私の1番大好きなweb漫画、干支天使チアラットの連載が先日最終回を迎えた。
美少女戦士もののギャグ漫画と言えるだろうか。敬愛する中川ホメオパシー先生の描くダークでキュートなヒロインが姑息な手を使いつつも人の悪意や怨念を浄化しなんかハッピーな感じで敵を倒していく、というストーリーだ。
気になる方はこちらを読んでみてほしい。↓
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2015年に連載が開始され50話まで更新された。その間に単行本3冊、河崎実監督による実写化、イベントなどファンを楽しませてくれた中川ホメオパシー先生。至れり尽くせりなファンサービスを「尊い尊い」と享受した3年間だった。
中川ホメオパシー先生の存在は愛読していたオモコロでバトル少年カズヤという狂いに狂いまくった漫画を連載していたのでそこで知ることになる。
基本狂ってて話の展開は読めないギャグ漫画なのだが読んでいるとハッとする言葉が挟まれている。正気と狂喜のはざまで、やらなすぎるよりマシというのは私の中で座右の銘にしたいくらい好きな言葉だ。諦めたくなることもこの言葉を反芻することにより前を向いて進める気がする。ひたすらにただただやるしかないときも人生にはあるのだ。
バトル少年カズヤに収録されている健のポエム手帳のポエムがやばすぎて文化遺産レベルなのでぜひ読んでほしいと思う。私はこのポエムを読んで中川ホメオパシー先生に一生ついていくと決めた。
バトル少年カズヤと干支天使チアラットの発売記念イベントは闇の終末セミナーとタイトルをうたれ大阪まで遠征することとなった。
イベントの様子は薬物の依存がshowしてる中年男性のスライドがすべてを物語る。
終始笑わされるイベントで後にも先にもあれは奇跡としか言い様のないイベントだったと思っている。
干支天使チアラットではかわいい女子が干支をモチーフにした戦士服に変身する。色使いやキャラクターの個性にあわせて干支天使が描かれている。新しい干支天使が登場する度にかわいいかわいいと絶賛していた。特に卯年のチアバニーがかわいすぎる。
なんか女子の憧れを抽出したようなやつで、でも中川ホメオパシー先生は男子でどこからその乙女心が聖なる泉のように沸いてくるのかと不思議になることがしばしばある。
大人だからこそこういう漫画は必要だと思う。
何者にも特別な何かにもなれなくて毎日を細々と生きているからこそ干支天使たちが特別な何かになり世界を守ったり変えたり生き生きとしている姿になんとなく背中を押されたり明日も生きるかと笑えるのだ。
かわいい女の子だけじゃない、おっさんを描くのだって得意な中川ホメオパシー先生。
これは怒り狂った中年男性が中年男性をはったおそうとするシーンなのだが人生で喧嘩とかしたことないような冴えない男が不器用にそれでも全力で立ち向かう姿が滑稽すぎる。
倒したいなら肩じゃないだろう、狙うべき場所も怒りで見えていない。こんなに悔しくて惨めで滑稽な姿を見て何を感じるだろうか。
がむしゃらに怒るのってみっともないなって理性のある人なら思うだろう。ここは漫画の世界。常識なんて要らない。むしゃくしゃしたらぶつけていい。そんな自由さが羨ましくもある。
会社に行くのが嫌になればローマ字でKAISHAと書けばこちらの勝だ。KAISHAは既に私にコケにされている。ざまあみろ。KAISHAはこの悪意に気づいていない。もう1度言う。ざまあみろ。
中川ホメオパシー先生は強姦魔がバターになる漫画も描いておりもう完全にどうかしている。
無人島にひとつだけ何かを持っていっていいならあなたは持っていくか。私は可能であれば中川ホメオパシー先生を持っていきたい。(正しくはお連れしたい)
砂浜に自由に漫画を描いてとお願いしたいし、いよいよどうしようもなくなったら最悪食べてもいい。こんなふうに。
中川ホメオパシーの漫画はめくるめく正気ではない世界で支離滅裂、斬新、狂喜、これがメリーゴーランドに乗っかってぐるぐる色んなバリエーションで回ってくるようなものだ。いつだって心がチカチカして笑ってしまう。刺激的なのだ。
あぁ、この漫画家にひょんなことで出会えて良かったなと思う。
干支天使チアラットファンということでお知り合いになった人もいる。干支天使チアラットファンの人は皆優しくおもしろく惹かれる人が多い。
好きな漫画を好きなだけ話せる人がいることのありがたさを噛み締めて生きている。
人と人を繋ぐということは容易にできることではない。それができる中川ホメオパシーって不思議でおもしろい。
中川ホメオパシー (@nakagawa_ho)さんをチェックしよう https://twitter.com/nakagawa_ho?s=09
中川ホメオパシーのツイートはコラージュ画像も結構アップされるのだが、それが絶妙ですごくいい。ここでいう絶妙とは画像に対するちょっとした悪意とか不快感を見事にピックアップしてしっくりするような仕上がりにするのだ。言い得て妙というやつ。
中川ホメオパシーの漫画にはずいぶん背中を押された。何にしたっておもしろく捉えて笑っていこうと思ってこの3年間生きてきた。目尻の笑いシワはくっきりと刻まれもうクリームやらではどうにもならないレベルだ。
ずいぶん柔らかい顔になったと思う。33歳。これからの顔はどれだけ笑えたかで創られていく。
正直干支天使チアラットが干支が全部揃う前に最終回を迎えてしまったことは寂しい。寂しくて寂しくて最終回を迎えることを知った日は絶望すら感じたし、最終回が来る日など来ないでほしいと思った。
ただ最終回、全力で戦った干支天使たちの姿を見たら寂しいとかそんなことは言えなかった。最後というものは必ず訪れる。それをどう飾るか。中川ホメオパシー先生は干支天使チアラットを華々しく描き終えた。
寂しいとか言うことが野暮になるほど強く美しく完結させた。あぁ、この漫画に出会えて本当によかった。ありがとう中川ホメオパシー。愛してるぜ中川ホメオパシー。これからも中川ホメオパシーにしかできないことを中川ホメオパシーらしく していって。それが中川ホメオパシーの美学で私はそれをとてつもなく愛してしまったのだから。