ママネさんに教えてもらってからずっと
気になり 惹かれてやまず
とある日曜 晴れた午後 思い立ち 向かう
奈良市の植村牧場
牛舎のまえにゆれるコスモス
植村牧場は 奈良市の住宅地にある小さな牧場で
牛舎は明治時代のものだそうです
さいわい牧場主 黒瀬礼子さんと話すことができまして
また記事改めてご紹介したいと思います
搾乳は1日2回 朝と夕
きっちり12時間あけるそう
わたしが話し込むあいだ(ああはじまったぞ、と)
和太郎が仲良くなった男の子
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牧場の近くに住んでいて
ほとんど毎日ここで遊んでいるそうです
(牧場の方談)
帰るとき 和太郎が
「ぼくもここに住みたい!」と言いつづけ
わたしも同じことを思っていました
さて そのとき
牛の角(つの)をひろいました
ころりと 牧草のなかに落ちていたのです
「持って帰っていいですか」
「ああ、ええよ」
「やったー!」
「きれいに洗わんとあかんよ」
「うん、ありがとう」
わたしは このとき手にするまで
牛の角が空洞であると知らなくて
「角笛」を思い出し 納得しました
コップにして 水も飲めそうです
ところが洗うと 牛のつの
ぽろぽろ めくれてしまうのです
きれいに洗えば つるんとなると思いきや
ぽろぽろ はがれつづけるので
ますますボロボロザラザラになる表面
コップも角笛もありません
強く硬いと思っていた牛の角が
身体から離れ 用がなくなったとたん
あっけなく土に還ってゆくことに
ふかく感じ入り
わたしたちも かくもやさしく
土に迎えてもらえるだろうかと
水気をそっとふきながら考えたのでした
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【Information】
街中にある奈良で一番古い牧場 「植村牧場」
〒630-8102奈良県奈良市般若寺町168
TEL・FAX 0742-23-2125・0742-23-2126
開館 8:00~17:00(受付:随時)
http://www.uemura-bokujyo.co.jp/
JR・近鉄奈良駅から奈良交通バス青山住宅行き「般若寺」バス停下車。
徒歩5分。駐車場あり。