Levi'sには、501・505・517という大定番モデル以外にも、多種多様な品番が存在してます。
普段は501をメインに、505をサブ的に穿いている僕ですが、USA製の珍しい品番を安価で見つけるとついつい買ってしまいます。
501関連の記事は当ブログでは人気コンテンツとなっていまして、んじゃせっかくなので、そういった珍アイテムも紹介してみようかなと。
これは「509-0217」というモデル。
残念ながら紙パッチはほぼ取れています。
内タグから、品番と製造年月、工場番号がわかります。
84年8月製、532工場。古着業界では80年代のジーパンというと近年モノの扱いをされますが、もうアラフォーなんですよね……(2021年現在)。
んで、この509ってなんなのよ? という話なんですけど、僕も具体的にはよくわかりません。Googleというインターネットのサイトを駆使して調べてみると、“コーデュロイ・パンツでおなじみの品番「519」にコインポケットを付けたもの”ということらしい。なんじゃそりゃ。
まずは519って何なのよ? となりますが、519コーデュロイは501に比べると明らかに細くて軽~くテーパードしてるので、きっとそういうデザインなんでしょう。今は気分じゃないけど、僕も519コーズは好きです。一本持ってますよ。
このオレンジタブってのは、ファッション向けの廉価アイテムに付けられてるんですってね。
前んとこはジップフライ。ボタンフライに慣れてしまうと、脱ぐときにこのジップをついつい501と同じく手でグイっと引っ張ってしまうので、ジッパーを壊しがち。
519コーデュロイは股上がそこそこ浅いイメージなんだけど、これはそうでもない。ウエストが大きいからそう感じるのかしら。それとも単純に509は深いのかしら。かように同じ品番だとしても統一性が無い。これぞまさにアメリカ。
裾。
実は買ったときはものすごく良いウネりが出てました。でもロールアップをしても長すぎて……。仕方ないので切っちゃいました。一応チェーンステッチで仕上げています。
ジーパンの裾ってほんと不思議で。これだけ穿き込まれてても、裾上げしただけで一気にこなれた雰囲気が無くなる。裾がストンと落ちずに固さが出るというか。穿いて何度か洗濯しないとクシュっとしてくれません。
でも僕、裾の移植とかそういう類の加工は好きじゃない。この先長く付き合おうとしていない姑息なやり方に感じる。中古でもさらに穿き込んでいけば自然とアタリは出てくるので、それをやり遂げて初めて自分のものになるって感じがします。見た目の問題じゃねえんだよ。
あと反対に、こういうファッション向けモデルに関しては、アタリの出てない裾もまた一興かなと思ったりもしてます。他に持っているUK製のいわゆるユーロ501なんて、あえてチェーンステッチにもせずシングルで仕上げましたからね。なんだかそのほうがヨーロッパっぽい気がして。
さて、この509。僕は昨年まで存在すら知りませんでした。当然僕がまだまだ不勉強だからではあるんですが、古着/アメカジ好きとしてのキャリアはそこそこ長いという自負はあります。そんな僕でも知らなかったくらいマイナー品番であり、タマ数も決して多くはありません。古着好きでその事実について異論がある人はいないと思います。
509を知ったのはこの記事がきっかけでした。
久々に登場、我らがMBさん。
ここ数年、メンズファッションはスラックスなどのきれいめボトムスがトレンドでしたが、最近はいよいよジーンズが復活。私たちアメカジオヤジのワードローブが活躍するターンとなりました。
※太線・下線 筆者
普段、あれだけアメカジやジーンズをダサい日本人の象徴として批判しておきながら、どの口がそれを言うか。
ま、それは置いといて。
特におすすめなのがこの509です。’80年代に誕生し、現在では廃番となっている品番ですが、古着屋さんなどで漁ると労せずして出てきます。
※太線・下線 筆者
“労せず”出てくるそうです。4,000円程度で。これを知った僕は衝撃を受けました。そんなありふれたジーパンの存在を知らなかったなんて、僕はこれまで古着屋で何を見てきたのだろうか……。
それから僕は509を探し始めました。
実際に行ける範囲内での古着屋やリサイクル屋、そしてもちろんメルカリでも。
今では多くのユーザーを抱えるメルカリではたしかにポツポツと出てきますが、どうしてもサイズと状態(と予算)の問題がある。
そして探すことたったの1年。上掲の一本がメルカリで見つかったというわけです。40年以上も生きていたら10年前がつい最近なんですから、1年なんてあっという間です。MBさんの言うとおり、まったく労せずに見つかりましたネ。
楽天もさすがにたくさんあると思います。サイズと状態と予算が合えば……ですが。便利な時代になりましたね。条件が合うならばたしかに労せずして見つかるのかもしれません。
で、これを穿いた印象ですけど、股上は501より深いので、感覚はたしかに違います。
でも、見た目は別に501や505と変わりゃしません。
そもそも505も穿いちゃえば501と見た目の差なんて無いに等しいんですよ。脱いで、並べて置いたらわかりますけどね。
517とか646みたいなフレアはそりゃ違いますよ。ところが、ことストレートのモデルに関しては、パッと見でわかるようなもんじゃありません。もちろん、じっくり見ればわかります。あと、僕らみたいな変態マニアなら違いはわかるでしょう。でも、すれ違いざまにジーパンを穿いている人を見たとして、それが501か505か519か509かなんて、誰もわかりゃしませんよ。穿いている本人が体形に合う・合わないってのはあるかもしれませんけどね。
とはいえ、です。知られていないだけで実は数限りなくあるリーバイスの品番・珍番。ちょっとでも集めて調べてみたくなるってのがコレクターの性分です。そういう人たちにとっては、洋服ってのは着るものじゃなくて眺めるものですからね。
今はどんな感じなのかは知りませんけど、当時のリーバイスにはこれだけの型数が存在していました。アメリカ製のモデルも含めてこれらが町のジーパン屋さん(チェーン店も含めて)とかでも普通に買えたのだから、いい時代でしたね pic.twitter.com/Zfk13ljBPj
— Euphonica 横浜仲町台の洋品店 (@Euphonica_045) 2021年4月19日
↑これ、ものすごく貴重な資料なんですけど、実は現行品と昔のとでは形やコンセプトが違っちゃってる品番もあったりして。
しかも、このUSA製509とリーバイス・ジャパンによる日本企画の509が、同じ仕様なのかすらもわからなかったりするし(日本企画の509はリサイクル屋で出てくる確率が高い)。
↑いやいや。というか、日本企画の509はボタンフライじゃん。全然違うじゃん。
なにそれ。
ね? 結構な沼なんですよ……。
僕も珍番は数本しか持ってません。これ含めて4本くらいかな? 思い出したらまた書きますね。
それでは。