10月30日、東京高等裁判所を訪ねました。
この日、「結婚の自由をすべての人に」訴訟という裁判の東京一次訴訟の控訴審判決がおこなわれるため、その傍聴応援に出かけたのです。
この裁判は、2019年2月から始まった裁判で、同性のカップルが法的に結婚できない現在の民法などの規定は憲法に違反しているとして、LGBTQ当事者の人たちが原告となり、全国5都市で国を提訴している裁判です。
そして司法に働きかけることで、同性婚の立法化の一刻も早い実現を求めています。
私はLGBTQの人たちの仲間、味方であるアライ(ALLY)を名乗り、この裁判開始の時から関心を持ち、昨年秋からは裁判をじかに傍聴するようになりました。
私がこの裁判に注目し、原告の方々を応援する理由は、個人的な関心だけではなく、この訴訟がこの国の人権や個人の尊厳、差別、偏見の問題と根本的に密接につながっているからです。
つまり、この国で生活するすべての人にかかわる問題であると考えているからです。
東京一次訴訟は一審の地裁判決で憲法24条2項への「違憲状態」という判決が出て、今回の高裁における控訴審の判決ではどう判断されるのか、その結果をじかに見届けたいと思いました。
朝10時から始まる裁判の傍聴にはたくさんの希望者が集まって抽選となり、私は残念ながら抽選に外れ、中には入れませんでした。しかし、外れたことで、判決を待っている間にとても嬉しい出会いも生まれました。
東京高裁の判決は、現行の法令が憲法14条、24条2項に対して「違憲」であると明確に判断しました。違憲判決は二審では札幌高裁に続いて2件目となります。
裁判所の前に原告と弁護団の方々が堂々と並び、大勢のマスメディア、テレビカメラの前で判決内容を伝え、その喜びを分かち合う姿を目の当たりにしました。
裁判所には原告ではない当事者、アライの人たち、関心を持つ人たちもたくさん来ています。
私もその場にいる人たちと一緒に喜び、原告の方々にご挨拶をしました。
世界では現在、欧米を中心に37の国・地域で同性の婚姻が法的に認められており、アジアでは台湾、ネパールに続き、来年1月からはタイで同性婚が実現します。
この日本で暮らす私たちは、どんな法律・制度の下で生活し、どんな権利を持っているのか。そして、どんな差別や不利益を被っている人たちが今、実際に存在するのか。
誰もが平等な法の下で、安心して毎日を幸せに生きていくためにこの裁判を見守り、応援し、発信していきたいと思います。
結婚の自由をすべての人に〜Marriage For All Japan
https://www.marriageforall.jp/
追記:東京高裁の判決を受けて、東京一次訴訟の原告は判決を高く評価しつつも、不十分な点もあるとして、11月8日、最高裁に上告しました。
カウンセリングサロンぱすてる
喜々津博樹