サボテンサトシというお笑い芸人を知ったのは2016年の冬で初めてライブに行ったとき。あっという間に虜になり「100年続けるつもりでやってください」と声をかけた。それほどにしびれるライブだったのだ。
そしてその100年をねねは見続けファンでいる覚悟を決めている。
とは言えサボテンサトシも30歳。
あと100年(あれから2年たつので厳密には98年だがややこしくなるので100年とす)となると130歳。人間の平均寿命をとうに越えている。130歳までは生きてくれ、とサボテンサトシに無茶振りしたいところだが彼も一応人間であるためそれは難しいだろう。
人造人間に改造するのもおもしろいかもしれないが、現在の医療では難しい。予算もいくらかかるかわからない。しゃくれた顎が気管内挿管の妨げとなり麻酔がかけられないかもしれない。人造人間への改造手術は夢のまた夢だ。
ねねもあと100年となると133歳だ。ちょっとそこまで生きる自信はない。
100年続けるつもりで、という言葉が全くもって薄っぺらいものとなってしまったのでなんとか挽回したい。
このブログでは何回かサボテンサトシが出て来て今年に入ってからは一緒に山に行ったり無人駅に行ったりサボテンサトシの良さを全面に推している。
このブログを見てサボテンサトシを知ったりライブを見たいと思ってくれる方がいたらうれしい。
なにせサボテンサトシは某放送局のむちゃくちゃな集金の歌や、某引っ越しセンターにぼったくられた歌、某集団ワークの水素水を買わされた歌など、公にするとお角がたつのだ。テレビなどには出しにくい、言っちゃいけないやつを歌っているのでテレビ向きでない。ライブなど現場向きだ。
お笑い芸人が『売れる』というのはどういうことなのか。
賞レースでグランプリをとる?
テレビに出る?
冠番組をもつ?
お笑いライブにお客さんがたくさん来る?
出待ちのファンが増える?
多分一般的に分かりやすいのはテレビに出ることだろう。逆にテレビにでなければ一般のファンを掴みづらいのではないかと思う。
日本国民のほとんどがテレビを持っていて毎日のように見られているのだから。そこにたどり着くまでにどれだけのライバルを蹴落とし戦って芸を磨いてきたのだろう。お笑い芸人というものは想像を絶する世界にいる。
お笑い芸人に限らず、ミュージシャンや漫画家などアーティストと呼ばれる人たちが成功するのはほんのひと握りだと思う。
ちょこちょこサボテンサトシの出るライブを見に行くのだが、地下のひっそりとしたライブハウスでまばらなお客さんに全力で芸を見せる。みんなうまくてすごいのに聞く人があまりにも少ないと思った。
サボテンサトシを通じて見る世界の厳しさを知った。
有名人のライブじゃなきゃお金払ってまで見る意味はないと思う人も多いと思う。正直ねねもそうだったが、サボテンサトシのライブを見に行って変わった。生演奏の臨場感や目の前で汗をかきハーモニカから唾を飛ばし必死で歌う姿が忘れられないほどの衝撃だったのだ。
おもしろいテレビも惰性で流れるように見送り明日には覚えていない。
1年半前のあのサボテンサトシのライブは今でも覚えている。
あの生き生きとした舞台から生きる活力をもらったりしているのだ。ウキウキして精一杯拍手を送り笑顔でアンコールを求める。これはテレビにはない感動と興奮だと思う。(テレビ見ながら拍手するタイプの人がいたらそれは別だが)
誰かと感動を分かちかう経験というのはとてもいいものなのかもしれない。
サッカーワールドカップで渋谷に集まり盛り上がったり、映画館で映画を見てエンドロールで拍手するのも同じようなものだ。
サボテンサトシの場合お笑い芸人ではあるがギター芸人でもあるため終始ギターが鳴り響く。「歌が嫌いな人はいないでしょう?」と言いサボテンサトシのお笑いはギターにのせて客に届けられる。
知らない歌は馴染みがないので聞くのにちょっとした戸惑いとか緊張を与えられるがサボテンサトシの歌はすっと耳に馴染んで思わず口ずさんでいる。いい歌を歌うのだ。
この歌をなるべく多くの人に聞いてもらいたい。サボテンサトシと出掛けて歌を聞かせてもらう。あんまりいい性能ではないがムービーを録りTwitterにあげる。ブログに書く。
誰かの耳に届きますように。
多分ねねは世界一贅沢なサボテンサトシのファンであると思う。
あまりにも色々連れ回しているためサボテンサトシは「ねねさんは我が強くて有無を言わせない」とほとほと困っていた。連れ回されるサボテンサトシの悲壮感はなんとなくおもしろい。次はどこに連れていこうか、を毎日考えてはニヤニヤしている。
無料でYouTubeやおもしろいポータルサイトが見られる時代なので我々はエンターテイメントを無料で享受することに慣れてしまった。
でもそれは本当は対価を払うべきだと思っている。
自分に置き換えるとやった仕事にお給料が発生しなかったら理不尽すぎて泣けてしまう。
「自分の好きなことやってんだからお金もらえなくてもいいだろう?」
こういうのは本当によろしくない。
好きなこととはいえ、人前で芸を披露するまで何度も考え試行錯誤し練習し形にする。
そのプロセスを含め感動したり力をもらったらそれに見合うお金を払うべきなのだ。
物は形があるからお金を払って買う。
エンターテイメントは形がないからお金を払わない。
それは惨いなと思う。だからねねはサボテンサトシのライブに行ってきちんとお金を払う。サボテンサトシを尊敬しているからだ。
エンターテイメントに、そこまでする義理はないと思う人がいたらそういう考え方もあるよね、としか言いようがないがそれはちょっとさみしいよね、という話なのである。
アンダーグラウンドにはまだまだ見知らぬ名もなきアーティストがいる。機会があれば地下のライブハウスをそっと覗いてみると案外はまるかもしれない。まずはライブハウスに行くというきっかけを、その一歩を踏み出せるきっかけにのためなここにサボテンサトシを書き綴る。
あと100年。
それが無理でもインターネットの薄暗い底の底のこのブログに残し続けて誰かの心に引っ掛かるよう、そうして時間を繋いでおこう。
先日少しだけ告知したモテワンコンテストというものにサボテンサトシはエントリーしていて、皆さんの応援もあって予選を部門1位通過し明日準決勝が行われる。
誰もいないその駅で - ここから先は私のペースで失礼いたします
ねねは残念ながら行けないのだがサボテンサトシがしゃくれた顎をたなびかせいい演奏をして決勝にいくことを祈っている。
【モテワン】決勝に進出するのは誰だ?!準決勝をぜひ現地で応援しよう! | モテワンコンテスト
応援してくださった方々、本当にありがとうございました。
決勝まであと一歩、引き続き応援よろしくお願いいたします❗