朝日 3/6 にこんな記事があった.
「『人魚構文』なぜか東アジアに --- 日本で多用の奇妙な表現 20言語で確認」
「人魚構文」とは初耳だが,それが何であれ,「日本語で多用されていいる奇妙な構文」(奇妙なというのは,まあ英文法に合わないということだろうが)なら,それが確認されたという20言語の内には定めしインドネシア語も入っているだろうと思って,記事本文を読んだら,言語名が挙がっているのはアイヌ語,朝鮮語,ビルマ語などで,インドネシア語は出てこなかった.
この朝日の記事は国語研のプロジェクトの内容紹介らしいので,国語研のサイトへ行って次も見てみた.
国語研の共同研究プロジェクト「形容詞節と体言締め文:名詞の文法化」(プロジェクトリーダー: 角田太作)
http://www.ninjal.ac.jp/research/project/a/taigenjime/
1) 明日,花子が名古屋に行く予定だ。
2) 外では雨が降っている模様だ。
3) 明日,花子が名古屋に行くはずだ。
また,体言締め文の名詞が独立性を失って,接語に,更には,接辞になった例もある。
どうやら,このプロジェクトが問題にしているのは「体言締めの文」,「花子は,その予定・模様・はずだ」などであるらしい.なお「名詞が独立性を失って,接語に,更には,接辞になった例もある」には例文が挙がっていないが,「明日,花子が名古屋に行くのだ」がそうだろうか.
名詞が述語の文ならインドネシア語にはふつうにある.
しかし,日本語と違って,述語の定位置が文を締める位置というわけではない.
これでは,インドネシア語の名が見えないのも道理である.
日本語の体言締め文「花子はその予定だ」は,インドネシア語では,Hanako begitu rencananya. とかになるだろう.Hanako (花子は) を受けて begitu (そうである) が述語, その後に補語 rencananya(彼女の予定)という構文である.[Sg]
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