組みつけます。

▲↑▲ フリーホイールが組みあがりました。

バンドブレーキを分解する

バンドブレーキを分解して 洗浄して 組み直します。

本当は ブレーキは新しいものに交換したかったのですが、ブレーキのドラムが固着していて ハブから外すことができませんでした。

ですので、ブレーキも 分解と洗浄をして 再利用します。

▲↑▲ ホイールから ブレーキのユニットを取り外します。

▲↑▲ バネがかかっているので バネのかかり方が分かるように写真を撮ります。

▲↑▲ こんな感じです。

▲↑▲ すべての部品を分解して きれいに掃除します。

▲↑▲ 可動部分に油を入れつつ 組み戻します。

タイヤ ホイール ハブを組みつける

前後ホイールのハブを分解し 洗浄し  組み戻します。

▲↑▲ 玉押しをゆるめて ハブを分解します。

▲↑▲ ベアリングの玉を紛失しないように 注意しながら 取り出します。

▲↑▲ パーツクリーナーや 食器用洗剤を使い 丁寧に洗います。

▲↑▲ 後輪の車軸は 曲がっていました。

▲↑▲ 車軸は 新しい部品に交換します。

▲↑▲ 新しいグリス(リチウムグリース)を 十分に充填し ベアリングを組みつけます。

▲↑▲ 前輪も後輪も リムに曲がりがありました。ハンマーでたたいて 元に戻します。(パンクした状態や 十分に空気が入っていない状態で 段差などを乗り越えると リムが曲がってしまいます。)

▲↑▲ シンコー株式会社の カラータイヤを選びました。アイボリーです。

▲↑▲ リムバンド、チューブなどもすべて新しいものに入れ替えて組みつけます。

▲↑▲ ホイール(リム?)の振れ(フレ?)は 後で調整します。(タイヤを組みつける前の)ホイールだけの状態のときに、スポークニップルに注油を行い すべてのニップルが固着なく回ることを確認しました。

同時に 曲がりのあるスポークは ペンチを使って できるだけ直線に戻しました。

▲↑▲ ハブとスポークの錆も できるだけ落とします。

▲↑▲ メッキがはがれていない部分は 真鍮のワイヤーブラシを使って 錆を落とすことができました。

▲↑▲ ホイールにタイヤが組めたら 玉当たり(玉押し)の調整をします。

ハブ側も玉押し側も ベアリングと接触する面の状態は悪かったです。ですが レーシーな使い方は想定していないので そのまま再利用します。

ゴロゴロ感が多めの玉当たり具合に調整を行いました。しばらく走ることで 新しくきれいな当たり面ができることに期待しています。

ホイールをフレームに仮組する

タイヤホイールをフレームに仮組します。

▲↑▲ 前輪をフレームに戻します。このときに ヘッドパーツ(フロントフォーク?)の玉当たりを調整します。

▲↑▲ ブレーキをつけて 後輪もフレームに戻します。(仮組なので ブレーキの位置が決まっていません。)

▲↑▲ ようやく自転車の姿になりました。うれしいです。

▲↑▲ 真横からの姿を比べます。

▲↑▲ 別の個体の自転車のようになりました。

古い自転車の修理の続きです ⇒ 古い自転車を修理する 後編