kiri: 左 : exblog インドネシア語の中庭ノート
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2013年 04月 28日
kiri: 左
KKM のような kamus dwibahasa では「kiri: 左」とすれば済むが (久しぶりに語呂合わせを書くと「錐は左手,鉋は右手」),国語辞典のような kamus ekabahasa では,説明に苦労することになる.

KBBI_3
kiri: arah, pihak, atau sisi bagian badan kita yang berisi jantung.

心臓のある側という説明である。もしかして jantung の語釈に kiri が出ちゃっているのではと思って調べたら,bagian tubuh yg menjadi pusat peredaran darah (letaknya dl rongga dada sebelah atas),すなわち,心臓の位置は「胸腔の上の方」だった.おそらく,最初は atas でなく kiri であったが,心臓が右側にある人もいるなどの声があがって,ならば atas にしようと改められた結果,kiri の語釈との間に齟齬が生じることになったのでは.

大辞林:
: 空間を二分したときの一方の側.その人が北に向いていれば,西にあたる側.

「空間を二分」って「上下や内外ではなく左右にだね」と突っ込みたくなるが,それはさておき,この大辞林によれば,「左」を知るには,先ずは「北」を知らなければならない.そしてその「北」はと言うと,「方角の一.日の出に向かって左の方角」 --- これ,拙いのではないだろうか.

私なら左手のイラストを掲げて,こちら側が「左」と説明する.これなら心臓の位置についての解剖学的知識がなくても,方位磁石を持っていなくても,どっちが「左」か分かる.辞書というものは,言葉を言葉で説明するものというのは,単なる思いこみだろう.

ルーペ片手に三浦しをん作 『舟を編む』 読了.映画には「「数字の10の0にあたる方」が右という場面があるらしいので探したが,見つからない.「右」について書いているくだりは p.19 だが,ここに数字の10の話は出てこない.どうも映画にだけある話のようだ.[Sg]



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by sanggarnote | 2013-04-28 08:21 | イラスト


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